日本パラグライダー協会
 
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ナショナルリーグ 第2戦
風の丘しらねカップ
2005年3月26日〜27日
開催地 : 山梨県南アルプス市白根フライトエリア

【3月26日(土)】

雄大な南アルプスを西側にもち、ダイナミックなフライトができる白根エリア。この時期MAX3000m以上となるサーマルトップに挑もうと多くのパイロットがX-zone に集まりました。

初日は朝から快晴!昨日まで続いた冬型の気圧配置は次第に緩みつつあり、風は弱まる予報。早朝6:30からの受付にはパイロットが列を作るほど、選手の気合が感じられました。 3台のモノラックはフル稼働し、10:00には79名全員がテイクオフに集合完了! 澄み切った甲府盆地の先には壮大な富士山が!!

飛んでしまえばなかなか、ゆっくりと味わえない絶景に、テイクオフでのウェイティングも苦になりません! 上空に残った寒気の影響からか、上空の西風は収まらず。残念ながら11:00に今日の競技は中止が発表されました。 選手の半分は山歩きしながらの下山!恒例のトレッキング大会、春を感じました。

夜は盛大にウェルカムパーティがクラブハウスにて開かれました。クラブ員の皆さんからの心のこもったもてなしに選手は大満足!

「甲府名物ほうとう」美味しかったです!
 
 


【3月27日(日)】

今日も朝から快晴!風も西風予報。
白根では絶好の予報に、今日も選手の気合十分!

午後に高層雲が広がってくることが予想されたのと、800m以下の気温減率があまり良くないことから、甘利山を基点にテイクオフ周辺を周回し、北へ10kmのゴールを目指す45kmのエラップス・タイム・レースが発表されました。 甲府盆地には強い逆転層がくっきり!下層のサーマル活動は渋そう・・。戦略はキープハイが必至な状況!

そんな中、選手たちは10:30のウインドオープンには一斉にテイクオフ!しかしテイクオフ前のコンディションは予想以上に渋く、 20 名ほどのパイロットが蜘蛛の糸をたどるように何とかレベルキープをするが、なかなか上げきりません。扇沢、小幡、吉川の有力選手を含むほとんどのパイロットはランディングしてしまう、いきなりの大波乱!

この状況を何とか切り抜けたのはベテランの長島、大澤、宮田そして若手の矢吹の 4 名。順調に甘利山南尾根に取り付き、セオリーどおり甘利山をトップアウト!2000mにあった逆転層を抜けると一気に2800mまで上昇しスタート!吉岡、大澤、宮田は上空の西風にのってフォローの風の中、 1 周約10kmをワングライド!やや遅れたタイミングで呉本、長島、両選手は南アルプスのウェーブリフトに乗って何と3400mまで上昇!追走します。

下層とは違い上層の対流は活発となり、その境目はかなり荒れたコンディションに!選手はサーマルと格闘しつつも確実にタスクをこなしていきます。リフライト組が合流するころにはコンディションはピークに達し、高く行けばゴールは確実な状況となりました。

レースは大沢、宮田が完全に抜け出しトップを争う形となりました。最後まで続いた一騎打ちでしたが、ファイナルグライドでのスピードで勝った大沢選手が 8 秒差でファーストゴールを決めました。 3 位は吉岡選手!初戦から好調で、今後が期待されます。女子トップは三木恵選手!総合でも 9 位と大健闘を見せました。

終わってみれば、ゴール者 28 名!スピード得点で僅かに勝った宮田選手が優勝となりました。多くの選手がゴールライン手前に無念のランディングを余儀なくされてしまいましたが、甘利山からファイナルグライドを切った選手は確実にゴールラインをカットできたようでした。

白根パラグライダースクールはナショナルクラスの大会開催は初めてでありましたが、心温まるもてなしに選手は大満足!またこのビックエリアでの大会が開催されることを参加選手全員が願っていることでしょう。
 
 
 
 

