ジャム勝・サマーカップ2019


夏休みが終わろうかという8月末に開催される「ジャム勝・サマーカップ」。毎年のように言われているのは「天気予報が良くない中で開催され、そしていつも成立する」ということ。今年も例外とはならず、大会開催の1週間前からは秋雨前線が日本海に停滞する気圧配置が続き、予報は基本的に雨マークが並ぶ絶望的なもの。そんな状況にありながら、やはりこちらも例外とはならず、しっかりと競技が成立したのです。
チャレンジリーグは日本グランプリもかかった大会でもあり、どのようなレースだったのかも含めてレポートしたいと思います。

大会レポート

競技委員長:藤野 光一

大会1日目

昨日までの雨は嘘のように晴れ渡り、空には雲がポコポコと漂っています。実際には、昨日の夕方から天気予報も晴れマークが付くようになりました。それでも、夕食をとった後も雨がシトシト降っていた時間もありましたから、朝から眩しい太陽に照らされるのは嬉しいものです。やはり、ジャム勝は天気予報に惑わされずに、とりあえず来てみないとわからない・・・ことが今年も証明されました。


8月30日の天気図(出典:気象人)


8月31日の天気図(出典:気象人)


8時からの受付を済ませた選手は、昨日までの予報もあって信じらないような、あるいは儲けモン的な天気の中、準備を済ませてテイクオフへと移動して行きます。選手は一様に笑顔ですが、今日のフライトに向けた静かな闘志を感じさせてくれる笑顔でもありました。


大会委員長


競技委員長


開会式


選手がテイクオフに揃った10時から開会式を行い、ジャムスポーツの堀校長から「天気予報が悪くても、今年もみなさんの行いが良かったのか、今日は競技が出来そうです。良いタスクを組んでください」とあいさつをいただきました。
心配される降水も、おそらく今日は夕方まで問題ないだろうという判断から、じっくりと飛べるようなタスクをコミッティーと一緒に検討することにしました。


タスクコミッティー


ダミーの上りはよく、それ程高さは取れないもののソアラブルな条件であることは間違いないので、両リーグともにウィンドウオープンを11時30分、ウィンドウクローズ15時とし、チャレンジのデパーチャーオープンを12時15分、N2を12時30分として早めに競技を行うことになりました。


ソアリングするダミー機


タスクボード


N2リーグTASK1

D97(TO)
B59(料金所)800m SSS
B59(料金所)600m
B36(砂防ダム)800m
B58(ファンタジー)400m
B34(三頭山)1600m
B61(スタッフロッジ)400m
B58(ファンタジー)400m
B30(NTTアンテナ)600m
B36(砂防ダム)800m
B27(ファンタジーミドル)800m
B44(材木置き場)1000m
B34(三頭山)1800m
B98(ファンタジーTO)800m
B47(浄土寺川下流)800m
A86(メインLD)1000m ESS
A86(メインLD)600m
最短距離:26.8Km 中心距離:44.8Km


N2リーグTASK1


チャレンジリーグTASK1

D97(TO)
A86(メインLD)600m SSS
A86(メインLD)400m
B58(ファンタジー)400m
B61(スタッフロッジ)400m
B59(料金所)400m
B58(ファンタジー)400m
B61(スタッフロッジ)400m
B59(料金所)400m
B58(ファンタジー)400m
B29(イリュージョン)400m
B45(タンク)400m
B59(料金所)400m
B58(ファンタジー)400m
B37(浄土寺ダム横)400m
A86(メインLD)600m ESS
A86(メインLD)400m
最短距離:16.3Km 中心距離:25.5Km


チャレンジリーグTASK1


中だるみの洗礼

タスクブリーフィングを終え、アーリーバードでのテイクオフを許可して希望者から順にテイクオフして行きます。しかし、先ほどまでダミーの機体がソアリングしていた状況とは異なり、選手はサーマルを探して右往左往しています。それでも、次々と選手がテイクオフしていくことで、目線から下にどんどん機体が供給され、上がることが出来ずひしめき合っています。
このような状況になるとテイクオフの選手は様子見となってしまいます。スタート時間が早いチャレンジの選手は特にそうで、遅れれば遅れるほど不利になるはずなのですが、やはりしっかりと上がっていない状態では出たくないという心理が強く働いてしまうようです。








スタート前に降りてしまう選手も見られ、状況は生き残りゲームの様相を呈していました。時間がまだ早かったのは間違いないですが、ここまで渋いとは!!
しかし、徐々に上げ始める選手も見られ、やや強めの南風に流されるように北の上空にガーグルが出来ていました。




スタート前からとても厳しい試練に見舞われた選手でしたが、とにかく粘ってリフトをつかみ上昇する者と、無情にも上げられずに降りてしまう者に分けられてしまいました。
チャレンジのスタート時刻である12時15分を迎えても、レースがスタートする様子は見えず高度を維持し上昇することに専念する選手がほとんどでした。
そんな中、着実に高度を獲得しながら動いていたのが520番の大澤彩花選手。厳しい条件の中をテンポ良く、それでいて基本に忠実な「上がる場所を起点に上げて走る」を実践しているように見受けられました。チャレンジリーグの選手は3名の選手がリフライトせずに飛び続けることができ、その中の一人であった大澤選手は2位の地元学生・井出選手に20分近い差をつけてのトップゴールを決めました。ゴール時刻は13時43分。タイムは1時間28分49秒。条件が好転してきたのが13時を過ぎた頃からでしたので、おそらく厳しいレースだったのではないか?と推察します。
チャレンジリーグはリフライトの選手も含め8名がゴール。おめでとうごさいます。



一方、N2リーグの方も波乱のスタートとなりました。12時30分のスタート時刻には、多少低くとも料金所に向かって数名の選手がスタートを切りに行きます。しかし、生還できたのは果たして何名いたのかは定かではありません。こちらも半数の選手が降りてしまいリフライトに臨みました。
そんな中、やはりレースを引っ張ったのは昨年も良いリーディングをしてくれたゼッケン3番の中村師匠。門下生に良いところを見せようとしたかどうかは別として、条件に合わせながら上げすぎず、下げすぎず、コースをうまく読みながら着実に駒を進めて14時4分にトップゴールを決めました。ナショナルリーグシングルゼッケンの貫禄を見せたフライトだったのではないか?と思います。続いて34田前敏選手、N2リーグの310藤原選手と続き、こちらもリフライトを含めて22名の選手がゴールを決めてくれました。
リフライトした選手によれば、後半は条件も好転して実質のレースタイムは1時間を切っていたとか。やはりジャム勝は午後からなんですよね。とは言え、タスククローズの16時まであきらめずに時間一杯を使ってゴールした317谷藤選手の粘りも素晴らしかったです。お疲れ様でした。



