日本パラグライダー協会

会員の皆様からお寄せいただいた「ひやっとしたこと(インシデント)」を分類し、分かりやすくご覧いただけるようにしました。スクール様だけでなく、一般フライヤーの皆様にもぜひご覧頂き ご自身の安全フライトにお役立てください。

ひやっとノートフォーム

空中接触

【発生時間】 15:00~
【年齢】 20才
【性別】 男
【経験年数】 1年
【パイロットレベル】 プライマリー
【年間フライト日数】 ~50日
【天候状況】 晴れ
【風速】 3m/s
【状況】 サーマル発生
【内容】
テイクオフ前をリッジソアリング中
ほぼ同高度の同じグループの者同士数名ソアリングしていた。
前方の機体がターンをしたため、後方の機体と接触
双方ともレスキューパラシュートを投げ、テイクオフ下の木にツリーランディング

【考えられる要因】
前日に続き、日中はサーマルソアリング。
3時頃から穏やかにリッジソアリングしていた。
この日4本目のフライト。相手は女子B級、経験はほぼ同じ。学生同士、少しでも高度維持したいため、接近してのフライトになってしまった。
ランディングのインストラクターから距離感がつかみにくい。
昨年の合宿最終日も同様の事故があり、疲れや慣れが出やすい日時は同じ。


2013/09/11

スパイラル(試技)のままツリーラン

発生時間 : 14:00~
年齢(才) : 43
性別 : 女
経験年数(年) : 17
パイロットレベル : パイロット
年間フライト日数 : ~100日
天候状況 : 曇り
風速 : 2m
状況 : 穏やか
【内容】
午後の風が穏やかな時間帯に基礎練習。

1-1-1の宣言を空中でし、試技を開始した。
1-1-1を行ったがリカバリー出来ずにそのままツリーランディングした。

本人に怪我は無く、事なきを得たが重大事故につながる可能性は高かった。

【考えられる要因と対策】
環境要因:ホームエリアではないエリアだった。
ただ、何回も通ったエリアなので環境要因はさほど無かったと思われる。

影響要因:スパイラル中、ヘッドセットヘルメットだったが風の影響でか誘導が聞こえなかった。
仕様グライダーが使用後2年と少し経っていたので、スパイラルが戻りにくい状態であった可能性がある。
インストラクターが安易に試技開始のOKを出したので、お互いに集中力の欠如があった。

ヒューマンファクターズ:導入がスムーズに出来ず、2周目移行にブレークをさらに引き込んでしまった。
イントラは過去の試技の実績や、1周目の導入失敗で取りやめた経験が数回あったので、試技中止無線を見逃してしまった。本人にも2周目以降の導入の危険性は、何度もレクチャーしていたが行ってしまった。事前レクチャーがまだまだ足らなかった。
いつも、リカバリーが急になってしまっていたので、上手くやろうとブレーク操作をあまりしなかった。

対策:事前レクチャーの更なる徹底と無線音量など確認した上で試技を行うようにする。
また、試技内容はテイクオフ前に必ずコールし、インストラクターと試技者とのコミュニケーションを図る。
その際に事前レクチャーや音量などが確認不足な場合は試技中断をその場で連絡する。

イントラ側も重要な場面での無線誘導の見逃しがあった為、緊張感と集中力を持ったスクーリングが必要である。
スパイラルが戻らない機体がある事も認識し、チェックしていかなければならない。


2013/01/16

プレフライトチェックミスによりレスキュー開傘

発生時間 : 11:00~
年齢(才) : 69
性別 : 男
経験年数(年) : 20
パイロットレベル : パイロット
年間フライト日数 : 100日~
天候状況 : 晴れ
風速 : 1m
状況 : 穏やか
【内容】
テイクオフしようと走りだしてレスキューパラシュートが出ていまい、本人気づかずにそのままテイクオフした。
無線で指示しとりこもうとしたが寸前で開傘、SHOP近くの杉林二本に引っ掛かりました。

【考えられる要因と対策】
レスキューコンテナのグリップは確認したが、ピンは確認していない。(本人のはなし)

今後フライトする日はピンの確認を毎回指導します。


2012/06/08

テイクオフ直後のコラップスによるクラッシュ

発生時間 : 12:00~
年齢(才) : 42
性別 : 女
経験年数(年) : 15
パイロットレベル : パイロット
年間フライト日数 : ~50日
天候状況 : 晴れ
風速 : 3~4m
状況 : サーマル発生
【内容】
冬期クローズエリアのツアーフライト
初日にライズアップトレーニングを終え2日目のフライト。
春らしいクロスカントリーには絶好のコンディション。
その日2本目のフライト。東向きのテイクオフよりフライト
東~南 2~4mの風 
テイクオフから10秒ほど飛んだところで右翼70%コラップス→シュート→パイロットの前方でグライダー回復→SAT→墜落 レスキューパラシュートは投げれなかった。木が密集していたが木には引っかからなかった。幸いにも斜度が急であったため地面に接地したが本人はケガもなく事なきをえた。  

【考えられる要因と対策】
環境要因
冬期クローズエリアのビジターパイロット
片道5時間以上掛けてでのツアーフライト
2013年シーズン 2本目のフライト
春先のサーマルコンディション(クロスカントリー日和)
グライダー ENB 当グライダーはXSサイズ EN C

影響要因
サーマルコンディションで空中には50機以上フライト
今シーズン2本目のフライトだがその他パイロットが続々と
テイクオフしていく中、躊躇することなくフライト。

対策
テイクオフ直後のアクティブ操作の徹底と重要性の説明。
春先の復帰するパイロットへ穏やかな大気でまずフライト
をするように説明とアナウンスを徹底する。


2012/03/17

同時進入→ツリーラン

発生時間 : 12:00~
年齢(才) : 45
性別 : 男
経験年数(年) : 10
パイロットレベル : エキスパート
年間フライト日数 : 100日~
天候状況 : 晴れ
風速 : 2m
状況 : サーマル発生
【内容】
アプローチでニアミス。
ベースのライン上でほぼ同高度で、向かい合わせで同時進入することとなり、山側に膨らんだ人が煽られてツリーラン。

本来一方通行の場所ですが、エリアの特性上下りる前に最後のサーマルを探しに行った場合に、反対側から入る事があります。

通常はお互いが右へ避けるようにして、対応していますが、今回はツリーランした人の方が、急に下がってしまい、同高度になってしまったため、シンクのある空域でより右(林側)へ避ける事となった。
【考えられる要因と対策】
環境要因・・・エリアの形状がベースのすぐ後ろが林となっていること。ベースへの進入が両方向存在してしまう事。ベースへ逆進入する時にはサイドフォローを受ける事。風向き、コースによってはシンクも存在すること。
これらの事をより深く皆が理解できるように、これから促して行く。

影響要因・・・タイミングは多くのパイロットがソアリングしていて、リフトが多く存在していたので、低高度でもまだ上げる事に気持ちが傾き過ぎていて、相手の存在に気付くのが遅れた。逆から入った人の方が始め少し高めだった為、正しい方向で入った人は、相手をあまり意識していなくて、避ける意識が薄かった。

ヒューマンファクター・・・風の流れに(シンクなど)に対する知識不足で、想定外の高度になってしまった。地面近くで緊張感があり、お互いに視界が狭くなっていた。

対策・・・この出来事はこのエリアが持つ大きな弱点の一つと考え、さらに皆が深い理解と意識を持つように、掲示と告知なでして、促して行く。


2012/01/13