 
ゴール 三木恵選手
ゴール 扇澤郁選手
 
ゴール 吉岡真一選手
 大会結果
総合成績表 上位選手のトラックログ
総合成績表(日本語)  
女子成績表(日本語)  
U-25(日本語)  

・・・上位選手のコメント・・・
総合成績第2位
大澤行英選手
初めてのエリアで、よく昼前には渋くなるという地元フライヤーの情報もあり慎重に待っていたが、10時45分ごろソアリングが可能と判断しテイクオフ。テイクオフ直後にサーマルにヒットし高度を上げ裏へ裏へと流す。沖へ出してしまった選手は渋い条件を強いられランディングしてしまう選手も。ここまでの地元情報は当たっていた。

12時ごろからよくなるという予報をもとに、条件がよくなるのを良いポジションで待ちたいと判断。一緒に高度を稼いだ宮田選手、長島選手と甘利下の尾根で粘る。
11時30分ごろ突然よく上がりだし、高度2500mまであげると、急激に荒れだしたので、それ以上あげずにスタートする。11時45分ごろ。条件がよくなる時間だったこと、たくさんの選手がまわりにいて条件を観察しやすいと判断しスタートした。 2500mからなかなか下がらないが荒れた空域からもなかなか抜け出せない。追い風が強いため対地速度50km/h以上の速度があるのでアクセルよりもとにかく潰さないようにD09へ。

その後、ダイレクトにテイクオフ→甘利の下のサーマルポイントへつけた。このサーマルポイントではスタート前に上がるポイントをよく調べることが出来たので高度を2200mまで上げD78をとった後、またダイレクトにD09→テイクオフ→甘利のサーマルポイント→D78→高度2200m→D09と 難なくいけた。D09の次はゴールなのでダイレクトに向かうか、甘利で上げ直すかを判断に迷った。少し先行する宮田選手はダイレクトルートを取ろうとしていたので、私もついていこうと思ったが、やはりゴールまでの高度がたりないので、甘利へ引き返しあげなおしてからゴールへ向かう作戦に変更。

リーサイドの荒れたサーマルはコントロールがシビアだったが1900mまで上げ、コンペティーノでもゴールまで到達することが予測できたその時点で、宮田選手は私よりも先にゴールへと走った。私は後を追う形となった。山のそばなのでサーマルやローター、シンクなど交互に来るため、アクセルは注意してハーフだけふみ、様子を見た。やはりそれでも潰されたりしたが、それほど遠回りにならずに済んだ。以前はブレークコントロールのみ重視してブレークコードを短めにしていたが、アクセルに合わせて長めに調整してみた。すると、以前あったアクセルを踏んだときの恐怖感はなく安定したハイスピードを出すことが出来ることに気がついたのだ。

ゴールまで5kmをきったとき、山からも離れたとこもあり風が安定してきたのでフルアクセルを使い始めた。先に走った宮田選手の姿は見えないが、気にするとコースがそれてしまうのでゴールのみに集中する。ゴールへはTOPだったが、エラップスタイムレースでのタイムは2位だった。これからは、見切りのタイミングを考え、あげすぎにならないように決断をワンテンポ早くできるようにしたい。

総合成績第3位
吉岡真一選手
今回、初めてフライトした甲府白根ですが良い結果が残せて非常に嬉しいです。

スタート前、南甘利へたどり着いた時、宮田さんと大澤さんが上げていて一緒に上げようと思い、頑張って突っ込んで行いきました。すると良い具合に強いサーマルに遭遇しグングン高度を稼げたため心理的に余裕ができ落ち着いてフライト出来たのだと思います。
しかしルート取りが良くないため高度ロスするばかりで上げなおしに時間が掛かったのが反省点です。まだまだ初心者の域を出てないですのでもっと勉強が必要だと感じています。

前回の朝霧もそうなんですが今回も、まぐれが続いてるなぁというのが自分自身の本音です。昨年まで最下位あたりをうろうろしていたのが嘘のようです。多分ぶっ飛びをすることも多いと思いますので、大目に見て下さい。
大会関係者の皆様、スタッフの皆様ありがとうございました。

女子の部優勝
三木恵選手
大会前の “頑張れ”と大会後の“おめでとう”をくれたたくさんの皆様、本当にありがとうございました。
(今日のTAKと今日のCOOに速報が載ったおかげか、その反響が思いのほかすごくてびっくり!)