ジャム勝・サマーカップ2019初日は、両リーグともに苦しい場面もありましたが、素晴らしいタスクで締めくくることができました。チャレンジリーグの日本グランプリももちろん堂々の成立です。
夜は恒例のバーベキューで盛り上がりました。また、昨年の日本グランプリチャンピオンである斎藤選手と谷藤幸子選手にレプリカが贈呈されました。

大会2日目

曇り予報ながらも、朝は日差しもあって期待を持たせるムード。8時30分からの受付後、すぐにテイクオフへ移動し、本日も10時から最初のブリーフィング。
気象データを吟味し、時折高層雲が薄くなるエリアもあることから、基本的にはレースを行う方向で準備をするように選手全員に気持ちを切り替えるよう申し合わせました。
しかし、そんな気持ちとは裏腹に状況は一向に好転する兆しを見せてはくれず、降水のリスクも出てきたことから、残念ながら12時をもって競技をキャンセルとしました。


2日目ブリーフィング


そして、初日の結果が最終結果となりました。

N2リーグ表彰

N2クラス総合


N2クラス総合


優勝 310 藤原 雅宏 NOVA SECTOR

準優勝 325 吉田 勝一 NOVA PHANTOM

第3位 303 松岡 茂 NOVA MENTOR5

第4位 320 相原 陽子 GINGLIDERS BONANZA2

第5位 314 斎藤 光秋 GINGLIDERS BONANZA2

第6位 313 谷藤 公明 BGD CURE


N2クラス優勝 藤原選手


N2クラス女子


N2クラス女子


優勝 320 相原 陽子 GINGLIDERS BONANZA2

準優勝 317 谷藤 幸子 ADVANCE SIGMA10


N2クラス女子優勝 相原選手


N2クラスチーム戦


N2クラスチーム戦


優勝 西日本連合

(303松岡茂、310藤原雅宏、312岸幸民、319山崎勉)

準優勝 今井浜

(308岩野おさむ、313谷藤公明、314斎藤光明、317谷藤幸子)

第3位 中村門下生

(315袴田涼輔、316疋田祥丈、327佐野邦夫)

N2ナショナルクラス


ナショナルクラス


優勝 3 中村 浩希 NIVIUK KLIMBER P

準優勝 34 田前 敏 FLOW PARAGLIDER XC RACER

第3位 38 食堂 信昭 NOVA PHANTOM

チャレンジリーグ表彰

総合


チャレンジリーグ総合


優勝 520 大澤 彩花 PHI MAESTRO

準優勝 503 井出 大貴 GINGLIDERS CARRERA+

第3位 511 富重のぞみ NOVA PHANTOM

第4位 535 北口 勉 GINGLIDERS BONANZA2

第5位 521 阿部 耕司 NOVA SECTOR

第6位 513 籾山久美子 PHI MAESTRO 


総合優勝 大澤選手


女子


チャレンジリーグ女子


優勝 520 大澤 彩花 PHI MAESTRO

準優勝 511 富重のぞみ NOVA PHANTOM 

第3位 513 籾山久美子 PHI MAESTRO 


女子優勝 大澤選手


チーム戦


チャレンジリーグチーム戦


優勝 チャム'S

(510荒金正之、520大澤彩花、539西多功、540西多有美子)

準優勝 そりゃーず

(503井出大貴、504庄司笑梨、505村松輝)

第3位 いよめんたい

(511富重のぞみ、519渡邊悦男)

チャレンジリーグ日本グランプリ

総合・女子グランプリ


2019総合・女子日本グランプリ 大澤彩花選手


ジャム勝・サマーカップ2019は、初日1本のみとなったものの素晴らしいレースが展開されて今年も見事成立しました。いつも大会を開催いただくジャムスポーツの堀校長、若さと元気なパワーで大会を支えてくれる福井県立大学の学生諸君、その他エリア会員の皆様や地元関係者の方々にこの場を借りて御礼申し上げます。
来年も天気予報は芳しくないかもしれませんが、ここは来てみないとわからないことが十二分に証明済です。また、素晴らしい大会ができることを祈念してレポートを終えさせていただきます。


集合写真


第38回デサントバードマンカップ獅子吼2019

デサントバードマンカップ開催週間、長かった梅雨が明けついに夏がやってきてくれました。そしてこの時期100%の大会成立確率を誇るデサントバードマンカップは、大会初参戦の選手からワールドカップ帰りの選手まで、このところ飛べていないうっ憤を晴らすべく、大会成立の期待感が最高潮の中レースの熱戦の火ぶたが切って落とされました。




大会初日
テイクオフへあがってみるとクラウドベースは高いものの、かなり強い逆転層がみうけられ、チャレンジクラスは12㎞のショートタスク、N2リーグも22㎞の短めのタスクが発表されました。デパーチャーオープン時刻は、12時前後のサーマルの中休みが考慮され、CL 12:45、N2 13:00に設定。また、最近あまり飛べていないだろうと思われる選手たちがウオーミングアップできるように超早めの11:30にゲートオープンされました。






先陣を切って飛び出したのは、ジャムスポーツ所属の学生井出選手。そして、彼に続き続々と選手たちが空へ飛び出し、渋いながらも滞空できるコンディションにしがみついてデパーチャーオープンを待ちました。あの、クリスチャンマウラーも駆け出しのころは真っ先に飛び出し、飛んでみないとわからない「風を読むこと」のキャリアを積んできたそうです。思いっきりの良くテイクオフしていく井出選手の今後活躍に期待したいところです。





この日のレースで高得点をあげたのは、CLではスタート時刻に1100mのクラウドベースベストポジションからスタートした元ナショナルリーガーの中村選手が平均時速24,75㎞の他を寄せ付けない圧巻のゴール。N2クラスはバーズパラグライダースクールの岸選手がリードアウトポイントを獲得する思い切りのよい飛びで初日トップを決めました。N2ナショナルクラスでは、ワールドカップ帰りの中島選手が満点のトップゴール。
パラグライダーのレースで早く飛ぶためには、必要以上に高度を獲得しないのがコツと言われますが、各リーグトップの3名のフライトログは、まさにその域に達してるような軌跡を示していました。

