2010年JPAパイロットセミナー・福岡県SSA平尾台

開催日程:2010/02/20-21    開催地:福岡県SSA平尾台    リポート:JPA教育事業部 岡田 直久


 

 

2月20日(土)

快晴の朝となりました。日差しが気持ちいいです。ですが、風向きが悪いこともあり今日は予定通り「ヒューマンエラーセミナー」。80ページに渡るパワーポイントを作ったのはヒューマンエラーブックを作った直後でした。断片的にセミナーを行ったことはありますが、今日は全編。どのよう行うか、昨日のリガー更新会後にシミュレーションをしました。まのびせず、パラグライダーの関係ないと思われるこの分野をパイロットのみなさんに対していかに飽きずに行える、そしていかにこの分野の重要性を理解してもらうかを今回のポイントとし時間配分を組み立てました。

 

イントロダクションを大切に、9時には予定通り開始です。午前中いっぱいかけて、事故要因に関する講義。どのようなことが要因となって事故が起こるのか、色々な例を挙げながら講義を進めました。みなさん大変熱心で、九州のJPAスクール(SSA平尾台、トップアウト、エアハート、長崎フリーフライト)の意識の高さがうかがえます。

 

午後一番は、集中力のなくなる時間でもあります、話を聞くだけではうとうとするのも明白。グループにわかれ、実際の事故例を見ながらみんなで討論して事故要因を探りました。各グループとも活発に議論をし、ヒューマンエラーに関する理解を深めました。討論のサマリーは各グループ発表をし、みんなで意見を共有します。こうすることでさらに理解を深くします。

 

事故のことばかり聞くといささか疲れますが、最後には「モチーベーション」に関してお話をして、気持ちを高め明日に備えることにしました。

 

 

2月21日(日)

気持ちのいい朝となりました。コンディションが良くなりすぎるのを懸念して、講習は8時半開始。その前に、初めて平尾台を飛ぶ方はエリア説明、車に乗り込む準備をし、万全の態勢です。

 

今回は技能証ごと3クラスに分けての講習。ベーシッククラスは基本技術、テイクオフ、アプローチにこだわります。プライマリークラスは気流の変化に対応するためのその1「ピッチング、ローリング」。そしてパイロットクラスは「ロールアウト3パターン」。机上講習が終わると随時テイクオフへ。すでに好コンディションを予感させる風が朝からテイクオフには吹き込んでいましたが、ベーシックのみなさんからフライト。みなさん、アプローチがうまい。場周アプローチがうまく機能しているように見えました。場周アプローチを機能させるにはまずはそれをコントロールする管制官の存在が不可欠です。みんながシステムを理解すれば、あとは管制官がいなくとも機能します。

 

プライマリー、パイロットクラスは気流の変化に対応するための旋回技術。今日も日中はサーマルコンディションとなりました。せっかくなのでソアリングできる方は揺れの3要素を意識しながらソアリング。いつもと違ったフィーリングだったのではないでしょうか。山を離れれば気流も安定しおり随時練習。とかくローリングはなんのために行うのか目的がぼやけやすい技術ですが、目的をはっきりとすることで練習する意義が見えてきたのではないでしょうか。パイロットクラスの課題も、初めてチャレンジするものだったと思いますが、2本目にはみなさんそつなくこなすようになりました。

 

ランディングではトップアウトの河部校長がビデオ撮影、私がフィードバック、ハーネス調整をしている間はSSA平尾台の飛来校長がランディングコントロール、テイクオフからはエアハートの富重校長が的確な指示を出してくださいました。2本ずつフライトしたところで、最終講義。ビデオを見ながらフィードバック、サマリー(総論)を行い今回のセミナーを終えました。最高の天気のもと、大変盛り上がり楽しめ収穫の多くあったセミナーでした。短い時間ということもありすべてを伝えきることはできませんでしたが、各校長のもと練習を繰り返していただければと思います。

 

九州地区は来るたびに良くなっているのが目に見えてわかります。JPAでやっていることが間違いない、それ以上に期待されているなということを感じます。期待に応えられるよう今後もパワーアップし、また良いものを九州でフィードバックできればと思います。
4日間大変お世話になりました。ありがとうございました。


 

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