フランストレーニングキャンプ 現地リポート 06/09
     
 開催要綱 
レポート:辻編  宮田編
JPA トレーニングキャンプが フランスのアヌシーで開催されています。



6月8日から12日までの5日間のスケジュールで、PWCフランスのタスクディレクターを務めるJOELをコーチに招きパラグライダーのメッカアヌシーを中心に、コンディションに沿ったタスクをこなしながらの、テクニカルトレーニングとなります。
  



参加者は、北海道の平木さん。TAKパラグライダースクール所属の、杉本、中浦夫妻です。
サポートは、JPA競技事業部の宮田、辻。スカイパーク宇都宮の水沼。TAKパラグライダースクールの只野。そして私扇澤が行います。

初日6月8日は、少し渋めのコンディションでしたが、まずアヌシー湖を一周する75kmのタスクが設定されました。今年のワールドカップのタスクを想定したテクニカルなタスクは、強い逆転層に阻まれなかなかスタートできない状況でしたが粘りに粘り、全員が2200mの雲底からスタートを切ることができました。




本日は、アヌシーの中心地の上空でのソアリング、湖上でのコンバージェンスソアリング、セムノーズからリーサイドへの果敢な谷渡りなど、充実したタスクがこなされました。

明日は、南風の予報です。テイクオフを南に移動しての、アヌシーへリターンするタスクが予定されています。
 

2日目も晴天に恵まれ、興味深いタスクが組まれました。
逆転層が強く1300m以下ではサーマルの活動が貧弱ななか、岩盤での飛行をキープした69kmのフライトでした。
今日のミッションは全員ゴール。



ゆっくり時間を掛けて、全員がゴールメークしました。
なんと最後にゴールした、平木さんのフライトタイムは、6時間に及びました。
 
 
6月11日

今日は寒冷前線の接近で天気が確実に崩れる予報だった。10時にジョエル(コーチ)が来て「急いでテイクオフに行って飛ばないと!!」ということでモマーで飛ぶことにした。テイクオフにつくと既にエパニー(アラン邸がある町)はシャワーラインが出来ている。

ゆっくり確実に雨が近づいている。みんな急いでテイクオフして最後のオレが飛ぶ頃には
横風が強くなってきていたのでボチボチフィニッシュかな?という雰囲気だった。途中、弱く上がるところがあったがさっさと降りた。そう、雨が来るし風もつよくなるかもしれないからね。

さっさーっと片付けたあと雨がパラパラ。みんなセーフ。
朝に発生した車のトラブル(窓が閉まらなくなった)やリップエアーに用事があったりなんだかんだ雑用をやっているうちに一日が終わってしまった。アラン邸に戻ると、サウナ&プールが待っていた。なんていい生活なのだろう!というか、それまでがハードだったのでサウナは良い刺激になって気分爽快☆

夕食はBBQで盛り上がった。
なぜかリサちゃんがスマップの歌がお気に入りで振り付けありで歌ってくれて大いに盛り上がった。さらに、リサにせがまれてオレまで歌うことになってしまった。しょうがないから「リンダリンダ」を歌ったぜ!アカペラ&振り付けで。。


 
6月12日

最終日

今日も10時過ぎにジョエルが来てどうするか決めた。昨日の前線通過で風が強くなるそうだ。その前に飛べるエリアにいくことになった。むかったエリアは、南よりの斜面を持つ午前中のエリアで、アヌシーとアルベールビルを結ぶ谷にある。

天候は、雲が山に少々(積雲)、若干風が強め。本日はタスク無しだけれど、このトレーニングキャンプの締めくくりとしてすこしでもソアリングして周りを見て→自己判断→行動する事を目的に飛んでいました。


最初の宮田さんがテイクオフしてから1時間ほどでランディング場の風が強くなったのでみんな降りることになった。
テイクオフからジョエルと辻さんが見て、ランディングでは宮田さん、空中は扇澤さんが参加者の安全を確保している。これだけの豪華スタッフつきのキャンプが今まであっただろう



全員降りてからランディング場横に、ワールドカップチャンピオンでもあるパトリック・ベロー氏のSchool&BarHotelで最終ミーティング(閉会式みたいなものかなぁ)をやった。
<参加者から一言ずつ>
平木さん「とてもよいトレーニングでした。これからフランスで飛ぶので良い勉強になった。」

杉本勇さん「非常に有意義な一週間でした。サポート隊の方と一緒にタスクを周っていく中でいろいろ勉強になりました」

杉本誠子さん「自分の良い面と悪い面が見えた。いつもならあきらめている場面でもサポート隊の方と一緒にリカバリーしてやれば出来ることがわかった。

あと、2日目のタスクでゴールできて良かったです。
宮田さん「来年も参加しますか?」
誠子さん「だんなさん次第です(笑)」

いろんな出来事が凝縮された5日間であった。

本当に、みなさんお疲れ様でした!!