この日は、創設者が鶴来町出身という株式会社デサントから、地元出身の方がお見えになられ、開会式ご参列、タンデム飛行体験、そしてこの日トップ選手たちへの賞品授与と多忙な一日を過ごされました。毎年、すごい賞品を提供頂いて本当に感謝します。



大会2日目。
昨日よりクラウドベースは低いものの午前中から程よいサーマルコンディションということで、両リーグとも昨日より時間を飛んでもらうタスクを設定。スタート時刻は午前中に設定され「手堅く上げきるのか」「1周のセンタリングを惜しんで先に進むのか」風を読む能力と行くのか行かないのかの判断能力が問われる興味深いレースが始まりました。






この日も初日の渋いコンディションを粘り切った井出選手がトップバッターでテイクオフ。両クラスともにテンポよくテイクオフが進行し、渋いながらも選手全員が滞空している状況で、CL 11:15、N2 11:30のスタート。初日CLトップゴールを決めた中村選手は朝日小学校跡に日差しがあることに誘われ、スタートを切ったものの痛恨のランディング。N2クラス昨日トップの岸選手もリフライトをするためにテイクオフに現れ、試合の行方はいかに。

コンディションはしり上がりに良くなり、この日もゴール者多数の戦いとなりました。
そして2日目、チャレンジクラスでは地元スカイ獅子吼パラグライダースクールの北口選手をわずかにリードしてゴールを切ったエアパークCOOの阿部選手が1000点を獲得。N2クラスは昨日、午前中の渋い中生き残ったにもかかわらず痛恨のランディングを喫してしまった寒風山パラグライダースクールの若手田邊選手がナショナルクラスの上位陣に食い込む好成績でこの日のトップを獲得しました。



両日ともにゴール者多数の第38回デサントバードマンカップを制したのは

チャレンジクラスでは2日間堅実な飛びでゴールを決めたJMB四国パラグライダースクールの渡邊選手、女子優勝はJMBエアハート九州の富重選手でした。両名ともに普段からホームエリアでクラブコンペを楽しんでいる方々で、日ごろの鍛錬が結果として現れたのではないかと思います。

N2クラスを制し、栄えある獅子頭杯に名前を刻んだのは岩野選手、女子は谷藤選手の両名で、ここ数年チームで大会参加を果たしている今井浜フライングスクールのメンバーがアベック優勝でした。

各クラス、チーム戦で入賞した選手の皆様おめでとうございます。そして、参加していただいた選手の皆様本当にありがとうございます。来年もぜひ、獅子吼高原で熱い大会を繰り広げましょう。






チャレンジクラス総合 
優勝  渡邊 悦雄
準優勝 阿部 耕治
第3位 荒金 正之
第4位 富重のぞみ
第5位 堀井 重雄
第6位 中村 裕昭



チャレンジクラス女子 
優勝 富重のぞみ
準優勝 小川 春佳
第3位 小名木伸枝
第4位 庄子 笑梨
第5位 八子 文恵



チャレンジクラスチーム戦 
優勝  なまず(荒金 正之、田中 幸雄、飯田 剛成)
準優勝 チャウチャウ(中村 裕昭、小名木伸枝、北口 勉)
第3位 チーム立山(才記 由次、関口 敏夫)



N2クラス総合 
優勝  岩野おさむ
準優勝 谷藤 幸子
第3位 藤原 雅宏
第4位 伊藤 弘子
第5位 谷藤 公明
第6位 西川 慎治



N2クラス女子 
優勝  谷藤 幸子
準優勝 伊藤 弘子
第3位 千葉 恵
第4位 中久喜千代
第5位 相原 陽子
第6位 山岸 里子



N2クラスチーム戦
優勝  今井浜(岩野おさむ、谷藤 幸子、谷藤 公明)
準優勝 西日本連合(岸 幸民、藤原 雅宏、山崎 勉)
第3位 中村門下生(袴田 涼輔、佐野 邦夫)



ナショナルクラス 総合
優勝  中島 義雅
準優勝 高木 弘志
第3位 平松 久
第4位 薬師寺 哲
第5位 吉田 和博
第6位 芦田 智昭



しらたか紅花カップ2019

全国的に梅雨真っただ中の7月13日~14日(15日を予備日として設定)日程で、毎年恒例の「しらたか紅花カップ」が開催されました。
梅雨であるから致し方ないとはいえ、目まぐるしく変わる天気予報は参加締め切りの1週間前には雨マークが並ぶ絶望的なものとなっていました。しかし、ふたを開けてみると初日は素晴らしいコンディションに恵まれたレース日和となり、参加した選手は思う存分に競技を楽しんでいただけたのではないか?と思います。
今回の大会は、主催者の気象予測が大きなポイントとなりました。日ごろから現場の気象と数ある気象サイトの信ぴょう性を検証してきた結果ではなかったか?と思います。



大会レポート

実行委員長:植木 亨

競技事業部:藤野光一

1日目

芳しくない天気予報ではありましたが、そんな中でもチャレンジリーグ9名、N2リーグ17名がエリアへ足を運んでくれました。
多数ある気象予報サイトの中から、白鷹エリアに合った物をみつけ一週間予測を続けました。絶望的だった土曜日の天候が金曜日予報では飛べそうな予報に変わり、金曜の夕方予報には土曜の午後には日差しが出る予報に変わりました。
「いける!!」
一週間照らし合せた予報が晴れ予報を出してきたので自信を持って土曜日を迎えることができました。


初日受付



土曜日の朝、エリアは霧の中で全員朝食を食べていました。これも予報どおりで雲量が多い事がそのまま当たっている。午後晴れることをさらに確信しスタッフミーティングをおこないました。そこで午後晴れる14時に最高の天候・日差しになるので、その前に競技を進められるようタイムスケジュールに合わせた動きでおねがいし、選手全員10時山頂集合としました。


開会式


地元白鷹クラブ


競技委員長


10時より開会式を行い、続けて選手ブリーフィング。気象状況について選手に説明し、タスクコミッティーに今日のタスクを決めてもらいます。


タスクコミッティー


私のイメージでのタスク時間12時ゲートオープン、13時スタートと考えていましたが、ダミーの動きから空の状況が良くなっていると判断し、スタートを12時45分に変更し競技を行うこなうことになりました。


