4月19日(土)
昨日の雷雨で非常に雲底の低い朝となりました。それでも8時半には予定通りホテルを出発、テイクオフに向かいました。すでにたくさんのお客さんがお待ちです。準備を進めながら、テイクオフ前のガスが晴れるのを待っていると、準備完了と同時にランディングが見えるようになってきました。アフリカの灼熱の太陽が復活です。今日もタンデムパイロットはフル稼働。休むことなく飛び続けます。週末のせいか昨日以上にお客さん、観客の方は多く、テイクオフに入るのも一苦労です。
午後になるとやはり雲が急速に発達しだします。テイクオフしてなにか異変があれば、ビッグイヤーで合図することになっていますが、どうやらそれはなさそうです。結局、雲は発達しすぎることはなく、今日8本目のフライトはアフリカの大地に沈む夕日を見ながらの極上のソアリングを堪能!心に残る最高の1本となりました。
最後のパイロットがランディングするころにはすっかり日も暮れました・・・、80本以上のタンデムフライトが行われたみんな大満足の一日となりました。
4月18日(金)
フェスティバル初日。昨晩の雷雨で雲底は下がってしまいましたが、気温の上昇とともにフライトには問題ないコンディションとなりそうです。9時にはバスに乗り込みテイクオフに向かいます。期待されていたテイクオフの拡張整備はされておらず、2機並べて広げるのは難しそうです。あとは良い風が吹くことを願うばかりです。
コンディションがよくなれば、すぐにでもフライトしたいところですが、昨日の続きで今日もオープニングセレモニーがテイクオフ横の広場で行われました。観光文化省の大臣もお越しです。ちょうど、大臣の開会宣言が終わるころには青空も見えだし、グッドタイミング!テイクオフに戻るとすでにたくさんのお客さんが待っていました。とはいえ、昨年の倍の人数のタンデムパイロットがいますのでまだ気が楽です。
オープニングのフライトは私からさせてもらいました。ガーナの民族音楽の生演奏とたくさんの拍手を浴びながらのフライトはここでしかできない体験です。テイクオフの風はややトリッキーですが、順調にフライトは続けられます。ちょうど2本目に上がると、14番目のパイロットがテイクオフ。どうやら効率は良さそうです。
昼過ぎから周辺では雲が発達しだしました。警戒をしながらフライト続けましたが、15時すぎでタイムアップ。私は最多の4本をフライト。1時間後には物凄い雷雨となりました。雷雨の規模はアフリカ級、おとといの雷雨ではテイクオフのある鉄塔が倒れたり、ホテルの窓ガラスが風で割れたそうです。
早目の決断でだれも濡れずに済みました。初日は無事成功です!
すぐにシャワーを浴びたいところですが、水も電気もストップ。復旧するまでコーラを飲みながら、今日のフライト話で盛り上がりました。ここはガーナです。
4月17日(木)
フェスティバル前日。朝にはパイロット全員が勢揃い、8時の出発を空港近くのホテルで待ちました。しかし、ここはアフリカ。時間通りに迎えのバスが来ることはなく、出発は10時過ぎとなりました。マイクロバスには14機のタンデムグライダーそしてアメリカ、フランス、ペルー、スペイン、ベルギーそして日本のパイロットが満載、最大荷重で一路フェスティバル開催地のNKAWKAWを目指します。いまだ、断続的に舗装されていない道が続きますが、昨年よりはまだ良いようです。4時間ほど揺られて到着。確か2年前は7時間近くかかっていました。
到着するやいなや、トラックの荷台にセッティングされた地元子供たちのブラスバンドがお出迎え、そしてそのままそのトラックの後をついてパレードに出発。大音量でのパレードの道中ではたくさんの方たちが笑顔やダンスで歓迎してくれました。
2時間ほどのパレードでオープニングセレモニー会場に到着。会場ではすでにこの地区のチーフ、そして各部落のチーフが伝統的な衣装に身を包み会場でスタンバイ済みです。チーフのあいさつ、そして酒を酌み交わしと順調にセレモニーには進行していましたが・・・空模様が一気に暗転、数分後には土砂降りの雷雨となりました。あっけなくセレモニーはここで終了。照明も、室内の施設もありませんので仕方ありません。
それでも予定通りセレモニーを終えたことで、明日は朝からフライトです。
7回目の開催となるガーナ パラグライディング フェスティバル、私もこれで3度目の参加となります。昨年は直前まで行われるかどうかさえも決まりませんでしたが、今年はガーナ観光局の動き出しは早く、宣伝、タンデムパイロットの選抜、エリアの整備と順調に行われています。
火曜日のお昼過ぎにガーナに到着。いつもであれば、観光局のお迎えがあるはずが・・・忘れられていました。3度目の訪問ともなると多少ガーナの状況にも慣れており、慌てることなく対応、30分後には見慣れたトラックに乗っていました。
到着後は観光局にあいさつに行ったり、続々と到着するパイロットたちと合流し買い出しなど。木曜日の朝には全員集合、フェスティバル開催地のKwahuに向かいます。
レポート:藤田 有希美(びわ湖スカイパーク)
今年も6回目となる春恒例の京北安全講習会の開催です。JPAから岡田教育部長にお越しいただきました。本日は残念ながら雨模様でフライトできる可能性はなく、たっぷり机上講習となりました。
今年のテーマは「2014傾向と対策」です。
現在のグライダーは10年前とは比べられないほど高性能な物になり、夢の大空がより近くになりました。もちろん大空に魅せられた私達はさらに高く、そして遠くへ飛びたいという気持ちは大きく膨らみます。その夢を実現してくれる最新のパラグライダーに胸を躍らせた方も多いと思います。ただ、その中で新たなアクシデントパターンが発生しているのも現実です。
教本はJPAが発足した当時のEN-A、Bのグライダーの性能に基づいて場周アプローチのルールが出来ています。現在の高性能パラグライダーでは大きな違いがあり、そこに合わせることは大変難しいものになります。ソアリングは上手く出来ても、テイクオフとランディングが不安定になるのは以前の性能とは異なるからです!高性能がゆえに今までにない特別なコントロールが要求されます。高性能のグライダーを今までと同じように扱っていては無理が生じてくるのです。夢の大空でハッピーランディングにつなげるにはグライダーに頼っているだけでは出来ません。
今回の講義はリアルな映像でのアクシデント事例に基づき、その原因を分析した結果を解説していだきました。そして6項目の対策を説明いただき、理解を深めました。最後に特に重要なランディングアプローチに重点を置き、新たなアプローチトレーニングの提案です。京北エリアのランディングを想定し具体的な手法を解説いただきました。スクールでも課題にしていきたいと思います。
今後パラグライダーの性能はさらに向上していくでしょう。私たちはその性能と操作方法を理解し、常に向き合っていかねばなりません。新しい知識と技術を身につけハッピーランディング目指しましょう!
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
主催:スカイエリア京北
協力:日本パラグライダー協会