今回、選手育成基金の活用により、
村上恭子選手をPWCイタリアに派遣させていただきました。
天候に恵まれず、思うような飛びはできなかったようですが、
なにかしら良い経験になったのではないでしょうか?
さて、今後も競技事業部では、選手育成基金による国際大会出場選手の援助を行っていく予定です。
育成対象となっている選手のみならず、
ワールドカップ、プレワールドカップ等の国際大会への強い意欲をお持ちの選手を競技事業部では支援していきたいと考えています。
我こそはと思われる方は、出場希望大会を選定の上、
宮田競技事業部長もしくは、お近くの競技事業部委員までご相談ください。
申請方法等をご案内いたします。
ワールドカップ出場、そして表彰台獲得を目指してがんばっていきましょう!
レポート:村上恭子
<練習日>
ローマから南に車で2時間のところにあるサンポティートという小さな街に来ています。
金曜日、土曜日両日とも絶好のコンディションのもとフライトでき、全部ではありませんがエリアを確認することができました。
初めてのヨーロッパでのフライトで、テイクオフでは口数少なく緊張気味ですが、扇澤さん、水沼さん、大澤さんという心強いメンバーのおかげで、また、あまり高い山もなく、海も近いこともあって穏やかなサーマルの中楽しくフライトできています。
宿泊場所もランディングのすぐ近くのアグリツーリズモという農家が経営している宿で、毎日とても新鮮な食材を使ったとってもおいしいイタリアンを頂いています。
良く食べ良く寝て、明日以降の大会は楽しめたらと思っています。
<7月4日 大会初日>
今日は北風なので、メインランディングがある山の南側ではなく、北側のテイクオフを使いました。大型バス3台、2時間かけての移動です。そしてバスを降りるとテイクオフまで100mの高低差で15分の登りが待っています。日ごろの不摂生が身にしみます。
今日のタスクは山脈の北側の往復の後、山を越えて南側を往復する79kmのタスクが組まれました。スタートしてから1時間をちょっと過ぎたあたりで、積乱雲が発達し雲底も低く山を越えられないということでタスクストップになってしまいました。
明日以降天気が一日持つことを期待します。
http://www.fastretrieve.com/PWCA/2010/5.html
<7月5日 大会2日目>
毎朝9時にテイクオフへのバスが出発しますが、8個あるテイクオフのうち、どこのテイクオフに連れて行かれるかは行ってみるまでわかりません。今日は昨日とは違う方向にバスはスタートしました。1時間ほどで山の上の湖のほとりにおろされ、小さい車に乗り換えて15分ほど、今日は歩かなくてすむのかなあ、なんて思っていたら大間違い、そこからさらに40~50分歩いてようやくたどり着いたテイクオフはガスの中でした。
今日は南南西の風ということで、昨日とは逆向きのテイクオフになったようです。しばらく待ち、平野をジグザクに飛ぶ62kmのタスクが発表されたのですが、雲底も低く、今日も積乱雲が発達する可能性があるということで安全を考え1時過ぎにはタスクキャンセルとなってしまいました。
その後フリーフライトになりましたが今日も15時過ぎに積乱雲が発達してしまい、長く飛んでいた選手も急いでランディングしていました。
ここサンポティートの住人は本当にフレンドリーで、今日は空き地におろすとすぐに駆けつけてくれ、家の綺麗なお庭でパッキングしろと連れて行かれ、パッキングが終わるとサンドイッチやお茶やコーヒーなど出してくれ、さらには宿まで送ってくれました。
地元の人との交流も楽しいですが、やっぱりサーマルいっぱいの中、長く飛んでゴールしたいです。
<7月6日 大会3日目>
今朝起きると山はどんよりした雲に覆われていましたが、テイクオフに上がるころには雲はなくなり、飛べそうな雰囲気になってきました。今日も新しい南東向きのテイクオフへ移動しましたが、次第に出来てくる雲の雲長は高く、今日も不安定な大気なのがわかります。
本日のタスクは昨日と似た平野をジグザクに飛ぶ52kmのタスクが組まれましたが、サンダーストームの発達が早いことが予測されており、なるべく早い展開を期待して、ウインドウオープンから+30分のエラップスタイムとなりました。11時55分にウインドウオープンしましたが、10分もしないうちにタスクストップになってしまいました。その後14時を過ぎた頃には雷が光り、どしゃぶりの雨となりました。
サンポティートの街に帰って来てから、まだ見ていないメインテイクオフを見に行きましたが、今日も道がわからず迷っていたら、おじさんがテイクオフまで先導してくれました。本当にいい人たちです。
明日もまた不安定な予報なようですが、タスクが出来ることを期待したいと思います。
<7月7日 大会4日目>
今日は、積乱雲の発達が午後の早いうちから予測され、テイクオフにあがることなく、タスクキャンセルとなりました。その後、近くのテイクオフにあがりフリーフライトしましたが、14時前には雷がゴロゴロいい始め、雨も降ってきました。積乱雲は今日までで、明日は北風が強い予報です。タスクが出来るといいのですが・・・。
イタリアのレポートではないですが、来年のPWCをスーパーファイナルシステムか、以前のようなワールドカップツアーのどちらにするかもうすぐ投票を実施するそうです。デリゲートのグザビエさんが「日本人のパイロットのみなさん投票してね」って言っていました。メールが来た方は、是非投票を!