リポートは扇沢郁 只野正一郎でした



 
 リポート 辻 強編
 

JPAのトレーニングキャンプが始まりました。
昨日の夜、フランスのアネシーに到着。朝10時にアネシーの一番有名なプランフェのランディングに集まりました。今回の参加者は8人です。天候は快晴、北東風です。
午前中は地図を見ながら、アルプスで飛ぶときの注意点を学ぶ。特にフランスのサボイエ地方は2000m以上の山がとても複雑、岩盤と強いバレーウィンドについてジョエル、扇澤、只野が説明する。

午後からプランフェに上がりフライト、2時には全員がテイクオフ。空中では無線機で交信しながら最初は、逆転層があってなかなか山頂の岩盤をトップアウトできない。サーマルは強いものは5m/s以上でした。逆転層付近で結構荒れている。
70kmのタスクが組まれたが予報以上に渋いので午後遅く積乱雲によるストームが予想されるのでアネシーの町⇒セムノース⇒フランフェのランディングというコースを飛ぶ。
ようやく雲が出来始め、移動開始雲低は2200m、山岳地帯はかなり雲が発達しているがセムノースは雲が無く渋い。中浦さんが低くなり降りてしまった。
集団はセムノースから南の山に行ってプランフェに帰りました。

みんな3時間以上のフライトをし、家に戻って今日のフライトログをダウンロードし、PC上で今日のフライトの反省をした。

今週はかなり天気は良さそうです。

辻 強
 
トレーニングキャップリポート 宮田歩 編
 
6月8日
晴れ、風も弱い。地元パイロットは250kmのトライアングル記録を作ると早い時間にシャモニーから飛んでいるとの情報あり、いきなりの好条件。プランフェのランディングでトレーニングキャンプ開会式をしてジョエルのミーティングからスタート。プランフェからアネシー湖周辺を飛ぶ73kmのタスクが組まれ、注意点、攻略方法が話された。参加者は初めてのアルプスのため無理せず景色に慣れる事から始めることをアドバイス。13時にテイクオフ。プランフェ周辺だけは強い逆転層のためなかなか上げきれず、空中にて急遽アネシー湖一周コースにタスク変更となった。1時間以上スタックしたが何とか全員上げきりアネシーの町目指して定番のコースを飛ぶ。中浦誠子さんサポートの辻は湖対岸のセムノース麓にランディング。その後平木さんサポート扇沢はセムノース湖畔側にランディング。宮田、正一郎、水沼、杉本さんは4時間フライトしアネシー湖を一周。プランフェにランディングした。初日の練習としては無理をせず良いフライトとなった。フライト後はアラン宅にてフィードバックを行った。明日はもう少しスピードを上げたフライトを試みる定。中浦さんはとりあえずタスクコンプリートを目指します。
 

6月9日
トレーニング2日目も朝から快晴。絶好のコンディションとなった。朝のミーティングでもう一度昨日の反省を行った。参加者には未だ2日目なのでゆっくり飛んで、もう少しエリアに慣れることを重視。スピードよりもタスクコンプリートを目指してもらうことを確認。
低い高度では大気が安定しているため、ラ・フォクラのテイクオフに移動。夕方のサンダーストームの心配も無いことから、距離は70kmを確実にこなすタスクが組まれた。(と言っても参加者には非常に高い難易度ではあります)14時にラ・フォクラスタート、以外に渋く杉本さん、辻はランディング。直ぐにジョエルにピックアップしてもらい、プランフェからテイクオフして追いかける。この辺のサポートの手際もスムーズに行われている。他のメンバーは何とか上げきり、確実にタスクをこなしていく。やはり岩盤は参加者にはプレッシャーで力が入ってしまうようで、確実に上昇できる岩盤でのステイにはもう少し経験が必要となる。バレーウィンドの進入が予想以上に遅れ、途中スタックするところが多くあったが、地上ジョエルからの的確なアドバイスで何とかクリアー。先行する辻、扇沢からの情報から宮田、正一郎が参加者をサポート。何とか全員ゴールまで到着!最後の平木さんがゴールしたのは20:15。なんと6時間近くのフライトとなった。参加者は疲れよりもその充実感から大満足。本日の目標は達成できた。明日からはスピードを意識したフライトを実践していく予定。

