ホルスト氏とミーティング 7/1(水)

ドイツ訪問の最終日となりました。電気モーターウインチの視察も終えたので、ドイツのトーイング事情に関して、ホルスト氏のパソコンを前に置きいろいろとお聞きしました。すでに、ホルスト氏はリタイアされているそうですが、まだトーイング分野の第一線で活躍されています。様々な経験からのお話しは色々と参考になります。日本でもトーイングが認知されるようになりましたが、それも2012年のドイツ訪問が始まります。その時のDHV・ホルスト氏の協力、様々な資料の提供などがなければ、現在の日本スタンダードを作り上げることはできませんでした。
今日はWasserkuppeのテイクオフにあるカフェでお昼過ぎまでお話を聞くことができました。ミーティング後にフライトできれば・・との予定でしたが思った以上に南風が強く、今日フライトしているのはセールプレーンのみ。エアロトーイングされ飛び立っていくセールプレーンを見上げながら、ここwasserkuppeを後にしました。

これで、今回のヨーロッパ訪問は終了です。今回もたくさんの収穫がありました。レポートをまとめ次第、スクールのみなさまにお伝えさせていただきます。今では、日本でもセーフティートレーニング、トーイングといったものが一般的になってきました。ただ、思えば10年前にはどちらもほとんど日本には普及していなかったものです。JPA設立当初から色々と協力していただいた、ドイツのクラウス氏をはじめ、フランスのデビット氏、そして今回お世話になったホルスト氏にはあらためて感謝いたします。様々な方々に支えられて、今の教育システムがあります。今後もこだわりをもって、この教育システムを発展させていきたいと思います。

JPA教育事業部部長 岡田 直久



電気モーターウインチ視察 ポールハイムにて 6/30(火)

今日はフランクフルトの北に位置する、ポールハイムという町にある滑空場で、電気モーターウインチの視察です。約束の時間にホルスト氏が迎えに来て下さり、1時間ほどのドライブで到着です。現地にはこのウインチを購入したクラブのオーナー、そしてこのウインチの製作者のウド氏が来て下さいました。ちょうど今までのエンジンタイプのウインチと並べて置いてありましたが、そのシンプルなスタイルに驚かされました。トレーラーの上にはインバーター、そしてモーターがあるだけです。そこに電源を差込み、コントロールパネルをつければセット完了。音も静かなので、気づいたらトーイングが始まっていたかんじです。そのオペレーションやウインチを見ながら、ウド氏が説明をしてくださいました。肝心のコンピューターの制御システムはシークレットのようですが、オペレショーンに関する部分はいたってシンプル。数値を設定して、レバーを押すだけです。オペレーションしているという感覚もないほどです。

次にフライトもさせていただきました。日中のサーマルコンディションでしたが、ラフな風も感じないほどコンスタントにトーアップされていきます。今までのエンジンのウインチと比べても、いつも獲得高度では差がでるそうです。気持ちよく、ドイツのフラットランドを飛ばせていただきました。

もちろん、生まれたばかりのこのウインチ、改善すべき点もあるようで、今日もすでに2点改善ポイントが見つかり、ホルスト氏の指摘を受けその場でウド氏が対応をしていました。

今後この電気モーターウインチがドイツのスタンダードになるかどうかはまだわかりませんが、これがスタンダートとなれば、よりトーイングが身近なものになりそうです。








Wasserkuppe 訪問 6/29(月)