大会参加 2年目の春。今回は機体をBoomerang3に乗り換えて初めての大会。 『春の甲府白根は相当きついらしぃから気をつけてね。』とのアドバイスに『自分の手に負えないって思ったら、すぐ降りますよぉ。』なんて、のっけからヘナチョコ発言の私。前半はかなりのしぶしぶコン。なんとかステイはできるかな〜って感じを確認してから、中盤にテイクオフ。

スタート時間までの生き残りをかけて長島さんや植田さんたちにくっついて南甘利山頂へ。 宮田さん伝授のガグリング&クラビング術を駆使しながら、 じわじわ上げながら遠くを見渡すと、白い残雪がキラキラ光る南アルプス!な〜んて感動にひたる余裕もなく、逆転層のブレークとともにえらごっつい気合のはいったウェーブリフトの洗礼!(最大瞬間上昇率 11.1m/s ^^;)とりあえず機体を潰さないよう2700mまでは我慢したものの、絞られた雑巾みたいに潰れる機体を何機も目の当たりにして、これ以上は私にはムリっと離脱。そんな中でも上げてった呉さんと長島さんはホントに“男前”でした。

三角パイロンのターンポイント B09は高確率で上がらないそうなので、甘利でしっかり高度を稼いで、最短でとって、なるべく高くテイクオフ上空に帰ってこよう作戦で3周回。 最後の甘利からのファイナルグライドはなぜか踏ん切りがつかなくて、ついつい 2200mまで上げなおしてスタート・・・(初戦朝霧ゴール1.5km手前で降ったトラウマのせい?)案の定、ゴール上空でゴールラインがはるか下に霞んで見えていました。

ゴールからの一便目の回収車の中、なれない環境にとまどいながら『こんなにすんなりいくなんてなんか変だ。私のことだからゼッタイなんかやらかしてるはず。』と、ゴールの感動よりも先にたつものすごい不安感・・・ドキドキしながらの GPSダウンロードはあっさりクリア。日下部さんの『ちゃんとゴールしてるよ!がんばったね。』の声にようやく我に返ったようなありさまでした。  

最後になりましたが、大会関係者の方々、 X-ZONE白根の伊代野先生・レイ子さん・お手伝いしてくださった皆様、本当にお世話様でした。白根はいいエリアです♪ あと、機体の乗り換えにあたって、 Boomerang3が来る前からイメージトレーニングしてくれた辻さん、基本操作をきっちり見てくれる和子さん、悟さん、タロウさん、おかげさまで少しずつ機体にも慣れてきて、恐い思いをせずにフライトできました。 これからもどうぞよろしくお願いします!

U25第1位
佐藤良太選手
白根エリアでは今回が始めてのフライトです。大会初日は風が強く残念ながらキャンセルとなりましたが、二日目渋いコンデションながら大会で飛ぶことができて嬉しかったです。

今回の目標は「絶対にゴール!!」。 朝霧大会の反省もあって、不安もありましたが今回は早めにテイクオフしようと決めていました。予定通り2番目にテイクオフしましたが、渋いサーマルで上げることが出来ず結果、ぶっ飛びで終わりました。再度、気合を入れ直しリフライトするためにテイクオフへ。タイミングのいいときにテイクオフでき順調に高度を稼ぐことがでました。
サーマルは気合が入っており荒れ気味!!!ウヒョ-と絶叫しながのフライトとなりました。TASKは三角パイロンを三周し10km先のゴールへ。時間が掛かったものの何とかパイロンを回ることができゴールしました。初めてのエリアでのサーマル活動を想像することが出来ず何事も基本が大事であることを実感しました。

これからも大会にどんどん出ていい成績を出せるようがんばります!!!
最後になりましたが、朝早くから大会の準備、運営をして下さったスタッフの皆様ありがとうございました。