開催地 : 長野県北安曇郡小谷村栂池高原スキー場 スカイワンダーランド栂池エリア
リポート : 栂池ジャパンカップ実行委員会

■6月3日

雲海がたまっているものの、空は快晴の白馬。その雲海も、栂池テイクオフに上がる頃には小谷の辺りまで晴れ、ビックタスクが組まれた。小さい三角パイロンを回った後、約15km離れた佐野坂を2往復という72.9kmのタスク。朝からサーマル活動も活発だったこの日、ウィンドオープンと同時に選手達は次々とテイクオフしていった。

11:10、スタートタイムになると選手達は2000mを超える雲底から一斉にグライドを開始。順調にスピードを上げて三角パイロンをこなす・・・と、ここでトップを行く3選手がタスクミスで大きくロス。波乱の幕開けとなった。三角パイロンを順調にこなしたトップ集団は佐野坂に向けてグライド。途中、岩岳・八方尾根と豊富なサーマルを乗り継ぎ、ハイペースでレースは展開。五竜の尾根ではサーマルトップが低く多少苦労するも、ペースを落とさずに佐野坂をリターンしていった。

佐野坂からの戻り、八方尾根で2000m以上ゲインしたトップ集団は、岩岳上空を通過するルートで栂池に引き返して行った。高度をロスしても、この日のサーマルコンディションならすぐに高度を回復できると考え、ハイスピードでレースを引っ張るトップ集団であったが、ここで大きな落とし穴が!岩岳上空に差し掛かる頃には北から強めの海風が吹き込んでおり、コンディションが安定してしまっていたのだ。豊富なサーマルを予想し飛んでいたトップ集団、それに離されないように飛んでいた選手達は次々に栂池ランディング付近にランディング。思えばこのとき、小谷の北に残っていた雲海がきれいに無くなっていた。北からの海風によるものだろう。コンディションの渋くなる兆候に気付かなかった多くのパイロットが、中盤の大きな大きな落とし穴にはまってしまった。

今日はここまでか・・・とその日のレースを振り返っていると、ランディングした選手達の頭上には数人の選手が!しかも北風が弱まりつつある。レースはまだ終わっていなかった。コンディションの渋くなった時間を五竜・八方でしのいだ選手達が、北風の影響の少ないコース、岩岳の奥を通って、高い高度で栂池に戻ってきた。栂池に差し掛かった頃にはコンディションも回復しつつあり、サーマルを乗り継いで2度目の佐野坂へと向かっていった。

その数人の選手達も、午後の渋いコンディションに苦戦し、ゴールは難しかった。そんな中、ゴールに1機のグライダーが帰ってきた。この日唯一のゴール、伊藤選手は白馬の高い尾根にめいっぱい寄っての単独フライト。波乱続きの初日のビックタスクを、自分のペースを乱すことなく飛び続け、ただ 一人ゴールにたどり着いた。

波乱の多かった初日、自分のペースを乱さず落ち着いて飛び続けた選手だけが距離を伸ばし、上位に入れたように思われる。



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