J P A  I N F O R M A T I O N


教育事業部 「岡田氏研修のためヨーロッパ派遣」

6月24日〜28日
アヌシーにて デビッド氏による
マヌーバートレーニング

リポート : JPA教育事業部 岡田 直久

「セーフティートレーニング2008に向けて」
昨年大成功をおさめたセーフティートレーニングは今年も10月に舞鶴市神崎で行う予定です。昨年の反響のせいか、すでにたくさんのお問い合わせをいただいています。そこで講師陣ではよりよいトレーニングをするべく準備を進めています。まずは6月24日から5日間の日程でフランスのデビットのもとを訪れ、最新技術、指導法の確認をする予定です。今あるセーフティートレーニングの原型はデビット氏につくってもらったものですので、それをパワーアップするにはそれが早道と考えました。


 6月24日(火)
 
4,5月と悪天候続きだったフランス・アネシーも先週ぐらいからフライトコンディションが続いているようです。

朝8時半にスクールを訪れるとデビットはすでに講習中。フランス語の講義だけどよかったら聞いて、とのことなので一緒に聴講。さすがに意味はわかりませんが、教材で使用しているパワーポイントはまた一段と進化していました。十分に講義をしてテイクオフへ移動。天気も良いのでたくさんのパイロットが準備をしています。あいまを見てテイクオフ。

バックワードフライング(Backward flying)&ウエイトシフトでの方位修正を課題にマヌーバースタート。すかさずデビットから無線が入ります。エントリーは、維持は、離脱は...すべてにおいて無駄のない動きにするにはどうするべきか、細部にわたって指示が飛びます。自分でちょっと失敗したなというところは必ず指摘をされます。フライトが終わるとフィードバック、そして次の目標を決めて再びフライト。最後にはビデオ解析もあり、より客観的に出来不出来を見ることができます。明日の課題もはっきりとしたところで終了です。

すべてにおいて進化している印象を強く受けました。明日も天気は良さそうです。


 6月25日(水)
 


朝8時には講義開始。テーマを明確にし、今日のプランを決定していきます。各マヌーバーの目的、方法、注意点を明確にするために最新のDVDを使ったり、身振り手振りを交えて、デビットは語りかけます。フランス語でわからないのが残念ですが、要所要所に出てくる用語はなんとか理解できるので、分からない部分は空き時間に聞いたりして理解を深めています。

今日は「オートローテショーン」。パラグライダーの潰れは避けて通れないものですが、正しく理解し対応できれば恐れることはありません。日本ではこのマヌーバーを練習する方はあまりいませんでしたが、重要性を再確認しました。

そして「SAT」。夕方のアーベントは高く湖上に連れて行ってくれます。たっぷりの高度でたっぷり練習です。ここではコンタクトポイントの重要性、アクロとセーフティートレーニングのマヌーバーの違いをあたためて再確認することができました。

そして、今回驚いたのは、車いすの方もこのコースに参加されているということでした。日本よりバリアフリーな環境は数段進んでいます。マヌーバーもウイングオーバー、フルストールとなんでもチャレンジ。恐れ入ります。日本も環境整備が急がれます。

今日も終了は夜8時。といっても明るいんですが。明日も天気は良さそうです。


 6月26日(木)
 

今日も朝からいい天気です。日中は毎日30度を超えていますので、気を使って水分補給をしませんとすぐにバテテしまいます。湖上に出ると、ここに飛び込んだら気持ちいいなと思ったりもしますが、とにかくマヌーバーに集中です。

今日は徹底的にSAT。なんにでも言えることですが、ひとつの技術を教えるにはその何十倍もの知識がないと指導することはできません。セーフティートレーニング、アクロを教えるデビットには経験からくる知識がふんだんにあります。SATひとつとっても導入、維持、離脱とすべて理路整然とそしてわかりやすい言葉で指導をしてくれます。

今日はSIVコースのみなさんは、トレーニング最終日ということもありやや疲れ気味。それでも、果敢に新しいマヌーバーにチャンレンジしていました。デビットはSAT、そしてヘリコプターまで理論的な説明ができます。すべてのアクロマヌーバーを理論指導できる日も近そうです。 今日は3本のフライト。午後は高度も取りやすいので、たっぷりとマヌーバーが行えます。終了後はフィードバックそしてビデオ解析です。日本でも定着したこの指導スタイルはやはり理解を深めるには有効です。

3日間終わってみて、収穫は十分です。まだチャンスがありそうなので、極力ひとつでも多くのマヌーバーを理論解析できるように帰りたいと思います。


 6月28日(土)
 

一日置いて、再びトレーニング開始です。週末2日間のコースに10名ほどの方が参加されていました。今週末でSIVコースは一時終了となるため、湖上は多くのパイロットで賑わっていました。

朝8時前には講義を開始。10時半ごろからフライト開始です。私は前回のSATをよりよくするための練習、スピンからの脱出方法2パターンをマスターすることが目標となりました。いまいち、今まで動きのメカニズムがわからなかった SATですが、繰り返し行うことで理解を深めることができました。

理解ができれば、実践するのはそう難しいことではありません。スピンも同様、様々なことを試しながらエントリー、リカバリーをたっぷりある高度で何度も試しました。また、極力一番最初にフライトするように心がけ、ランディングでのデビットの誘導を聞いては、イメージトレーニングをするようにしました。

SIVの研修はこれでひとまず終了となります。アネシーでは9月からSIVコースは再開されます。デビットとはこれからもコンタクトをとりながら、10月のJPAセーフティー トレーニングを充実したものしたいと思っています。デビットも私たちJPAの事業に協力は惜しみません。

さて、次は7月13日にドイツACADEMYを訪問です。
JPA教育事業部  



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