1月24日(木) レスキューレベル2更新研修会 関西

 2010年にレスキュー制度が始まって初めての更新講習会になりました。最初の検定会で学んだことからトレーニングや知識を増やしたかが興味深いところでもありました。
 前日に半谷顧問から助言をいただき今回の課題が決まり当日発表しました。課題は少々難問ですがしっかり学習していればできるはずです、、、みなさんを信じて講習開始です。
 朝8時半には全員準備完了で、初めに教育部部長の岡田氏のお話から始まりました。実際の救助現場での話しからレスキューレベル3まで受講してやっと救出→搬送で完結するということでした。
 なぜならば、助けに行く現場はほとんどの場合山中ですし、怪我をしていた場合の搬送まで知っておかなければどうしようもないからです。もちろん、そんな状況にならないようにするのが重要ですがなにが起こるか予想できない状況もありますので完璧にしておかなければならないわけです。

 前回と違って、今回は登山から始まります。白地図とGPSとコンパスをもって山の中へ入っていかなければなりません。山といっても受講者のホームエリアではないのでまずは地形を地図から読みとらなければなりません。そしてルートを決めて12~15kgのザックを背負って登山です。だいたい1時間ほど歩いた場所を今回の現場に設定しました。しかし、ルートを見つけるのに時間がかかったことと、やはり体力的なところで30分ほど遅れました。現場に着いたらすぐに木登りを始めます。リードでの木登りですから登る人も大切ですがビレーヤーもしっかりしていないといけません。ここで準備が遅いと全体的に救出も遅れますし、もし要救助者が怪我していたら、、、なんて考えるとスピーディーで正確にしなければなりません。ポイントは、必要最小限の装備をすぐに装着できるようにしておくこと。

 シミュレーション用のライザーで要救助者役の山口さん(びわ湖パラグライダースクール)を宙吊りでセットしました。場所は急斜面。課題は木からそのまま降ろすのではなく、斜面上に救助するというもの。現場に即した対応能力が試されます。もちろんすんなり出来ません。腕力も消耗していきます。トラブルシューティングもあり、全員終わり片付けを終えたころにはちょうど日は沈みました。下山は懐中電灯の灯りを頼りに降りていきます。
 スクールへもどると校長が暖かいコーヒーを入れて待っていてくれました。

 現場はどんなことが起こるかわかりません。そこで使える技術と知識はあればあるほどより安全に救助ができるのです。しかし、そのためには練習をしっかりしておかなければ小手先の技術と知識ではかえって安全なものが危険にさらされてしまうわけです。日本山岳レスキュー協会の認定もでているわけですし、ただ更新講習会で学ぶだけではなく、スクールの現場で練習する環境とサポートしてくれる人を育てるのが大切だと思います。

最後になりますが、寒い中木にぶら下がり続けてくれた山口さんに感謝します。ありがとうございました。
 またこのようなトレーニングに参加されたインストラクターの皆さんからはパイロットに対する愛情をたっぷり感じました。お疲れ様でした。

講師:只野 正一郎(TAKパラグライダースクール)
更新:森 永年(VANスカイスポーツ)
   堀 幸雄(ジャムスポーツ)
   藤田 有希美(びわ湖スカイパーク)
協力:山口 雅裕(びわ湖スカイパーク)