 昨日までとガラッと変わって、ドイツ訪問です。朝4時にアネシーを出発。飛行機、電車を乗り継ぎ、ホルスト氏(DHVトーイング部門の責任者)との待ち合わせの町にはお昼前に到着しました。
さて、今日は・・・
 電気モーターのウインチを視察する前日に、ホルスト氏にヨーロッパ最大手のパラグライダースクールに案内して頂きました。場所はフランクフルトから東へ100kmほど行った場所にあるフルーダという町の近く。一面フラットランドの中に、ひとつの小高い丘(高度差は300mほど)があり、丘の上はセイルプレーンの滑空場、そしてパラグライダーのテイクオフが整備されています。ハイキングなどもできるようになっており、丘の上にはホテル、レストラン、売店なども完備されています。アルプスから500km以上離れたこの地にヨーロッパ最大手のスクールがあるとは意外でした。話を聞くと、毎週、新規の入校生が15名ほど、年間では約800名の新入生がいるそうです。クラブに所属するメンバーは1500名。スクールにはショップ、教室、ロフトがあり、パラグライダーに必要なすべてをここで行なうことができます。
 クラウス氏のスクールもアルプスから遠く離れたスツゥツガルトの近くにあります。特に大きな山もなく、近くの牧草地を利用した練習場、そして高度差300mほど山があるだけです。
 どちらにも共通していえることは、高度差がなく小ぶりな山ながら、アクセスがよく、そして初心者にとってのフライト確率が高いことです。もちろん、技術があればソアリングも楽しめます。アルプスのような圧倒的な高度がないので、多くの人にとってパラグライダーが親しみやすいものなのかもしれません。
 今回はフライトの予定はなかったので、現地で機材(講習機)をお借りしてフライトしました。講習機といっても最新のEN-Aグライダーです。希望の方にはこの講習機を中古として販売するそうです。こんな新品の機材で練習できたらうれしいですね!
さて、テイクオフに行くと、すでに多くの人がグランドハンドリングを楽しんでいました。テイクオフは広大すぎて、何百人でもグラハンができます。西向きのエリアということもあり、お昼ごろではまだサーマル活動がはっきりせず、みんな牽制しあっているようです。それでも一人テイクオフすると、何人かがテイクオフ。弱いサーマルを粘りますが、あえなくランディング。スクールのシャトルが巡回しているようで、みんなすぐにテイクオフに帰ってきます。「よし、今度こそ」といった感じでまた飛び立ちます。トップランできたパイロットはテイクオフで待機しているパイロットたちとおしゃべり。そんなフレンドリーな雰囲気がここに人を惹きつけるのかもしれません。なにか今後のヒントを得たような気がしました。
 私もしばしソアリングを楽しませていただき、最終のバスに乗って町に戻りました。昨日まで連日、緊張感満点のトレーニングでしたので、非常にリラックスできた時間となりました。








SIVトレーニングwith Mr.David 6/28(日)

最終日を迎えました。今日はせっかくなので新しいトリックにチャレンジです。ビデオで何度見てもわかりにくい演技も、デビットの説明で明快になります。デビットの誘導があるにしても、自分のイメージがクリアにならない限り、演技はうまくいきません。アクロの3要素、「軌道、タイミング、エネルギー」が明快になったところでテイクオフへ出発です。
西向きの斜面ということもあり、朝早くは追い風ですが、トレーニングのメンバーは躊躇せずテイクオフしていきます。今日は一部で午後から風が強くなる予報がありましたが、そのようなサインも見て取れず、問題なくフライトは進みます。ただ、日曜日ということもありお昼前にはアネシー湖は、パイロットのみならずすごい人です。車、人ともすこしの隙間もありません。やや、集中力を欠きますが、湖上に出ればそんな感覚もなくなり、演技に集中です。
さて、そんなこんなで私は特別に早いペースで飛ばしてもらい、計6本。最終日のフライトを終えました。
すべてを終えて、デビットとディスカッション。様々な有意義な情報交換をし、今回のトレーニングを終えました。最新情報は9月のJPA主催のセーフティートレーニング、そして今後行なわれる様々なセミナーでフィードバックさせていただきます。明日はドイツへ移動です。





SIVトレーニングwith Mr.David 6/27(土)

今日も爽やかな朝を迎えました。7時半から教室では、みなさんエスプレッソを飲みながら今日の課題を決めていきます。全員アクロ希望のため、そのエントリーとしてフルストール、ウイングオーバーは必須となります。もちろん、リアクションとして「テンポ」も覚えなければなりません。デビットのトレーニングは決して無理をせず1つずつステップbyステップです。本人が理解をしていない限り次に進むことはありません。これらの基礎技術をできるにようになったら、SAT、アシメトリックスパイラル、ディープストールといった課題に進むことができます。
参加者のなかにはインフィニティータンブリングをマスターすべく来ている方もいます。どのような課程を踏んでこの課題にトライしているのか聞くことも非常に参考になります。すべての過激に思える演技も、デビットはすべて理路整然と説明をしてくれます。これが参加者にとっては非常に安心感となります。
夕方までにたっぷり飛んで、ビデオ解析。そのような意味もあってこのビデオ解析は非常に価値のあるものになります。
さあ、あすは最終日です。7時半開始です。