タスクブリーフィング


タスクボード


N2リーグタスク1

D61(TO)
B12(作業小屋)800m SSS
B12(作業小屋)400m
A41(メインLD)400m
B02(神社)  800m
B08(豚小屋)2,000m
D61(TO)  400m
B06(一本松) 800m
B10(西黒森山)1,800m
B21(白鷹トンネル)800m
B14(狐越え)1,600m
A43(荒砥橋ゴール)600m ESS
A43(荒砥橋ゴール)400m

最短距離:23.6Km 中心距離:40.9Km


N2リーグTASK1


チャレンジリーグタスク1

D61(TO)
B12(作業小屋)800m SSS
B12(作業小屋)400m
A41(メインLD)400m
B02(神社)  600m
B21(白鷹トンネル)600m
B35(郵便局) 600m
B10(西黒森山)2,000m
A43(荒砥橋ゴール)600m ESS
A43(荒砥橋ゴール)400m

最短距離:17.5Km 中心距離:25.0Km


チャレンジリーグタスク1


コンディションは上々ながら、湿気の影響かテイクオフ前から後方にかけて大きな雲が形成されていました。選手からの無線でも吸い上げが強烈との報告もあったのものの、高度を維持できない選手が雲の下を動き回りながらスタート時間を待つ状況に「雲に入らないように」と無線で指示し、沖にある明るい空域を有効に使うようにアドバイスを行いました。
天候は次第に回復、予定どおり。12時45分にきれいな一斉スタートを見たときにタスクの成立を確信しました。












雲低は1500mまで達するようになり、同時に吸い上げの威力も激しいコンディションとなり、雲を縫いながら、雲に入らないように注意をしながらのレースとなりました。
N2リーグはスタート直後から308岩野選手と313谷藤選手がレースを引く展開となり、B08豚小屋までは上げることなく直線的に高速移動でこなします。が、ここからの戻りでレースが動きます。テイクオフより低く着けたグループと、高めに帰ったグループとで上げ直しに差が出てしまい、トップを走る308岩野選手とそれを追う324西川選手らはB06一本松へ。しかし、この後先頭を走っていた308岩野選手はダイレクトにB10西黒森を奪取するものの高度を下げすぎて無念のランディング。西川選手ら後続組は、しっかりと山に帰って上げ直し余裕のトップでタスクをこなし、ファイナルグライドへ入ります。
終わってみればN2リーグは324西川選手が56分とただ一人1時間を切り余裕のトップゴール。2番手は305田邊選手、3番手は314斎藤選手と続き、ナショナルクラスも合わせて10名がゴール。

チャレンジリーグも雲と格闘しながらも、おのおののペースでタスクをこなし、終始スピードを意識して飛んだ525八巻選手が51分とダントツのトップでゴール。それに続いたのが529菊田久美選手。ゴールまであと一歩まで迫っていた503井出選手は、パレス松風を越えた平野部で高度を稼ぐべく頑張っていたものの、強くなった南風に阻まれてゴールは叶わなかった。
チャレンジリーグのゴールは2名でしたが、みなさんあと少しのところまで来ていたのが残念でした。


写真提供:西川選手


夜は恒例のパーティーが行われ、今日のレースを振り返りながらみなさん楽しい時間を過ごされたようです。

2日目

大会2日目は朝から小雨もちらつく空模様でしたが、予備日の15日が昨日と同じような気象状況になる可能性が高いというデータが示され、予備日を使うかどうかをタスクコミッティーで協議しました。
その結果、飛べる可能性に賭けて予備日を使用することに決定し、2日目は競技キャンセルとなりました。

3日目


3日目受付


雲は低いものの、時折日差しも見える朝。土曜日のようなレースコンディションを期待して選手は準備を行います。
予想では、昼から13時くらいに雲も取れて競技が可能なコンディションになる・・・とのこと。それに合わせて動きます。


テイクオフより


今日は一段と雲が低く、テイクオフ周辺は完全に雲の中。ですが、山形市方向や寒河江方向などは日差しもあって明るく見えます。周囲の空気が温まり、次第に雲を押し上げてくれることを願うばかりです。


ブリーフィング



それでも、今日の一番良いと思われるタイミングに合わせてタスクコミッティーがタスクを考えます。とても難しい判断を求められますが、これもまた競技者としての経験です。みなさんそれぞれにコンディションを予測し、それに合致したタスクをセッティングします。


タスクコミッティー


タスクボード


そうして決まったのがゴールレースではなくエラップスレース。
タイミングに左右されることは間違いなく、レースによって空中で待つ時間も惜しいという判断で、各自のタイミングでレースを行えるエラップスを選択しました。

N2リーグタスク3

D61(TO)
B12(作業小屋)800m SSS
B12(作業小屋)400m
B03(ショップ)400m
B02(神社)  600m
B21(白鷹トンネル)600m
B03(ショップ)400m
B02(神社)  600m
B21(白鷹トンネル)800m
B14(狐越え)400m
B02(神社)  600m
B05(小学校)1,700m
D61(TO)400m
B06(一本松)800m
A41(メインLDゴール)600m ESS
A41(メインLDゴール)400m

最短距離:20.0Km 中心距離:33.9Km


N2リーグタスク3


チャレンジリーグタスク3

D61(TO)
B12(作業小屋)800m SSS
B12(作業小屋)400m
A41(メインLD)400m
B02(神社)  600m
B35(郵便局) 1,000m
B10(西黒森山)2,000m
B02(神社)  600m
B05(小学校)2,000m
A41(メインLDゴール)600m ESS
A41(メインLDゴール)400m

最短距離:10.9Km 中心距離:23.4Km


チャレンジリーグタスク3


12時を過ぎても雲低は上がらず、風も時折後ろから吹いてきます。とにかくこのような場合は飛ぶしかありません。リフライトOKなので、なるべく多くの選手に飛んでもらい、わずかなチャンスを掴んでもらいたいものです。








時間は刻一刻と過ぎていくものの、私たちが待ち望んだ光景になることはなく、選手は果敢にテイクオフして行くもののスタートを切って一筆書きでランディングへ向かうコースをトレースするのみとなっていました。時折わずかながらのリフトもあるようですが、それは回して上昇するほどのものでもなく、無情にもタイムリミットが訪れてしまい、N2リーグ、チャレンジリーグともに本日のタスクは不成立となりました。

