日本登山医学会 ファーストエイド講習会 レポートその2
レポート:JMB立山 関沢インストラクター
これまでJPAレスキューレベル3更新検定会は、山中での要救助者搬送、岩場引き上げ、チロリアンブリッジの構築等、山岳ロープレスキュー技術の体得を目指し、冬の厳しい環境下での講習会(宇都宮エリアのご協力で)を実施してきました。ロープレスキュー技術については毎年繰り返し行い、経験を積み重ねる事が重要となります。
また、実際の事故では外傷は勿論、昨今の高齢化に伴う心臓疾患や高血圧、そして山岳での低体温症など、応急処置との連動が求められます。
今回、我々は応急措置に目を向け、「日本登山医学会・山岳ファーストエイド講習会」に参加する事と決定致しました。参加者を募ったところ5名のレベル3所持者の賛同を得て、講習会当日を迎えました。
講習会では、山岳遭難に際し、医師の指導によるファーストエイド手順と評価(SSS+ABCDE・Safety Scene Spine Airway Breathing Circulation Disability Exposure)を学びました。
まずは概論、SSS+ABCDEについて、外傷、低体温症・・等の講義を踏まえ、登山行程(平地とは異なる環境下)でのファーストエイド実践(シナリオトレーニング)が、3日間に渡り、出来る限り数多く行われました。
参加者は静岡県警山岳救助隊、航空自衛隊員、防災航空隊員、山岳ガイド、看護師、他。そして講師陣は大城先生他、山岳診療などに携わる山好きな医師。富山県警察山岳警備隊員のサポートもあり、真に充実した講習会でした。
大城先生は「山岳ファーストエイドを学ぶ事により、皆さん自身の安全意識を高めてもらう。同時にこれは全ての登山者にとって必要なスキルで、広く認知、理解されることにより遭難事故防止につながる。それが目標。」と締めくくられました。JPAに於いても同様と感じます。
レスキューレベル講習会の継続開催と同時に、エリアにおけるファーストエイド関連講習、啓蒙活動が、パイロット事故防止意識の向上へ繋がる事と思います。
レベル3更新
上野 陸(エアハート)
大澤 行英(バーズパラグライダースクール)
北 謙太郎(となみのパラグライダースクール)
岡田 直久
関沢 孝之