ぐっと冷えた朝を迎えました。昨日のうちにすべての準備を済ませていましたので、集合し次第開始となりました。
まずは教育事業部担当理事である谷田さんからごあいさつをいただきました。今季、保険環境が良くなったのも、このリガー制度によるところが多くあります。JPA設立当初から妥協なく続けてきた成果ともいえます。
さて、そして講習へ。今回は私のスカイダイビングのインストラクターでもあり、またアメリカにリガー検定を受けに行く前にトレーニングをしていただいた松本さんに特別講師としてお越しいただきました。JPAでは私、只野の2名がリガー研修会の講師として活動させていただいていますが、私たちの意識を定期的にリフレッシュをする意味でも、今回の松本さんのご協力はありがたい限りです。
どのようにパックをするかというのは、どのようにそのパラシュートを開かせたいかということから逆算します。とかく方法に意識が集中しがちですが、なぜそのような作業をしているかわかっていないとトラブルにもつながりかねません。私たち講師も、参加されたみなさんの意識を方法ばかりに集中してしまわぬよう気をつけました。理屈、理論さえわかれば方法や改善策、そして応用させる方法はすぐに見つかります。現存するエンビロープ、4フラップふたつのタイプのコンテナへの収納までをすべてデモンストレーションしたところで、みなさん実技に取り掛かりました。
検定会の参加条件として事前に5個、JPAリガーのもとでパックをしてくることになっています。基本的なことはみなさんできるので、よりなぜそのようなことをするかという問いかけを常にしながら作業を行いました。JPAではスクール間のこのような協力もあり、研修会はより効果の高いものとなっています。
今日の課題はインナーバックまでの収納を5個。ラインのストーを10回。そして絡まったパラシュートの対処法です。規定の数をパックしなければいけませんが、1つ1つ妥協は許されません。長時間の研修会のため、途中集中力も途切れそうになりますが、1つ1つ満足のいくパックができるまで作業を繰り返しました。ようやく1人目の方の作業が終えたのが19時。全員の作業を終えた時は21時を回っていました。
レスキューパラシュートのこのようなリガー制度は世界を見回してもこのJPAにしか存在しません。そこまで厳しくする必要があるのかとも思いますが、このレスキューパラシュートを使用する時は大げさにいえば生死を分ける局面であるわけです。であればそのような時に後悔をしないようにするためには、それ相応の厳しさ、辛さが必要となります。ちょっと練習しただけでパックをする資格がもらえるものではありません。
明日も8時半から菊沢コミュニティーセンター(栃木県鹿沼市)で開始します。
講師 : | 松本 亨 (Craft Rigging代表 USPA Skydiving Instructor、FAA Master Parachute Rigger) |
岡田 直久 (FAA Parachute Rigeer) |
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協力 : | スカイパーク宇都宮 |