日本パラグライダー協会

会員の皆様からお寄せいただいた「ひやっとしたこと(インシデント)」を分類し、分かりやすくご覧いただけるようにしました。スクール様だけでなく、一般フライヤーの皆様にもぜひご覧頂き ご自身の安全フライトにお役立てください。

ひやっとノートフォーム

スパイラル(試技)のままツリーラン

発生時間 : 14:00~
年齢(才) : 43
性別 : 女
経験年数(年) : 17
パイロットレベル : パイロット
年間フライト日数 : ~100日
天候状況 : 曇り
風速 : 2m
状況 : 穏やか
【内容】
午後の風が穏やかな時間帯に基礎練習。

1-1-1の宣言を空中でし、試技を開始した。
1-1-1を行ったがリカバリー出来ずにそのままツリーランディングした。

本人に怪我は無く、事なきを得たが重大事故につながる可能性は高かった。

【考えられる要因と対策】
環境要因:ホームエリアではないエリアだった。
ただ、何回も通ったエリアなので環境要因はさほど無かったと思われる。

影響要因:スパイラル中、ヘッドセットヘルメットだったが風の影響でか誘導が聞こえなかった。
仕様グライダーが使用後2年と少し経っていたので、スパイラルが戻りにくい状態であった可能性がある。
インストラクターが安易に試技開始のOKを出したので、お互いに集中力の欠如があった。

ヒューマンファクターズ:導入がスムーズに出来ず、2周目移行にブレークをさらに引き込んでしまった。
イントラは過去の試技の実績や、1周目の導入失敗で取りやめた経験が数回あったので、試技中止無線を見逃してしまった。本人にも2周目以降の導入の危険性は、何度もレクチャーしていたが行ってしまった。事前レクチャーがまだまだ足らなかった。
いつも、リカバリーが急になってしまっていたので、上手くやろうとブレーク操作をあまりしなかった。

対策:事前レクチャーの更なる徹底と無線音量など確認した上で試技を行うようにする。
また、試技内容はテイクオフ前に必ずコールし、インストラクターと試技者とのコミュニケーションを図る。
その際に事前レクチャーや音量などが確認不足な場合は試技中断をその場で連絡する。

イントラ側も重要な場面での無線誘導の見逃しがあった為、緊張感と集中力を持ったスクーリングが必要である。
スパイラルが戻らない機体がある事も認識し、チェックしていかなければならない。


2013/01/16