日本パラグライダー協会
 
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ナショナルリーグ 第3戦
2005 COOスプリングカップ
レポート:競技事業部 宮田 歩
2005年4月9日〜10日
開催地 : 茨城県新治郡八郷町エアパークCoo

XCには絶好のシーズン中に毎年恒例となったCooSpringCupが開催されました。
今年はコンディションによっては100kmオーバーのタスクが組まれるかも?それともフリーディスタンスで日本記録を狙うか!?さまざまの期待を胸に大勢のパイロットが集まりました。また今回は、台湾から12名のパイロットがエントリー!100名を越える国際大会となりました。

【4月9日(土)】

快晴!昨日までの強風も収まり風は穏やか、風の本流は南西風、絶好のXCコンディションが予想されます。初日受付には恒例の選手による長蛇の列が!選手のモチベーションもすでにMAX!

南風は茨城から栃木、福島南部まで達するとの予想です。そしてタスクコミッティから発表されたタスクは福島県白河ゴールの100kmのエラップスタイムレース。100kmという距離に選手も思わず息を呑みますが、目は輝いています。

南風が強まることを想定しての早めのスタートとなりました。10:10にウインドオープン、10:50にはサル公園西鉄塔をスタートしストレートに95km北の白河を目指します。絶妙のスタートを切ったのは只野、扇沢、大澤、一気にツバメ山までグライド!

しかし1500mに強い逆転層があり、サーマルトップはそれほど高くありません。さらに積雲ができないブルーサーマルのコンディションも重なり、慎重なフライトは必至と判断した3人はテイクオフまで戻ってくることに。

12時を過ぎ、ツバメ山で30名以上のガーグルが形成されたところで、只野、星選手がトップ集団を引っ張ります。セカンド集団の扇沢、吉沢選手は西風をケアーし高峰からは大きく西よりにコースを変え北上しました。

30km地点の茂木付近のコンディションは渋く、セカンド集団は大きくスタック。只野選手は完全に抜け出し、1人旅となりますが渋いコンディションにサーマルを探しきれず70kmにランディング・・。セカンド集団はキープハイで確実に北上していきます。40km地点の烏山を越えたところから南西、南東のコンバージェンスラインが那珂川沿いに形成され、コンディションは良くなり、スピードは上がります。

70kmの黒羽を越えた地点でトップ集団はなだらかな八溝山西斜面にさらに入っていきます。しかし80km地点の八溝山を越えたところから風向きが急変!なんと北東風のアゲンストに!山からの吹きおろしとなるこの風に大澤選手が捕まり、大きく高度ロス。ランディングを余儀なくされてしまいます。それを見ていたセカンド集団の宮田、植田選手は大きく西へコースを変え追走。

吹き降ろし風から、何とか上げきった扇沢選手は13km手前から1600mまで上げてファイナルグライドに入りましたが、アゲンストはやはり強く3km手前にランディング・・。

そして、植田選手は対地20mから奇跡の復活1500mまで上げてファイナルグライドすでにランディングしていた扇沢選手の頭上を越えゴールへ向かいました。これは行ったか?と思われましたが、無情にも2km手前にランディング・・本日のトップでした。国内初の夢の100kmタスク成立まであと僅かでした。

渋いコンディションの中、40名以上の選手が茂木町を越えるフライトを達成!毎年国内競技レベルの向上が感じられます。

回収された選手が帰ってきた後には、豪華なイタリアンレストランが!TAKパラグライダースクール所属のシェフ竹元さんの本格イタリアンが選手をお出迎えでした。最高のフライトと料理に選手の皆さんは大満足!

 
 
 
 
 
 1日目大会結果
総合成績表 上位選手のトラックログ
総合成績表(日本語)  
女子成績表(日本語)  
U-25成績表(日本語)  


【4月10日(日)】

前線の接近により朝から曇り空・・。昼前から晴れてきますが、南風も強まる予報です。

クラブハウスでのウェイティングでは昨日のフライトログからフライト解析が行われました。 11時までウェイティングして僅かな確率にかけましたが、風はおさまりそうにありません。残念ながらキャンセルが発表されました。

初日の結果が大会結果となりました。優勝の植田選手はうれしい国内初優勝となりました。
台湾選手団も大満足!8月3日に台湾タイトンエリアで行われる行われる国際大会にぜひ来てほしいとアピールしていました。賞金総額はなんと400万円だそうです。

来年こそ100kmタスクやります!お楽しみに!

