JPAで2013年にスタートしたウインチトーイングは今年で3年目を迎えます。すでに10校がウインチオペレーターを配備。ステーショナリートーイングによるスクールを始めています。今回は新たに2名の方が検定会に参加していただきました。
17日は午後から雨の予報。参加者は、すでにトーイングパイロットとして経験豊富なため、ウインチオペレーション実技を優先し、雨が降り出す前に研修スタートとなりました。
使用するウインチ機材はJPA承認済の電動ウインチ。まずは、取扱注意点からセットアップ。特に注意が必要となるバッテリーの管理、取扱方法が確認されました。
電動ウインチは繊細なアクセルワークが必要とされますが、それが細やかなラインテンションをコントロールすることを可能にします。アクセルグリップの操作量に対し、どれほどの巻取り力が発生するかのさじ加減は、モーターからの稼働音で判断します。各自、実際にグランドで引っ張られ、モーターが発生する強いトルク実感したらトーアップ実技開始です。
お二人ともにトーイングパイロットとしての経験は豊富。引かれるパイロットの心理を付いた、的確な操縦を見に着けるのに時間はかかりませんでした。パイロットとアシスタント、そしてオペレーター感の無線によるコマンドは手順通りに行われ、トーアップ本数を重ねるたびに効率良く実技をこなして行くのがわかります。
難しい横風でのウインチ操作まで習得したところで、実技の全過程は終了。少人数で効率良く行えたことで、予定よりも早く実技終了となりました。
午後はエアパークCooで教本にそったセオリーを18:00まで集中して講習が行われました。最後に口頭試問による試験が行われましたが、参加者の理解度は高くお二人ともに合格となりました。おめでとうございます。
お二人のトーイングレッスンを取り入れた新たな活躍に期待します。
実技開催場所 茨城県桜川滑空場
セオリー講習会場 エアパークCoo
講師 宮田 歩(アエロタクト)
合格者 前堀 善斗(白馬八方尾根PGS) 扇澤 郁(アエロタクト)
今回参加いただいた伊豆フライトハウスの恩田インストラクターよりレポートをいただきました。大変お疲れ様でした。
JPAパラグライダーレスキューレベル3更新講習会・認定検定会 2/18(水)初日
レスキューレベル3更新講習会・認定検定会がスカイパーク宇都宮でおこなわれました。
天候は雨、山頂へ近づくにつれ雨は雪へと変わりこれ以上にない悪天候の中のトレーニングとなりました。
集合は8時でしたが7時半には全員が集まり、定刻より少し早くスタートです。
今回は元富山県警山岳警備隊員であり、現在は日本山岳ガイド協会認定登攀ガイドの肩書を持ち剱岳の山岳ガイドをされている稲葉氏を講師に迎えました。
まずは稲葉氏の室内講習です。アンカーの大切さ、そして1/2、1/3、1/5などのシステムの復習をしました。
いよいよ4人1組の3チームにわかれます。ランディングの周りにある木を使い展張のシステムの再確認をします。滑車とユマールの相性、干渉しないようにするため、つけ方やつける場所も確認。そして実際の救助の時は帰りに要救助者のパラグライダーももって降りなくてはならない時もあります。道具の整理をして不要な道具はおいていきます。
事前に用意して頂いたダミーの丸太70キロをストレッチャーに乗せモノラック乗り場まで搬送。
ここから山の中を引き上げ搬送です。
各チーム1/2や1/3など様々なシステムを使い山頂を目指します。
現場は落石も多く、枯葉の上に雪が積もり滑りやすく、靴や手首から水がしみ体が濡れ体力が奪われます。体力がなくなると集中力がなくなります。技術以外にリーダーシップやチームワークがとても重要です。
今日の最終目標垂直の岩場の上まで引き上げることができたのは、一番声が出ていた1チームのみでした。
日没前に下山し今日のトレーニングは終了とりました。
クラブハウスに戻ってからは各チーム今日の反省会。システムがわからなければ紙に書いて頭をクリアにすることが大切です。明日の打ち合わせ、そしてしっかり休養をとり明日に備えます。
2/19(木)2日目
定刻の7時半前には全員集合し、8時前には山頂へ向けて出発です。
天気は快晴。山は雪が積もって白くなっていましたが気温も昨日よりは高い予報が出ていたため何を着ていけばよいか悩みました。そして昨日より1枚少な目か薄着の服を選びます。
クラブハウスからモノラックのところまで歩くだけで汗ばみますが、なるべく汗をかかないようにゆっくり歩きます。
しかし、山へ入ると葉の上に積もった雪が解けて雨のように落ちてきます。
服のチョイスを誤った人は昨日よりも寒い思いをしました。雪の上に置いたロープはとても冷たく、手がかじかみました。
靴や服のチョイスは非常に重要であると感じました。
残りの2チームも垂直の岩場の引き上げを終え、谷を越えるために展張し、要救助者を空中移動してテイクオフの真下を目指します。
昨日よりも声が出ていてチームワークもよくなっているようです。
その後はテイクオフまでの50メートルの垂直な崖を引き上げます。
アンカーが取れる木が2本しかなく、手が空いている人がサポートにつき一気に引き上げます。
本当はテイクオフからの降ろしもやる予定でしたが、時間がなく終了となりました。
クラブハウスに戻ってから反省会を行いました。
アンカーの重要性、出来ることと出来ないことをきちんと見分けること、セルフビレイを一つとるにしてもきちんと次の行程を踏まえてとる事。
今回リーダーでなかった人も、実際にエリアに帰れば自分がリーダーになれなければいけない立場にあります。常日頃から高い意識と緊張感を持ち練習を重ね、いざというとき行動できるようにきちんとした指示が出せるようにしなければなりません。
写真は教育事業部のFACEBOOKに掲載してあります。ぜひ、ご覧ください。
2/18-19の2日間、栃木県のスカイパーク宇都宮でレスキューレベル3の更新研修会、認定検定会が行われます。
レベル3相当の救助が必要となるようなことがなければいい訳ですが、山で営業活動をしている以上、不測の事態に備え、トレーニングをしておくことは当然の事です。先日もレベル3のトレーニングをしておかなければ救助できなかったであろう事例があったばかりです。
今回もいざというとき、セルフレスキューができるよう2日間トレーニングを行います。講師はプロの山岳ガイドであり、Red Bull X-Alpsの日本チームサポーターの経験もある稲葉氏です。