日本パラグライダー協会

会員の皆様からお寄せいただいた「ひやっとしたこと(インシデント)」を分類し、分かりやすくご覧いただけるようにしました。スクール様だけでなく、一般フライヤーの皆様にもぜひご覧頂き ご自身の安全フライトにお役立てください。

ひやっとノートフォーム

ツリーランディング後・・・

【発生日】2017年3月12日
【発生時間】13:00~
【パイロットレベル】エキスパート
【天候状況】晴れ
【風速】2m/s
【状況】サーマル発生
【内容】
ツリーラン回収でのことです
昼過ぎにツリーランの一報を聞き回収に向かいました。
現場につくと20mぐらいの杉の木3本にキャノピーが引っかかり、パイロットは地上高10mでポッドハーネスに足を伸ばした(通常飛行状態)でセルフビレーをして待っていました。
声かけしながらパイロットレベルまで木を登ってびっくりでした。ゲットアップシステムのバックルが外していて、木の幹にプルージックしたスリングに取り付けたロープを手で握っているだけのような状態で1時間近く待っていたようです。
これではハーネスから体が落ちたら怪我ではすみません。
すぐにハーネスのバックルを付けてもらい、速やかにこちらから持ってきたロープで確保しました。
あとは教科書どおり、カウンターラッペルで救出できました。
今思えば、だんだん話している声に元気がなくなってきていたのがおかしい前兆だったのですね。

【考えられる要因】
ツリーランしてしまってから後悔しても仕方がないのですが、ベテランほどプライドが高く救助がくるまでに自分でできることをしようとするものです。しかし、木にぶら下がった不安定な状況ではよっぽどの熟練度がないと正常な判断はできないものなのです。
幸いなことに、途中で本人もおかしいと気づいたので自分の力で降りなかったのでおおごとにはならなかったのです。しかし、現場で救助に来た人にそのことを言わなかったのはずるい気がしますが、逆に、もしおかしいから直して!っていったら木の上でパニックになって最悪なケースになったかもしれないですね。
対策:一年に最低限1回はツリーラン講習会に参加する。10年以上前のツリーランの道具は廃棄して新しいのを購入する。


2017/03/12