PWCアメリカ Task1

いよいよ大会スタートです。早朝から強く吹くChelan湖からの冷たい風でしたが、これは山からの吹きおろし風によるものでノーマル。テイクオフへ上がるとすでに風は弱くなりつつあり予報通り今日も良さそうです。


コンディションの好転とともにテイクオフには「ダスティー!」の声が連呼されます。これはダストデビルが発生したときに、注意として発せられるダストデビルの愛称です。「ダスティー!」聞こえはかわいいですが、ものすごい轟音と砂埃を巻き上げ通り過ぎていきます。サーマルのパワーを感じます。(実はみんなサーマルの中で入っているのですよ。)


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タスクはジグザグと風下へ流すだけの簡単なタスク。でも距離は97,4kmです。初めの平野部台地でののっかりにうまくいけばあとはガンガン行くだけです!


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宮田は前半からよいポジションを保ちながら飛ぶことができ、勝負のファイナルグライドまでもつれます。強いリフト帯のなかでのアクセル勝負でしたが、目の前でイギリスのオグデンが潰れ落ちていくのを見て、ややひるんでしまいました。それでも6位でフィニッシュ。


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ゴールした16時頃はサーマル活動もピークに達し、ゴール周辺はダストデビルの巣のような状態になっていました。なかなか下ろせず苦労しましたが、何とか無事にランディングできました。



まずまずのスタートとなりました。毎日できそうです。この調子で攻めます。


PWCアメリカ 公式練習日

しかし、大会前日の公式練習日がBESTコンディションとなるのはなぜなのでしょうか?前回のPWC白馬でもそうでしたが、今回も例外なくスーパーコンディションとなりました。


昨日までの強い西風も収まり、クラウドベースは何と3300m!地表では30度を軽く超える灼熱ため、薄着で飛んでしまい雲底ではずいぶん寒い思いをするはめとなりました。明日からの本番はきっちり着て飛ばねば!


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まずは、懸念されていた東平野部への台地乗りへアタックです。テイクオフから12kmのコロンビア川越えの先は、長年の浸食によってできた河岸段丘です。確かに渋い・・。弱いサーマルを引っかけながら台地へ乗っかるとそこはパラダイス!完全に空気の層が違うのでしょう。対流は活発でいたるところでダストデビルが上がっていて強烈なサーマルを示してくれます。


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そのうち上空には積雲が形成され、下はダストデビル、上は雲という2段構えの分かり易いサーマルを乗り継ぐことができるようになりました。こうなれば3000mのクラウドベースにつけると平野部を何処までも飛んで行けそうな錯覚に陥ってしまいます。


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とりあえず夕方のレジストレーションに間に合うように30km先のMensfield集落まで飛んで帰ってくることにしました。風が弱く、雲底3300mもあれば60kmのアウトアンドリターンもあっという間です。2時間ほどフライトでしたが最高のシュミレーションとなりました。1グライド20km近くのビックトランジットとなると最近のパラグライダーの滑空比の良さが如実に感じられます。本当によく飛ぶ!そして地球はでっかい!


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いよいよ明日から本番です。雨が降る気配すらないここChelanでは長丁場の体力勝負となることは必至!思いっきり攻めます。


PWCアメリカ プロローグ

2010PWCアメリカステージは、マリナーズで有名なシアトルから内陸東に200km入ったところに位置する「Chelan」で開催されます。大河コロンビア川の支流にあるChelan湖のほとりにあり、夏のバカンスで賑わう一級リゾート地としても有名です。


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テイクオフはChelanの町そばにある丘のような山で海抜1100m。コロンビア川側のランディングとの高度差は900mもあります。しかし、このエリアはテイクオフから離れ、東側の平野部へ飛び出すXCタスクが多く、台地である平野部の海抜は900mもあるので大変です。


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つまり、テイクオフで上げると、まずはコロンビア川谷を越えて平野部台地に乗ることから始めなくてはなりません。トリッキーなコンディションだとここでランディングしてしまうパイロットも多いそうです。気をつけなくては・・・。雄大なコロンビア川を眺めながら越え、平野部へ出ていくのは圧巻で、日本では決して経験できないでしょう。


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さらに平野部で度肝を抜かれるのが、ダストデビル(ミニ竜巻)です。噂には聞いていましたが、これほど多く見られるとは思いませんでした。不思議なのは恐ろしいといより、サーマルが豊富でいいねえぐらいにしか感じないことです。恐るべしアメリカ大陸!


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ノーマルコンディションで雲底高度は3000mを軽く超えるそうです。楽しみです。


日本からは宮田、中井さん、小林taroが参戦です。ご期待ください。


PWCアメリカ速報!