終わってみれば、大会は初日の結果が最終結果となりました。

N2リーグ表彰

N2リーグは初日ダントツのトップゴールを決めた西川選手が優勝です。

N2クラス


N2クラス入賞者


優勝 324 西川 慎治 GINGLIDERS EXPLORER

準優勝 305 田邊 万作 GINGLIDERS BONANZA2

第3位 314 斎藤 光秋 GINGLIDERS BONANZA2

第4位 317 谷藤 幸子 ADVANCE SIGMA10

第5位 313 谷藤 公明 BGD CURE

第6位 309 貝田 仁 NIVIUK ARTIK5


優勝の西川選手


N2クラス女子


N2クラス女子


優勝 317 谷藤 幸子 ADVANCE SIGMA10

準優勝 332 山岸 里子 GINGLIDERS BONANZA2

第3位 301 千葉 恵 GINGLIDERS BONANZA2


N2女子優勝 谷藤幸子選手


ナショナルクラス


N2ナショナルクラス


優勝 21 藤野 光一 PHI MAESTRO

準優勝 68 松田 京子 GINGLIDERS EXPLORER

第3位 38 食堂 信昭 NOVA PHANTOM

第4位 208 阿部 浩昭 NIVIUK PEAK3

第5位 70 渡辺 美希 ADVANCE IOTA

N2チーム戦


N2チーム戦

優勝 今井浜

(308岩野おさむ、313谷藤公明、314斎藤光明、317谷藤幸子)

準優勝 寒風山姫が岳チーム

(305田邊万作、309貝田仁)

第3位 PinCOO

(302中川俊治、318飯塚宏祐)

チャレンジリーグ表彰

チャレンジリーグ総合


チャレンジリーグ総合


優勝 525 八巻 淳 ADVANCE IOTA

準優勝 529 菊田 久美 ADVANCE IOTA

第3位 503 井出 大貴 GINGLIDERS CARRERA+

第4位 532 堀井 重雄 OZONE RUSH4

第5位 521 阿部 耕司 NOVA SECTOR

第6位 504 庄司 笑梨 ADVANCE EPSILON7 


チャレンジリーグ優勝 八巻選手


チャレンジリーグ女子


チャレンジリーグ女子


優勝 529 菊田 久美 ADVANCE IOTA

準優勝 504 庄司 笑梨 ADVANCE EPSILON7 

第3位 530 奥埜 裕子 ADVANCE IOTA

チャレンジリーグチーム戦


チャレンジリーグチーム戦


優勝 チーム今井浜2019

(525八巻淳、530奥埜裕子、532堀井重雄)

準優勝 Let's中村門下生+α

(503井出大貴、504庄司笑梨)

第3位 オクムラ組

(508奥村邦明、521阿部耕治)

入賞された選手のみなさま、おめでとうございます。今回は、本当に来てみないとわからない状況でしたので、改めてパラグライダーの大会は現地に行ってナンボということが感じられた大会でした。また、主催者の日ごろからの努力によって、より精密な気象予測が可能であることも実証されたのではないか?と思います。植木校長には心から感謝申し上げます。そして、その状況をしっかりと受け入れ、速やかに対応したスタッフと選手のみなさまにも感謝申し上げます。これらの動きがマッチしたことによって、素晴らしい競技が成立したのだと思います。

今年のN2リーグは持っていると私(藤野)は感じております。次回は獅子吼での開催となります。こちらの方も、多くの選手に参加いただけるようお待ちしております。


集合写真


さくらんぼカップ


競技事業部:藤野 光一

白鷹エリアで毎年6月に開催されているこの「さくらんぼカップ」ですが、例年はチャレンジリーグ単独での大会となっていましたが、今年は5月の「立山らいちょうバレーカップ」が中止になってしまったことを受け、急遽ナショナルリーグ併催として開催となりました。
山形を含む東北南部も6月7日には梅雨入りし、大会開催の8日・9日は競技を行うには難しい予報となっていました。

1日目

天気予報は雨マーク。それを裏切らない空模様となり、朝から雨がパラつく空模様となった白鷹エリアでしたが、参加選手はしっかりと集合していました。
ここ白鷹の大会ではお馴染みとなった朝食サービスをいただいた後、選手受付が予定通り8時30分から始まりました。


開会式


9時からは開会式が行われましたが、生憎の天候でもあることから、諸注意と本日のスケジュール(夕方からの懇親会)の案内が行われたのち、早々に本日は解散となりました。
選手はそれぞれ思い思いに山形の1日を楽しんだようです。



2日目

早い時間には日差しも見えた2日目でしたが、周囲は低いガスに覆われています。予報によると雨はなさそうなのですが、気になるのは予定通り吹いている東風とこのガス。昼前には雲も取れるはずなのですが、その後は風が強くなるか高層が張ってくるか・・・と言った、とてもコンディションを読むのが難しい1日になりそうでした。


朝食サービス


テイクオフはまだガスの中ですが、ガスが晴れるタイミングを見計らって選手もテイクオフへ移動します。確かに、雲は低いものの懸案の東風はそれ程強くなく、北テイクオフからは十分出られそうな感じでした。


準備中


ダミーが出てみると、山際もそれ程東風の影響を受けてないようです。また、沖では雲が活発に活動しているようで、十分に競技ができそうなコンディションになっていました。どうやら、東ベースの風は天童市方面から進入した北寄りの風と、白鷹エリアの裏から進入した東風がぶつかってコンバージェンスになっているようです。


ブリーフィング1


ブリーフィング2


この状況はそう長くは続かないと考えられることから、タスクコミッティーを含めて全体の動きが一気に慌ただしくなります。少ないチャンスを生かすには、迅速に動くことが求められます。特に選手にはこなすべき仕事が多い中で、ミスなく安全にフライトするために行う準備を怠ることはできません。


タスクコミッティー


タスクボード


タスクコミッティーは今の条件を最大現生かせるようにタスクセットを行いました。ナショナルリーグは日本グランプリ対象ではありますが、グランプリとしてタスクを成立させることは難しいのが現実であり、今できることを優先したタスクとなりました。

ナショナルリーグタスク

TO
B12(作業小屋)SSS 1,000m
B12 400m
A46(中山ゴール)15,500m
B09(電波塔跡) 1,000m
A46(中山ゴール)15,500m
B09(電波塔跡) 1,000m
A46(中山ゴール)15,500m
B09(電波塔跡) 1,000m
A41(メインLD)ESS 1,000m
A41 400m