レポート:競技事業部 宮田 歩
 
 
 大会結果
総合成績表 上位選手のトラックログ
総合成績表(日本語)  
女子成績表(日本語)  
U-25成績表(日本語)  

・・・ 上位選手のコメント ・・・
総合成績第1位
植田真吾選手
今回の大会での、優勝は、本当にうれしいです。
COOでの大会は本当にビックな、タスクが出来るし、有名選手が、多数参加してくるし、サポートがしっかりしているので安心してエントリーしました。
(もちろん優勝するつもりで岡山の大佐エリアの人に宣言して来ました。)

大会初日は、さすがに10時間も長旅でいきなり、100キロタスクだと聞き、殺されると思いました。去年、ブーメラン?に乗り換えて調子は、バツグンにイイのですが、自分の中では満足の出来ない結果に涙をのんでおりました。
しかし、今回は、大好きなエリア足尾それもCooの開催なので心も踊り、2年前のPWCで80キロタスクをゴールした時の感動とイメージを思い出し頑張りました。

しかし、ゴール手前15キロでゴールクローズ時間まであと15分と気付き!急いでゴール方向に行きましたが、3キロ手前で風が向かい風に変わり2キロ手前に降りてしまい、ガッカリいったい自分は何位だろうか心配になり、わざわざ、6時間もフライトして、ゴール手前2キロにショート、、、情けない、、死にたくなりました。

大会本部に電話をして、迎えを呼んだら、ゴール者は、無く結果 一番ゴールに近いのが自分だと聞き、その時点から嬉しくなりました。しかし、どうせ優勝するなら、ゴールしたかったなー・・・

とにかく、楽しい大会で良かったです。やはり、大会が大好きです。パラグライダー最高!
これからも頑張ります。
女子の部第2位
小林京子選手
初めて表彰台の上に立つことが出来ましてとても嬉しいです。
今回は100キロのタスクということでしたが、特に気負わず行けるところまで行ってみようと思いました。結果はゴールにはほど遠く、烏山手前で降りましてしまいましたがクロカンの自己記録の更新となったので満足でした。
その後、無事に回収していただき、パーティーにも間に合うように帰ってくることが出来ました。朝から楽しみにしていたパーティーのイタリアンはとてもおいしかったです。どうもごちそうさまでした。

これからも、安全に楽しく飛びたいと思いますのでよろしくお願いいたします。
大会スタッフの皆様、ありがとうございました。
U-25第1位
佐藤良太選手
今回はホームエリアでの大会!!圭樹選手と兄貴に負けないようにと気合十分で望みました。大会当日は体のコンディションも空中のコンディションも良好。ささっとテイクオフに上がり準備万端。選手全員がテイクオフに上がりブリーフィングが始まりました。

TASKはすでに決まっており、トータル距離を見てびっくり。「ヒャッヒャッ100kmですか〜」と思わず声を上げてしまいました。さすが日本随一のエリアです。タスクはテイクオフの回りをちょこちょこと取ってあとは98km先のゴールへ行ってらっしゃいコース。ホームエリアでありながら初めてのクロスカントリーフライトで、遠くへ飛べる嬉しさと不安でいっぱいでした。
不安を打ち消すべく「ゴールに行くしかない」と気合を入れ直し、ウインドオープン早々にテイクオフしました。テイクオフの回りのパイロンはささっと取ってしまってあとは他の選手の動きを見ながらフライトしました。燕山で高度を稼ぐ事は難無くクリアできましたが、高峰で高度を上げるのに苦戦。

高峰TOより低くなり、前年度のCOO大会で、高峰で撃沈した悪夢がよみがえりました。「絶対に高峰越えてやる」と自分に言い聞かせ、やっとの思いで高度を上げ、ほっとしていると、回りにはもうすでにほとんどの選手が走り終えて誰もいない。「ここからが本番なのにぃ〜」とがっくり。「とりあえずGPSの指す方向へ北上開始。まったくわからないので「700m作戦」(700mを切ったらサーマルを探すという作戦)を開始しました。

無事に二つのサーマルを乗り継ぐことが出来て距離を伸ばすことが出来ました。烏山のランディングに下りると50km飛んだ喜びとトータル距離の半分しか飛んでない悔しさでいっぱいでした。回収車の中で、高峰上空で頭の上をかなりの選手が通過して行った事を思い出し落ち込みながら本部にかえりました。成績が発表された時、順位を見て意外に良かったので嬉しかったです。これからはもっと上を目指してがんばりたいと思います。

最後になりましたが、大会スタッフの皆様ありがとうございました。スタッフ皆様のお陰でここまで大きいタスクや、おいしいイタリアンパーティ−が出来てとても良かったです。本当にありがとうございました。