 
6月10日
トレーニング3日目やはり快晴。参加者は連日の好コンディションに少しお疲れ気味。今日からはスピードを意識したフライトを目指すことが目標となった。岩盤が続くリッジをいかに回さずに効率良く飛ぶかがポイントとなる。本流の南風が強かったが、北風のバレーウィンドを利用し約30km南下し戻ってくる63kmのアウト・アンド・リターンが組まれた。14:30ラ・フォクラをテイクオフ。最初のアネシー湖は、参加者も慣れたもので簡単にクリアーできるほどになった。渡った先はバレーウィンドの入りが未だ弱く渋い。中浦さんは我慢できずランディング・・。その他のメンバーは確実に上げなおし約10kmのグライド開始。グライド中のアクセルワークも今回のスピードフライトのポイントでもあり、安定している空域では積極的にスピードを上げてのフライトが実践された。30km南下したセカンドターンポイントでは本日の難所の谷渡りが待っていた。ただ渡るのではなく、バレーウィンドが本流の南風とぶつかって作り出すコンバージェンスを使わないと広い谷を渡るのは不可能。早いタイミングで行った扇沢のみが谷渡りに成功。しかしその後本流の南風は北風バレーウィンドを押し下げてしまった。約1時間近く何度もトライしたが渡れず、その他のメンバーはセカンドターンポイントを諦め、プランフェまで引き返すこととなった。杉本さん、水沼さん、宮田で帰りの30kmはフォローでとばす。押し戻されたコンバージェンスラインまで戻れば楽にあげなおすことができ、一気にプランフェ帰ることができた。長いフォローへのファイナルグライドの理想的なパターンでよい練習となった。ランディングしてみれば19:00。今日も5時間フライトとなった。

6月11日
低気圧の接近により大気が不安定な予報。天気が崩れる前に早めにプランフェのテイクオフへ移動。しかしテイクオフについた頃には北に見えるアネシーの町がすでに雨が降り出しているのが見えた。急いで飛んで降りるだけとなってしまった。連日の長時間フライトが続いていたこともあり、参加者の皆さんはホッと休息日となった。そのかわり早めに宿泊先のアランさん宅に帰り、昨日までのフライトログをコンピューターに写し出し、解析。講師のジョエルによる詳しいフィードバックが行われた。3Dマップを使った飛行解析は斬新で参加者には非常に理解しやすく、驚きであった。夕方、雨が上がったのでぶっ飛びであるがプランフェに飛びに行き、癒しフライトで本日は終了。

フライト後のフィードバック

谷渡り
 

6月12日
トレーニング最終日。昨日に引き続き大気が不安定で風も強い。アネシー湖の南にあるUgineに飛びに行く。アネシー周辺で風が強くても唯一フライトできるエリアで、最終日のフライトスタート。タスクは特に決めずに狭い範囲であるけどテイクオフ周辺を飛ぶことになった。始めは風もそれほど強くなく、問題なくフライトできていたが、徐々に下層のバレーウィンドが強くなり時速20kmを越えてきたとの情報が入った。ランディングは広い谷底にあるのだが、瞬間ではMAX時速30kmの強風が吹くようになり全員ランディングすることに。参加者は予想以上の風の強さであった慌てず対処することができていた。特に杉本さん、中浦さんは四国トレーニングセミナーで学んだ強風時ランディングの練習が生かされ、本場バレーウィンドの中での実戦となった。その後風はさらに強くなり、本日のフライトは終了となった。




最終日まで毎日フライトできるなかで、また毎日が異なったバリエーションの練習、経験をすることができ内容の濃いトレーニングは無事終了しました。日本ではまず経験することのできない岩盤、リーサイド、バレーウィンド、谷渡りなどから参加者の皆さんは多くのことを経験することができたのではと思います。皆さんハードなトレーニングが終わったことの安堵の中に、大きな自信と達成感を得たものと思います。
 








































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