2012年JPAリーグ機体レギュレーション変更について

 

2011年に開催されたパラグライダー世界選手権大会における死亡事故とレスキュー開傘件数の多さから、FAIが「認証機のみ大会に参加可能」とした決定を下し、各国においてもその決定に準じる様に要請し、JPAリーグにおいても8月上旬に2011年リーグにおける8月10日以降の大会全てにおいて暫定的に「2ライナー機の使用禁止」措置を発表しているのは周知のことと思います。

 

それに続き、PWCAにおいても2012年以降の使用機体を「認証機のみ」とする決定を下しました。これにより、今後の競技会における機体レギュレーションの方向性が示されたこととなり、JPA競技事業部としても「2012年以降のJPA競技会においては認証機のみ使用可能」とする決定をいたしました。しかしながら、この決定に至る理由には単にFAIやPWCAの決定を受けたと言う単純なものではなく、それら以外にも潜在化していたJPAリーグにおける問題点を改善するための方向性と合致する点があることから、時間をかけて協議し結論に至ったものです。

 

決定に至る経緯

JPA競技会はこれまでに幾度かの改革を経験し、より安全な競技会の運営が可能な仕組みや環境を構築してまいりました。選手の安全を確保するための「GPS連動無線機」の導入や、賛否が問われたものとしては「選手推薦状」による競技登録の制度化、その制度に内包されます「選手自身のツリーラン自己脱出訓練」の推進や啓蒙により、参加選手の質に関する問題と、大会運営上のシステムに関する問題の両面から取り組んでまいりました。

 

JPAリーグにおいては選手の選考システムが既に構築されており、その意味においては「改めて使用機体の制限を課す必要はない」と言える状況にあります。この点に関しては協議事業部においても論点となりました。ただ、それ以上に問題視していたのが「機体性能差の拡大による競技性の低下」と言う点です。

 

JPAの競技会の目的は、「世界に通用する選手を育成すること」としています。N2リーグやチャレンジリーグもこの意思を受け継ぎ、競技選手を「育成」することを主題としています。理想論になりますが、競技において競われるべきは選手の「技術」や「知識」や「戦術」などの選手自身に起因する項目が多くを占めるべきであり、道具である「機体」そのものの要素が一定以上の割合を超えることは適当ではないとする考えが根底にあります。もちろん競技において道具も重要な要素ですが、行きすぎは参加選手のモチベーションに悪影響を与える結果を招くことになります。 それら状況を鑑みた時、「認証機のみ使用可能」とすることで少なからず改善することが出来るとの結論に至ったものです。

 

決定に伴うルール変更

各リーグ使用グライダーについて

    PNL

    LTF(2)以上 or EN (C)以上 or AFNOR(パフォーマンス)以上のLTF,ENの認証グライダー
    であること。

    N2L

    LTF(1-2)以上 or EN (B)以上 or AFNOR(スタンダード)以上のLTF,ENの認証グライダー
    であること。

    PCL

    PCLはLTF2以下 or CEN (C)以下 or AFNORパフォーマン以下で参加すること。


JPA競技事業部 
 
 
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