総合1位のマックス
スタート直後は尾根上の活発なサーマルを利用したスピーディーなレースとなりましたが、フラットランドの様子はいまだ渋く、レース中盤はゆっくり駒を進めていく展開となりました。後半思いもよらなかった中層の雲が発達してしまい万事休す。トップ集団が距離を伸ばす為にグライドをかけてレースは終了しました。
そして、飛んでみたらやっぱり風が強いし、荒れ気味。最初のターンポイントまで約10kmの距離をまっすぐ飛んでいるだけなのにやたら時間がかかり、時には対地速度が10km/h以下になったり、機体が潰れたり、アップダウンが激しかったり、とひたすら我慢のフライトが続きました。ですがターンポイントをとった後は、コンディションはがらりと変わり、+2〜3m/sの穏やかなリフトで、ゴールに近づくにつれてどんどん高度が上がってしまう、という心安らかになれる天国のような状況でした。我慢した甲斐がありました。 しかし、初日にゴールしたものの、2日目・3日目は判断ミス等でゴールできず。最終日は絶対にゴールする!と念じ、かなり低いところを這い蹲る場面が何度かありましたが無事ゴール。そして、結果女子の部で優勝することができました。 今回の大会は、チームリーダーの扇沢氏を中心にJPA参加メンバーでフライト前にミーティング、フライト後は全員のGPSログデータで解析、というスケジュールで、しかも毎日競技成立、と非常に充実した勉強をさせていただき、フライトに集中することができました。このような機会を作っていただいたJPA関係の皆様、また一緒に参加された皆様、いろいろとお世話になりありがとうございました。来年も同じ場所でPWCが開催される予定ですので、ぜひこの経験を活かしていきたいと思います。
毎日毎日タスクは方向違いにロングタスクが組まれ、いまいちよく判らない地図を頼りにフライトを行うことは自分の冒険心をくすぐるには十分なものでした。
Task2でのゴールは私にとって非常に大きな意味を持つものになりました。あわてず騒がず第二集団で大澤さんとともに確実に距離を伸ばしていくとゴール手前10kmのところに聳え立つ1000mの山。観光客が手を振るのを尻目に見つつ、手を振る余裕もなくひたすら高度を獲得、ゴールしたときの喜びは格別なもので、雄たけびを上げたくなるほどうれしかったです。
韓国パイロットの非常にアグレッシブルなフライトに驚きつつも「負けてたまるものか」と睨みを利かせてフライトしていきました。時にはもう降りてしまうかもしれないと思うくらい高度も下がったりもしましたが、「ゴールだけは確実にする」と強く思い続けました。
毎日のJPAチームの毎日行ったミーティングや一緒に行っていたメンバーのサポートのおかげで非常に高いポテンシャルを維持して望めたことは本当に自分にとって大きなものでした。 今回ようやく自分の目標に一歩踏み出したような実感を持つことが出来たことは最大の収穫でした。日本とは違う気象条件を肌で感じ、世界のトップ集団との歴然とした差を見せ付けられましたが、これからの目標がより具体的になりました。