7月18日~24日にて開催されたPWCアメリカにて、
日本勢が素晴らしい活躍を見せてくれました。


小林泰選手が見事3位表彰台を獲得!
宮田歩選手4位入賞と素晴らしい結果でした。
おめでとうございます。


大会リザルトはこちらからどうぞ↓


http://www.fastretrieve.com/PWCA/2010/6.html


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PCL第4戦 安比高原オープンカップレポート

開催地:岩手県八幡平市 安比高原
主催:七時雨パラグライダースクール
後援:八幡平市、(株)岩手ホテルアンドリゾート
協力:寒風山パラグライダースクール、トントンとんびパラグライダースクール
レポート:宮田歩


<プロローグ>
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関西、関東地区が梅雨本番となるこの時期に、前線から遠く離れた北東北で大会開催すれば!そんなコンセプトで開催されてきた安比高原オープンカップも今年で5回目です。
今年は5月・6月と連日クラウドベースが2000mを超える素晴らしいコンディションが続いたこともあり、今年こそ岩手山ゴールが組まれるのでは!そんな期待いっぱいに33名の選手が安比高原に集まりました。

<7月10日(土)>
遠く関東から早朝に到着した選手は、大会本部でもある七時雨山荘で仮眠させていただき、しかも暖かい朝食でお出迎えです。これはうれしいサービスですね。
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列島を襲ったゲリラ豪雨は容赦なくこの北東北地方にも襲来し、昨晩から土砂ぶりの雨が続きました。早朝に雨は止んだものの、前線通過後の西風強風となり、残念ながら飛べそうにありません。開会式、ジェネラルブリーフィングは大会本部でもある七時雨山荘食堂で行われました。
昼過ぎに風が収まる予報も出ているため、お昼まではウェイティングです。チャレンジリーグ恒例のベーシックセミナースケジュールを早めて開催していただきました。講師は今大会競技委員長でもあるJPA副会長の小野寺さんです。テーマは「サーマル発見能力」。選手でなくても聞きたい!多くのパイロットが参加していただき皆さん真剣です。「サーマルは温まる地表とそこに空気が留まる環境が必要!」なるほど温まる場所だけ探しがちですが、風の淀みがないと空気はサーマルにならないのです。勉強になりましたね。セミナー終了後も風は収まらず、残念ながら今日の競技はキャンセルが発表されました。夕方にはBBQパーティが開かれました。山形名物高級サクランボがとんとんトンビ植木さんから協賛いただき、選手、スタッフ種飛ばし大会が開催され大いに盛り上がりました。お酒も進みますが、ほどほどに。皆さん、明日のために鋭気を養いました。
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<7月11日(日)>
眩しいほどの快晴の朝です!風も弱くテイクオフのある前森山山頂にはポツポツと積雲が形成され、絶好のコンディションが期待されます。午後から高層雲が広がる予報も出ているため、早めにテイクオフへ移動です。ここ安比高原はゴンドラで1300mのテイクオフまであっという間です。10時には全員が山頂に集合することができました。昨晩降った雨のせいで、サーマル活動と共にテイクオフのある山頂は雲の中に・・・。安比高原周辺は快晴なのに、無情にも前森山はまるで雲の帽子をかぶっている様です。とにかく雲底が上がってくるのを待つしかありません。セカンドTOにて雲が上がるのをひたすら待ちます。
13時を過ぎたころにやっと、地表が見えてきました。オープンクラス22㎞、チャレンジクラス12㎞の前森山周辺を周回するタスクが発表され、いよいよウインドオープンです。やや高度の低いザイラーTOからまずはオープンの選手からテイクオフしていきますが、5名の選手がテイクオフした後、再び雲底が下がりテイクオフはガスの中・・・。フライト中のセーフティコミッティから雲底のレポートが届きますが、テイクオフレベルから100mは下がっている様子です。
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選手はいつでも飛びたてる準備で待ちますが、「このままテイクオフがクリアーになっても視界が悪く、競技が安全に行われることは困難」競技委員長の英断により残念ながら競技はキャンセルとなりました。うーん残念。午前中の素晴らしいコンディションが目の前にあっただけに非常に残念です。
下山後は帰着報告が終了した後、大会本部では新たなタスクが発表されました。「フリーディスタンス!」といってもパラグライダーではなく、山形名物「サクランボの種飛ばしフリーディスタンス」です。こんなところで昨晩の練習がいきるとは・・・。賞品がかかっているだけに皆さん真剣です!真剣に種を飛ばす姿に思わず笑ってしまいます。飛べなかったけど楽しく閉会となりました。

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来年は今年BESTコンディションとなった6月第2週目に開催が決定しました。この時期の北東北地方は梅雨入りしていないはず!これで安比エリアを存分に使ったビックタスクが組める!北東北で大会を開催し続けていただける主催者の七時雨パラグライダースクールの皆さんには本当に感謝です。ありがとうございました。
来年もこの安比でお会いしましょう。皆さんお疲れ様でした。
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