リポート : 競技事業部 長島信一

■4月26日 大会初日
PWC韓国 in ムンギョン
2009年ワールドカップ第2戦、アジアラウンドが韓国の中央に位置するムンギョンエリアを舞台に開幕された。ムンギョンエリアはソウルから167kmにあり、1000m前後の山が連なるパラグライダーに絶好のエリアです。テイクオフまではバスが横づけで、とっても女性に優しいエリアになっています。JPAからは全国より19名(女子4名)の選手が集結して、皆さんの応援のもと準備万端スタートの時を待ちます。

大会初日 4月26日
朝から北西風が強く、天気予想ではタスクは厳しいかもという情報が流れていた。天気は雲が多めながら、寒気が入り込んでいるので減率は良さそうです。雲底も上がり始め、ダミーも調子良さそうに雲底まで上げています。
12時半からブリーフィングが始まり44キロのタスクが決定、北西風のリッジ風を利用しつつ北尾根の先端をスタートパイロン(P13)として、そのまま踵を返して尾根の最南端に位置するパイロン(P36)を取ってテイクオフに戻り、北側の 最高点(P19)から町のヘッドクオーター経由で、HGランディングへゴールというスピード勝負のレースです。

ゲートオープンの13時には西斜面が働き始め、選手は苦もなく上げてウエイティングポイントのP19上でスタートの13:45を待って一斉にゴールを目指します。沖回りでトップ集団を引くのはオギーと宮田です。尾根上をひと際高くウルバンがゆったりペースで進みます。スタートパイロンを取ったあとはサーマルポイントのP19で先頭集団7〜8名ほどが抜け出て、そのままテイクオフまでオギーを筆頭に一気に駆け抜けて行きます。宮田、長島はワンピッチ遅れて集団の後方につけて行きます。

後続組も P19山できっちり高度を上げて順当に駒を進め、南北に伸びる尾根にはパラの軌跡がきれいに描かれて行きます。尾根なかばにあるゴルフ場できっちり高度を稼いだトップ集団はダイレクトに南先端へ向かいます。トップでパイロンから尾根に戻ったオギーがヨーロッバ勢を引きながらサーマルヒット、この頃から北風が強くなりそうな気配、雲底近くではみぞれがパチパチとヘルメットに当たります。ゴルフ場手前の大きな谷を渡るべく、しっかり高度を稼いで進み始めるとスピードが出ません。アクセル踏んでも20km前後、高めにスタートしたトップ集団はなんなく尾根を越えてゴルフ場サーマルをヒットしますが、低めに出た機体は苦戦を強いられます。

それでも尾根は越えているので問題はなかったのですが、セカンド集団で追走していた小幡、小林、呉本らは大苦戦、それでも小幡はゴルフ場すれすれから奇跡の復活劇を演じ、尾根上に這い上がりました。一方、呉本は痛恨のゴルフ場ランディングとなってしまいました。特に北風が強くなるこの頃からは、谷を渡れない選手達が狭い峡谷に、次々とランディングしていきます。運命の分かれ谷を、後方から様子を伺っていた植田、山本、陳らはひたすら高度を稼ぎ、北風の一瞬の間隙を縫ってクリアー、ゴールを目指すのでした。

早めに谷をクリアーしたトップ集団は一度も回すことなく、パイロンのP19山をクリアーし、リーサイドの強烈なサーマルで一気に上げきって、ファイナルグライドへ突入して行きます。トップを行くのはバリッジ兄弟、すぐ後ろに韓国のジーノとその一の子分、テイクオフ前のサーマルも回さずに町のHQへ向けて一気にスピードアップのはずでしたが、何故か西風アゲインストが強くなりだし、長島のGPSは20km前後にみるみる落ちて行きます。せっかく稼いだ高度も釣瓶落としのように消えて行きます。それでも集団は帆をたたむことなく一気に最終パイロンをクリアーしてゴールになだれ込んで行きます。

長島、オギー、宮田とゴールした頃、強風の西風は収まり始め、生き残った後続組は高度を上げながらゴールに到達し始めます。JPAチームは竹尾、正木、小幡、大澤、植田、陳、山本がきっちりゴールをメイクしました。女性陣にとっては北風がきつく、谷渡りで敢えなくランディングを余儀なくされてしまいました。PWC初参加のパラワールド佐藤の顛末はパラワールド誌やっちまっただ記事を乞うご期待です。

明日からも天気は徐々に好転して行く予報、ひょっとして6本成立なんてことにもなりそうです。JPA チームの善戦をご期待ください。

ミーティング
 
スタート
 
竹尾さんゴール


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