ヨーロッパ研修6/17(火)~グライダーチェック2

 30分のほどのドライブでローゼンハイム郊外のFLY MOREに到着、さっそくミッヒー氏が出迎えてくれました。ここでも年間200機以上のグライダーチェックを行っています。ドイツではパラグライダーのチェックは車検と同じ意味合いがあるので、チェックをしたパラグライダーでなければ保険の対象となりません。このシステムはしっかりとパイロットに根付いています。
 今日はグライダーチェックをどのような行程で行うか、すべてをデモンストレーションしていただきました。グライダーチェックセンターには必ずミシンやスペアのラインを完備しており、その場でチェックおよびリペアができるようになっています。ちょうどスカイダイビングのロフト(工房)と同じような雰囲気です。
 昨日もそうですが、グライダーチェックではラインの強度を重視しています。1~2本のラインを取り出してどれぐらいの強度があるか破断テストを行いますが、もちろん新しく取り付けるラインはその場で作ります。
 今日は話を聞きながらでしたが、1機を完全チェックするのに3時間ほど。行程を見ているとラインの長さの計測はそのほんの一部でしかないことに気づきます。昨日、ウォルフガン氏からたくさん話を聞いた後でしたので、今日のデモンストレーションでさらに理解を深めることができました。時間を作ってくださったミッヒー氏には感謝です。

 終了後、3時間ほどのドライブでクラウス氏のもとを訪れました。ちょうど、雨がやんだところで、「飛びにいこう」とクラウス氏所有のマイクロライトで遊覧飛行。国際線も発着するスツッツガルト空港をローパスしたり、クラウス機長の見事な操縦を楽しませていただきました。

 明日はドイツ最後の訪問日。クラウス氏がセッティングしてくれた3つ目のグライダーチェックセンターを訪れます。



ヨーロッパ研修6/16(月)~グライダーチェック1

 クラウス氏に予約をしてもらった宿はグライダーチェックセンターのすぐそば。キーム湖の近くにあります。今日は年間700機ほどのグライダーチェックを行っているウォルフガン氏に色々とグライダーチェックに関して話を聞くことができました。さすがに経験から出てくる言葉にはすべて説得力があります。せっかくですので、事前に用意をした質問に関してすべて聞かせてもらうこととしました。そんな話をしている傍らでは次々とグライダーチェックが行われ、またパイロットが訪れてはチェックのグライダーを受け取ったり、チェックに出して行ったりしています。
 ひとまずすべての質問が終えたところで「まだ聞いてくれ」とのことでしたので少し休憩をして聞き漏れがないかノートを見直しました。
 クラウス氏からの紹介もあってか、ウォルフガン氏には非常に快く対応をしていただきました。
 ミーティングを終え、空を見上げるとすぐ裏にそびえ立つ岩盤を悠々とパラグライダーがソアリングしていました。

 明日もグライダーチェックセンターを訪問します。グライダーチェックはメーカーの指針の下に、各チェックセンターが独自の方法で行っています。明日もまたどのような話が聞けるのか楽しみです。



ヨーロッパ研修6/15(日)~ENテストパイロット

 予報に反しての曇り空。ただ、晴れると雲も一気に発達しそうです。さっそく9時半のゴンドラに乗車して標高2000mにあるテイクオフへ。JOKEはテストの準備を入念に行ってからフライト。私も続き、空中から仕事を見学させていただきました。私もテスト機で飛ばせてもらったのでフライト後はそのグライダーに関して意見交換。思ったより早めに風が強くなりそうなので、2本目は低高度のテイクオフへ。再度、いっしょに飛び色々と見せてもらうことができました。
 彼は認証テストが本当にパイロットのためのものになっているのか、不安を抱えながらテストを行っています。そしていい方向性を出そうとオリジナルのテストも行い、メーカーにフィードバックを行っています。テスト機関は少なからずメーカーのために、メーカーはパイロットのために・・安全で楽しいパラグライダーの環境をみんなで守らなければなりません。
 今回、5年ぶりの訪問でさらに友好を深めることができ、大変意義のある2日間となりました。
 さて、オーストリアでの活動はこれにて終了、明日からドイツです。クラウス氏の組む予定はいつものことながら完璧です。



ヨーロッパ研修6/14(土)~ENテストパイロット

 滞在先のGreifenburgを出発、5時間のドライブでSchrunsに到着です。途中、ラジオから“ボンジョールノ”とイタリア語が聞こえてきたので??と思いましたが、途中2時間ほどイタリアを走っていました。
 SchrunsはアカデミーのテストパイロットJokeのホームタウン。今回は5年ぶりの再会を果たしました。あいかわらず飛ぶことへの情熱はすごく、飛べる限り飛んではテストを行っているようです。彼はENの認証テストを行うだけではなく、メーカーのテストパイロットとしても活動しています。今日も飛べればすぐに飛ぶはずでしたが、午後からどうも大気が不安定なようです。フライトは諦め、インタビュー開始。率直に疑問に思っていることなどを聞いてみると、1つずつ丁寧に答えてくれます。時には個人的な意見と言うことを前置きしながら、時にはこれは公式な見解ということを付け加えながら・・・。
 2時間休みなく話してくれて、思い出したように「宿どうする?」。そういえば、急きょ一日繰り上げての訪問でしたので取っていません。それでも小さな頃から暮らす地元、1本の電話ですぐに宿を確保してくれました。
 明日はいっしょに飛びながら、EN認証テストの現場を探ります。「グライダー用意しておくから、お楽しみに」、吹き荒れていた風も明日に向け幾分収まってきたようです。