<7月8日 大会5日目>
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今日は早朝から予報どおり強い北風が吹いていました。いつも9時にテイクオフに向けてスタートするバスは、なかなかスタートせず、結局テイクオフにあがることなく今日もタスクキャンセルとなりました。
今日はバスで2時間のところにある世界遺産のポンペイ遺跡にツアーが組まれ、行ってきましたが、18時ごろサンポティートに戻ってきても、まだ北風が強く吹き込んでいました。
明日は、昨年スーパーファイナルが行われたノルマでタスクをする可能性もあり、いつもより1時間早く集合してテイクオフに向かうことになりました。後二日、なんとかタスクができること願っています。
<7月9日 大会6日目>
今日は結局ノルマへは移動することなく、初日に利用した北側のテイクオフ(高さ1700m) に移動になりました。今日は2000m付近の風が非常に強く、また2000m~3000mに強い逆転層があるという予報でしたが14時スタートの78kmの山沿いを往復するタスクが組まれました。渋い上に風も強く高度もあまり取れないため、みんな牽制しあいながらのスローペースで、先にどんどん進んだ選手は降りてしまったりしていましたが、しり上がりにコンディションは良くなり大量ゴールとなりました。
扇沢さんは4番目にゴールメイクし、大澤さん、水沼さんも手堅くゴールしましたが、強い風に慣れていない村上は2つ目のパイロンを取った後で降りてしまいました。
明日はそれぞれ悔いの残らないように頑張りたいと思います。
<7月10日 大会7日目>
今日も快晴の空で雲ひとつなく、昨日と似たコンディションで、2000m付近に強い逆転層があり、昨日よりやや風が強い予報でした。昨日と同じ北側のテイクオフにあがり、山沿いを往復する72kmのタスクも組まれ、ゲートオープン時間には皆スタンバイしておりましたが、オープン時間になってもテイクオフの風が強く、しばらくウェイティングが続いた後14時前にキャンセルとなってしまいました。20時から閉会式が行われ、イタリアでのワールドカップは幕を閉じました。
すでにスーパーファイナルにセレクションされているJPAメンバーは、ヨーロッパラウンドで良いシミュレーションが出来たようで、本番に向けそれぞれがトレーニングの課題をみつけました。
ご報告が遅れましたが、6月19日~29日にて、
PWCギリシアにJPAから中井正人選手が参戦しました。
結果は、...だったようですが、がんばって飛んでこられました。
中井選手の参戦レポートはこちらからどうぞ↓
http://blogs.yahoo.co.jp/nakaigin
また、7月17日~24日にて実施される
PWCアメリカには、JPAより宮田歩選手、中井正人選手、小林泰選手が参戦します。
大会の模様は、随時、競技事業部ブログにて、ご報告いたします。
応援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。
7月3日~10にて、実施されるワールドカップ イタリアラウンドに、
村上恭子選手(エアパークCoo所属)が参加します。
競技事業部にて協議の上、選手育成基金を適用し、渡航費等を援助させていただくこととなりました。
村上選手の活躍に乞うご期待です!
この他、JPAからは、扇澤郁選手、大澤行英選手、水沼典子選手が同大会に参戦します。
応援のほど、よろしくお願いします。
村上恭子選手
<戦歴>
2006年 JPAナショナルリーグ年間ランキング:総合35位 女子1位
2007年 PWC茨城:女子3位
2009年 JPA日本グランプリ(白鷹):総合12位、女子1位
2009年 JPAナショナルリーグ年間ランキング:総合26位、女子2位
<大会参加への意気込み>
JPA選手育成基金を利用させて頂き、イタリアワールドカップに参戦してきます。昨年は、同世代のパイロットたちが育成基金を利用して中国のプレワールドカップに参戦していましたが、彼らの帰国後の楽しそうな顔やモチベーションの高さに、すごくいい影響を受けました。特にタローこと小林泰選手のその後の活躍には、ビリビリと良い刺激を受けます。彼らの後に続けるように、また、海外だけでなく国内の大会も盛り上げられるような選手になれるように、成長するきっかけをつかんできたいと思います。そして、今後ますますこの選手育成基金のシステムが、若くてやる気のある選手のチャレンジを後押しするようなシステムになることを期待しています。いってきます!