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トップページ > 正しいアクセルシステムの使用方法
フライトの前には、
フライトプランと、プレフライトチェックを!

注意3秒、ケガ一生。
〜頭上安定の重要性〜

 (1)正しい姿勢
右の写真(写真1)はアクセルシステム使用時の正しい姿勢です。

足はスピードバーを前方(やや下方)に踏み込んでいます。もともとのハーネスの調整が正しいので、スピードバーを踏み込んでもパイロットのポジションは変わりません。

写真2は少々大げさにも見えますが悪い姿勢の一例です。スピードバーを踏むと同時にパイロットは後傾になっています、それに伴いスピードバーを踏んでいる靴底が天に向くように上に上がってしまっています。

正しい姿勢を取れていることは、アクセル使用時にコラップス(翼が潰れる)した場合、大変重要となります。

もっとも危険なのはコラップスと同時にパイロットの体が、写真2の矢印のように後方へ落ちてしまうケースです。
写真1

写真2

パイロットはまったく操作をすることができず、また最悪はレスキューパラシュートのグリップにさえ手が届かなくなってしまいます。最近のハーネスはアクセル使用時にもパイロットの姿勢が変わらないように設計されているものが多くあります。ハーネスの調整が正しければ、最悪のケースに遭遇することはないはずです。


 (2)アクセルシステムの装着
まずは正しい結び方をしましょう。

スピードバーを踏んだら、ラインがほどけたというケースが何度か発生しています。使用したいときにできないのであれば意味はありません。しっかりとしたロープワークで結ぶ必要があります。

写真3はプルージック+オーバーハンドノットで結んでいます
写真3
また、アクセルシステムで使用するロープは、常に太陽光にさらされ、なおかつ他の装備との接触による摩擦などで徐々に痛みます。

写真4の下は新品のロープ、上は過度に摩擦をして痛んだロープです。スピードバーを踏むと同時にアクセルラインには強いテンションがかかります。踏んだ瞬間に切れたというケースは何度か発生しています。
写真4

定期的な点検と交換(使用頻度にもよるが一年に一回)が必要です。 アクセルに使用するロープは伸縮が少なく、摩擦に強く、そして編んであるラインが良いでしょう。


 (3)アクセルシステムの調整
これはフライトをする前にハーネスシミュレーターで十分に調整する必要があります。

右の写真(写真5)はアクセルロープを短くしすぎてしまい常にアクセルが引かれた状態になっています。これは大変危険です。翼は潰れやすい状態が続きますし、ブレークコードのコントロールも大変難しくなります。空中でもし、どうにもならなければ、レスキューパラシュートを使用しましょう。

繰り返しになりますがアクセルシステムの調整は必ず、ハーネスシミュレーターを使用して行ってください。
写真5


 (4)プレフライトチェックのミス
右の写真(写真5)をよく見てください。
片側のアクセルシステムがハーネスのレッグベルトなどに絡んでしまい、アクセルが引かれた状態になっています。まず、正常な滑空は望めません。このような場合、多くのパイロットはなんとか真っ直ぐに飛ばせようとするでしょう。

現に何人ものパイロットにこのようなケースに遭遇したらどうするかと質問したところ、「真っ直ぐ飛ばせるように操作をする。」との回答が一番でした。仮に真っ直ぐ飛ばせることができたとしましょう。ランディングまで真っ直ぐ飛ぶだけで着地ができるのならいいでしょうが、ほとんどの場合、高度処理をしなければならないでしょう。

このような状態で旋回を試みれば、パイロットは予想できないパラグライダーの動きに出くわすはずです。高度処理を開始しているぐらいですから高度もあまりありません。一気に危険な状況が訪れます。空中で真っ直ぐ飛ばせるのがやっとの状態であれば、速やかにレスキューパラシュートの使用を考えたほうが賢明でしょう。

写真6は絡んでいる側のレッグベルト外した状態です。
脱落防止システムが付いていてしっかりと座れている、空域が静穏、ブレークコードを手から離してもパラグライダーは急激な挙動を示さないといった状況であれば、このような方法で難を逃れることもできるでしょう。
ですが、このような条件付きです。

このようなケースはラインが絡んだ状態でと飛び出してしまった場合にも考えられます。真っ直ぐ飛ばせることよりも、余裕を持ってレスキューパラシュートを使用する。この頭の切り替えが大切です。

いすれにしても、アクセルシステムの調整、取り付けは信頼のおけるインストラクターのもとで行うようにしてください。

写真5

写真6



150日に一度のリパックは、パイロットの最低限のマナーです。

今回のレポートや、教育事業部が発信するワンポイントアドバイスは、みなさんから寄せられる「ひやっとノート」をもとに作成しています。事故に繋がりうるケースを早めにみなさんにお伝えすることで事故防止に繋がればと思います。みなさんも身近にあった「ひやっと」は是非、JPA事務局までお知らせください。

>>ひやっとレポートはこちらから

教育事業部・安全普及事業部
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