最短距離:25.7Km 中心距離:125.7Km


ナショナルリーグTASK


チャレンジリーグタスク

TO
B12(作業小屋)SSS 600m
B12 400m
A41(メインLD)400m
B02(白鷹神社)400m
B21(白鷹トンネル)800m
B35(郵便局)1,000m
B14(狐越え)800m
B12(作業小屋)400m
A41(メインLD)ESS 600m
A41 400m

最短距離:11.2Km


チャレンジリーグTASK


競技はチャレンジリーグから先にスタート。時折フォローの東風が強く入り込むメインテイクオフよりも、ややサイドながらも正面に近い角度で風を受けられる北側のテイクオフから選手が次々にテイクオフして行きます。
雲の厚みが増したような、全体的に空が暗くなったような気がしましたが、山際で上がらなかった選手はこぼれるように沖へ向かいますが、低くなりながらもしっかりとしたリフトを掴んで上昇して行きます。





ナショナルリーグの選手もチャレンジリーグの選手が上昇するのをメインテイクオフで観察しており、十分にタスクがこなせると判断した選手は、沈滞ムードを打ち破って素早く準備を済ませてテイクオフして行きます。そして、コンバージェンスが作り出した雲の下で選手が上昇して行きます。





それぞれのリーグがスタートし、微妙ながらも維持しているコンディションの中をゴールまであと少しと言うタイミングまで競技が進んだのですが、残念ながら時間切れとなってしまいます。
先ほどまであったリフトは、山際にも沖にも何もなくなってしまいました。そして選手が次々とランディングしてしまいました。

ナショナルリーグ表彰

ナショナルリーグはあとワンサーマルあればゴール・・・と言うところまで駒を進めた20番伊澤選手がトップでした。

総合


ナショナルリーグ総合


優勝 20 伊澤 光 NIVIUK ICEPEAK EVOX

準優勝 21 藤野 光一 NIVIUK ICEPEAK EVOX

第3位 29 田村 昌久 NIVIUK PEAK4

第4位 66 菊池 浄 NIVIUK ICEPEAK8

第5位 49 小野寺久憲 NIVIUK ICEPEAK7

第6位 8 吉田 和博 NIVIUK ICEPEAK EVOX

第6位 12 竹尾 雅行 OZONE ENZO3

第6位 28 吉原 紀子 OZONE ZENO

第6位 45 関根 睦 OZONE LM6


優勝の伊澤選手


女子


ナショナルリーグ女子


優勝 28 吉原 紀子 OZONE ZENO

準優勝 45 関根 睦 OZONE LM6

第3位 岩崎 聖子 NIVIUK KLIMBER P

チーム戦


ナショナルリーグチーム戦


優勝 TEAM EVOX

(4中島義雅、10正木晋、20伊澤光、21藤野光一)

準優勝 とちおとめ

(25竹田明彦、28吉原紀子、29田村昌久)

第3位 チーム Yoridorigreen

(8吉田和博、37岩崎聖子)

チャレンジリーグ表彰

総合

チャレンジリーグはただ一人狐越えをクリアした521番阿部選手が優勝です。


写真:オープン・チャレンジ混在


優勝 521 阿部 耕治 NOVA SECTOR

準優勝 522 西野光太郎 ADVANVCE IOTA2

第3位 525 八巻 淳 ADVANCE IOTA

第4位 506 小田部淳徳 NOVA MENTOR5


優勝の阿部選手


女子


チャレンジリーグ女子


優勝 529 菊田 久美 ADVANCE IOTA

優勝 530 奥埜 裕子 ADVANCE IOTA

チーム戦


チャレンジリーグチーム戦


優勝 チーム今井浜2019

(522西野光太郎、525八巻淳、530奥埜裕子、532堀井重雄)

準優勝 チームOT-ABE オターベ

(506小田部淳徳、521阿部耕治)

第3位 楽天スーパーカラーズ

(529菊田久美、533岡崎藤夫)

オープン

優勝 313 谷藤 公明 BGD CURE

準優勝 314 齋藤 光秋 GINGLIDERS BONANZA2

第3位 329 江連 伸一 NIVIUK ARTIK5

※写真はありません

入賞された選手のみなさん、おめでとうございます。
とても厳しい気象条件の中、みなさんのおかげで無事に競技が成立したことは本当に良かったと思います。また、大会を運営いただきました白鷹エリアの皆さまにも、この場を借りて御礼申し上げます。

次回は7月にふたたびここ白鷹でN2リーグ、チャレンジリーグの紅花カップが開催されます。ここ最近の白鷹は、厳しい気象予報でも競技が成立していますので、より多くの選手のみなさんにお越しいただけたらと思います。


集合写真


第16回JPAパラグライダーカップ in 富士山


競技委員長:藤野 光一

平成から令和へと時代の移り変わった2019年のゴールデンウィークでしたが、その令和になってすぐに開催されたのが今回の「第16回パラグライダーカップin富士山」です。
従来は1月のいわゆる「朝霧シーズン」である冬に開催されていましたが、昨年から5月に開催されるようになりました。5月と言えば、春から初夏へと移り変わる季節です。ここ朝霧高原も暖かな春の風と日差しの中で、ヒートグローブの不要な(高度によっては必要かも)空が私たち選手を迎えてくれます。
今年は、ナショナルリーグとN2リーグの併催により、5月11日・12日に開催されました。

5月11日(大会1日目)

つい1週間前くらいまでは、大会予定の2日間はおよそ芳しくない天気予報だったのですが、直前になってから劇的な変化を見せ、大会初日は高層雲が空を覆うものの概ね晴天の朝を迎えました。


日の出前の富士山


今回はナショナルリーグが40名、N2リーグが16名の56名。N2リーグはグランプリ大会でもあり、この朝霧で2019年の、そして令和最初のN2グランプリチャンピオンが決定されます。受付に先立って猪頭ルールの受講や更新のために、選手は6時から大会本部に訪れます。そして、7時から選手受付、テイクオフへの選手送迎と本日のスケジュールが着々と進行して行くのです。


選手受付


PNLタスクコミッティー


テイクオフで準備中


テイクオフの周囲をウェイティングゾーンとして、選手に準備してもらいます。テイクオフは基本フリーテイクオフですが、集中した場合は優先順位によって順序が決められます。
9時からは開会式が行われ、田中美由喜大会実行委員長による挨拶のあとで競技委員長によるジェネラルブリーフィングに入ります。


