7月に立山でレスキューレベル2検定会が開催されました
今回の受験者は地元パイロット1名です。
朝8時に集合。ブリーフィング後、目標地点を記したUTM地図を受験者に渡して位置確認、目標地点へ向け出発しました。
ナビゲーションはGPSに加え、受験者所有の「Cパイロットプロ」も使用してみました。ややかさばるものの、大きなマップは詳細まで判りやすい印象でした。目標地点までは問題なく到達して、引き続き、第2目標地点へ。救助検定を行う現地には10時15分到着しました。
小休止後にロープ設置作業を開始です。
今回、受験者とは応用課題「要救助者をチロリアンブリッジで水平移動後、地上に降ろす」、「急斜面に宙吊り状の要救助者を上部からの懸垂下降により救助する」等を、今春以来行ってきた経緯があり、今回は基本動作の再確認を特に重視させて頂きました。また6月のエリア安全講習会において「宙吊りからの自己脱出」はビデオ撮影も終了していたので省略としました。
ロープの設置については「宙づり用ロープ2本」と「救助用チロリアンロープ1本(樹上)」を同時にセットする事として、まずは、リード&ビレイで2本の木を登りました。木登り&ロープ設置は素早く終了。
続いて救助1回目開始。
救助に際しては、前回感じた「要救助者への配慮が欠けていた」ことにも留意して、要救助者のビレイを的確に行い、素早く合流することをチェック。
宙づりをセットアップして「宙づりからの救助(カウンターラッぺル)」で基本動作を確認しました。結果、スムーズで安心感がありました。
2回目は配置したチロリアンロープをユマーリング登高してのロープ張込みを行い、チロリアンでの救助(カウンターラッぺル)を実施しました。受験者とシステムを再確認してからユマーリング開始。チロリアンからの救助は初でしたが、これも問題なく終了しました。
完了後は使用した装備を一旦全て回収し、休憩&昼食。
日中は富山市で36℃!かなりの暑さとなり、熱中症にも注意しました。
昼食後は、主なロープ結びについてのレクチャーと再確認。
そして実技を再開。
午後は木登り中のリード墜落とその確保について実施しました。
まずは検定員がリード中の墜落、受験者確保とし、支点が足元を越えてからの落下。確保実技を実施しました。
交代して受験者は墜落体験を行いました。
リード&ビレイと墜落にあたっては、装備の確認、ギアの正しい装着、支点のセット、互いの信頼感などを再確認。基本動作確認の締めとしました。
検定は以上で終了です。
トラブル無く検定会を終えましたが、夏場の行動では暑さ対策を含め、大きく体力を消耗する可能性があります。ギアの正しい理解と取扱いや、安全なシステムの構築は勿論、水分補給等の対策も万全に行う必要があります。加えて、要救助者もかなり体力消耗を強いられると想像できます。
山中からの帰還を考えると、救助よりも移動の方が、より心配となります。
実習を終えてスクール事務所へ戻ったのは15時。救助方法についてのレポートを提出して頂き、日程は終了しました。
1名のみの検定で、且つ、経験豊富なこともあり、今回はスピーディーに行えました。また、暑さ対策や地上移動(搬送)等の備えについては再認識できました。
合格:中島 伸也