大会実行委員長


大会競技委員長


初日の天候はまずまずながら、気象データによっては降水の可能性もゼロではないため、あくまで最悪の状況を想定し、安全最優先で大会が運営されました。
そのため、タスクは遅くとも15時30分には終了することとし、それから逆算して全てのスケジュールが組み立てられました。


開会式・ジェネラルブリーフィング


N2Lタスクコミッティー


夢のタスク

ナショナルリーグのタスクは、タスクコミッティーの星田選手が強い拘りを持って組んでくれた42.1Km。使われているTPに注目して欲しいのですが、

  • A54 芝川
  • C81 富士山
  • B22 毛無山
  • C86 大石寺
  • A56 世界地図

など、朝霧エリアを飛んだことのある方ならば、一度は目標として目指したことのあるところばかりです。実際には大きめのシリンダーを採用しているので、現地まで行くことはありませんが、朝霧らしいTPを使った大きなタスクとなりました。


ナショナルリーグTASK1


N2リーグは日本グランプリを決めるための大事な1本目ともなります。こちらもタスクコミッティーの谷藤選手が中心になり、競い合うに丁度良いサイズの空域をチョイスした30.2Kmとなりました。


N2リーグTASK1


タスクボード


両リーグとも、Window Openは10時20分、一斉スタートが12時。




風が不安定な時間帯もありましたが、11時30分には全ての選手が空中に飛び出してスタートを待つだけの状態になっていました。中には3000m付近まで上昇し、秘策を練っていた選手もいたようですが、概ね2000mを超える高度で待機していました。

ナショナルリーグTASK1

ナショナルリーグは12時のスタート5分前あたりから、今回は沖に設定されたB33ドコモアンテナの1000mへ向けてグライドを開始。目視でも2500mはありそうな高さで、悠々とスタートを切って芝川TPへと向かって行きました。レースはスタートを上手く切った先頭集団のNo.1高杉選手、No.3中村選手、No.5星田選手、No.12竹尾選手、No.13隅選手、が終始レースを引き、その後方からNo.2稲見選手やNo.4中島選手、No.15関根選手らが追随する展開となりました。先頭を入れ替わりながらも、やや強めの南風をものともせずに朝霧エリア一杯を使ったコースを着々と駒を進めます。
まったく危なげない飛びでタスクをこなす先頭グループの中からNo.1高杉選手とNo.3中村選手が天子からYMCAへ低くグライドする上を、高い高度でフルスピードで抜いていったのがタスク考案者のNo.5星田選手。そのままトップゴールを決めたのでした。

トップグループがゴールを決めた頃から、猪頭付近上空は西側から立ち上がってきた大きな積雲に日射を奪われ、一時対流が停滞する厳しい局面となりました。この時間帯に高度が低くなってしまった選手の中には、力尽きてWingkissメインランディングに降りてしまいます。

その後、日射も回復したものの、やはり大きく好転するようなことにはならず、何とかサーマルを拾い集めて稼いだ高度で沖のTPをクリアしたものの、テイクオフ付近で上げるのに苦労しながら時間を使ってしまった選手も見受けられました。そして何とかゴールしようと粘る選手に無情にもタスククローズ時間が・・・。最後まで頑張っていたのはNo.41伊藤選手。お疲れ様でした。

N2リーグTASK1

N2リーグは長者岳トップ1000mがスタート。こちらも高く稜線上を移動して行き、やがて3機が他を引き離してトップグループを形成します。No.308岩野選手、No.313谷藤公明選手、No.317谷藤幸子選手の今井浜チーム。No.308岩野選手が終始レースの先頭を走りその後方をNo.313谷藤公明選手、No.317谷藤幸子選手がやや高く追随する展開がレース終盤まで続きます。このタスクの山場である富士山TP15Kmを取ってやや低く戻ってきた岩野選手が西富士斜面で高度を上げている上空を谷藤夫妻がパスしてB48熊森山TPをクリア。そのまま高度を上げ始めてファイナルグライドに備えます。下から上がってきた岩野選手もB48をクリアしたタイミングで3機はほぼ同時にファイナルグライドに入り、Bクラス機の岩野選手をCクラスの機の谷藤幸子選手が抜き去ってトップゴールを決めました。

こちらも高度をあまり上げなかった選手や、低く戻ってしまった選手がテイクオフ前で粘りますが、強まった南風で前に進むこともままならず、ほぼ全員がWingkissのランディングへと向かって行きました。

TASK1成立

終わってみれば、ナショナルリーグは28名がゴール。N2リーグも13名がゴールし、選手は大満足のレースだったのではないか?と思います。
ただ、ゴールとなったYMCAではサーマルの発生源になっていたことと、折からの南風が強めに入っていたこともあり、降ろすのに苦労している様子ではありました。

ゴールに無事降り立った選手は、みな満面の笑みでお互いの健闘を讃えあっていました。

懇親会


N2グランプリ


夜の懇親会では、みなさん今日のフライトについて楽しく語らう時間となったのではないでしょうか?

そんな時間を利用させていただき、2018年のN2リーグ日本グランプリチャンピオンに、チャンピオンカップの返還式とレプリカの贈呈を行いました。

昨年のチャンピオン田村選手、田前選手、おめでとうございます。


2018年N2リーグ日本グランプリチャンピオン(写真:吉田和博氏)


5月12日(大会2日目)

今日は機能と違って朝からクリアな空です。しかし、大気の不安定さは昨日以上になっており、午後には高確率で雨の予報となっています。


2日目の富士山


選手受付は7時から。そしてテイクオフへの送迎は7時30分からと、早め早めの進行となりました。



8時30分には全ての選手がテイクオフに集合していたのではないか?と思います。
競技委員長も今日は巻きの動きで行きたい様子。準備する選手にその意思を伝え、選手にも協力を求めます。


準備中


タスクコミッティーと今日の条件を共有します。どの気象データからも、午後に降水があるのは間違いないようなので、最も早い予想データを参考にタスクは14時にクローズすることとします。また、万一、途中で状況に変化があれば「タスクストップ」も視野に入れての競技を行うことも考慮しました。


タスクコミッティー


ナショナルリーグは今日も朝霧エリアを大きく使った46.3Kmとなりました。


ナショナルリーグTASK2


N2リーグは昨日のタスクで日本グランプリが成立していますが、今日の1本で逆転劇もあることからエリア内を大きく使ったトライアングルタスクとなりました。


N2リーグTASK2


昨日は11時には十分なコンディションになっていたこともあり、今日は全てを前倒しで行います。
両リーグともにWindow Openは9時30分。スタート時間は11時とし、午後に悪化することが予想されるコンディションの良い部分を可能な限り使いきることを念頭に置いてスケジュールが組まれました。



今日も昨日ほどではないにせよ、選手は高い位置でスタートまで待機しています。2000m越えの好条件でスピードレースが期待されます。

ナショナルリーグTASK2

本日のトップグループはNo.3中村選手、No.5星田選手でしたが、それに加えてNo.11山本選手が気をはいています。中盤のほとんどでトップを引いたのがNo.11山本選手でした。
この日は高く移動しながらも、南風が強くなりはじめたこともありテンポはやや遅め。特に南への移動が長いレグでは、さすがのCCC機でも動きはスローにならざるを得なかった様子で、おそらく選手は歯を食いしばってアクセルバーを踏んでいたのではないか?と思います。
そして12時を回った頃にトップグループがB06もち屋TPをクリアして2度目のB26大倉ダムへ向かって行ったあとに、エリア全体に強い南風が吹き込んでしまい、N2リーグの最終TP付近が特に危険な状況であったことから12時29分タスクストップとなりました。

N2リーグTASK2

N2リーグの2日目はNo.313谷藤公明選手。タスクのほぼ全てのレグに置いてトップを独走します。それを追うのが昨日先頭を飛びながらも最後に捲られてしまったNo.308岩野選手。そしてNo.324西川選手。自分のペースでわき目も降らずに駒を進める谷藤選手。そのペースは最後まで変わらず、最後の沖だしであるA59木島牧場TPを高く取りに行き、事実上のファイナルグライドを切った後で勝負の難しさと言うべきか、コンディションが大きく変わってしまいます。
谷藤選手の後方数百メートルを岩野選手と西川選手が追随します。最終TPであるB23長者岳1000mに入るために陣馬の南側に進入した谷藤選手を待っていたのは強い風と荒れた空域でした。ゴールは当然で、おそらくトップゴールを確信していた谷藤選手に突き付けられたのは、ゴールを諦めて安全にランディングすると言う厳しいものではなかったか?と想像します。
その様子を冷静に見ていたのが岩野選手。沖からのコースを長者ダイレクトではなく、一旦陣馬尾根から攻めると言う方法に変え、厳しい空域を避けたのは好判断だったと思います。そのまま安全な高度を保って長者をクリアして見事ゴール。それから遅れること15分後にNo.324西川選手、No.309貝田選手、No.312岸選手がゴールしました。が、この後長者付近の空域が非常に危険な状況となり、12時29分にタスクストップとなりました。

TASK2成立

タスクストップとなったものの、ナショナル、N2両リーグともに選手は安全にランディング。怪我人もなく無事TASK2が成立しました。

しかし、いつもながら自然相手の競技であるパラグライダーの怖さを感じます。僅かな判断の遅れやミスによって、自身を簡単に危険な状況に追い込むことになってしまう可能性があるのです。大会を運営するオフィシャルはもちろんですが、参加される選手自身も常に状況を把握し、自分の安全を確保するだけの対応策を複数用意できるように日頃から訓練しておくことが重要だと思います。やはり、わたしたちにもKY(危険予知)力が求められます。パラグライダーの操縦技術や気象、フライト知識などと並び、KY力も重要なスキルとして身に着け、向上させる必要があるでしょう。

ナショナルリーグ表彰

ナショナルリーグの入賞者のみなさま、おめでとうございます。

総合


ナショナルリーグ総合


優勝 5 星田 真一 OZONE ENZO3

準優勝 3 中村 浩希 OZONE ENZO3

第3位 12 竹尾 雅行 OZONE ENZO3

第4位 1 高杉 慎吾 OZONE ENZO3

第5位 13 隅 秀敏 OZONE ENZO3

第6位 2 稲見 祐二 GIN GLIDERS BOOMERANG11


総合優勝 星田真一


女子


ナショナルリーグ女子


優勝 14 小森さちよ OZONE ZENO

準優勝 16 星田 苗月 OZONE ZENO

第3位 17 天野 月子 NIVIUK PEAK4

第4位 19 吉川 朋子 OZONE ZENO

第5位 37 岩崎 聡子 NIVIUK KLIMBER P

第6位 39 三浦亜津子 NIVIUK KLIMBER P


女子優勝 小森さちよ


チーム


ナショナルリーグチーム


優勝 瀬戸内少年飛行団

(2稲見祐二、11山本雅史、24田前英代、35田前敏、40山田俊介)

準優勝 夫婦善哉

(5星田真一、15関根順、16星田苗月、38食堂信昭、45関根睦)

第3位 Z3

(1高杉慎吾、13隅秀敏、63竹内直之)

N2リーグ表彰

N2リーグの入賞者のみなさま、おめでとうございます。

総合


N2リーグ総合


優勝 308 岩野おさむ ADVANCE IOTA2

準優勝 313 谷藤 公明 BGD CURE 

第3位 312 岸 幸民 ADVANCE SIGMA9

第4位 317 谷藤 幸子 ADVANCE SIGMA10 

第5位 309 貝田 仁 NIVIUK ARTIK5 

第6位 303 松岡 茂 NOVA MENTOR5


総合優勝 岩野おさむ


女子


N2リーグ女子


優勝 317 谷藤 幸子 ADVANCE SIGMA10

準優勝 301 千葉 恵 GIN GLIDERS BONANZA2


女子優勝 谷藤幸子


チーム


N2リーグチーム


優勝 今井浜

(308岩野おさむ、313谷藤公明、314斎藤光秋、317谷藤幸子)

準優勝 西日本連合

(312岸幸民、310藤原雅宏)

第3位 とちおとこ

(323園部和夫、324西川鎮治)

N2リーグ日本グランプリチャンピオン


N2L2019日本グランプリチャンピオン


308 岩野おさむ ADVANCE IOTA2

317 谷藤 幸子 ADVANCE SIGMA10

5月の朝霧高原で開催されたPGカップin富士山でしたが、これで2年連続で好天に恵まれ成立いたしました。参加された選手のみなさまはもちろんですが、Wingkissの中川様はじめエリアの方々、大会開催と運営にご協力いただいたスタッフのみなさまに、この場をお借りして感謝申し上げます。

来年も新緑まぶしい朝霧高原で、朝霧らしいタスクを用意してみなさまをおまちしております。ぜひ、来年もPGカップin富士山をよろしくお願いいたします。


集合写真