インストラクターセミナーin韓国 10/29(火) パラグライダーレスキュートレーニング

 セミナー2日目スタートです。昨日のメンバーも入れ替わり、これから金曜日までは主にこれからインストラクターを目指す方が対象となります。今日のセミナーは終日、パラグライダーレスキュートレーニングとなります。8時すぎには研修室に集合し、さっそく講義からスタート。極力、実技の時間を長く取りたかったので、早々に1階のジムに移動。まずは道具の使い方を説明、そして自己脱出、懸垂下降のデモンストレーション。
 みなさんほとんどの方が、このような道具を使うのが初めてでしたので、デモは説明をしながらゆっくりと実施。イメージが出来上がったところで3カ所に分かれて実技開始です。実際にぶら下がると緊張感は高まり、みなさんの顔つきも変わります。地上にいる方たちの安全管理も大切です。懸垂下降は、地上練習した後に天井まで上がり、15mほどの高さを降りてみました。施設を有効に使いながら、お昼までに予定の課目を終了。
 今日もお昼は30分で済ませ、すぐにフィールドに出ました。ここからレベル2。まずは木登りから。ビレイヤーと登高者2人一組になって3カ所で同時に開始。秋らしい爽やかな陽気でしたが、慣れない作業にみなさん大汗をかきながら登っていきます。初めは、ビレイがなくなってしまうような状況が生まれてしまったりしましたが、少しずつ修正をしながら徐々に形になっていきました。地上に降りてきた方たちの安堵の表情が印象的でした。全員が木登りを終えたところですでに16時前。全員にレベル2のレスキューをしてもらいたいところでしたが、お手伝いをしてもらいながらデモを行い終了となりました。機材の回収を終え、研修室に戻るころには日も暮れていました。



インストラクターセミナーin韓国 10/28(月) ヒューマンエラーセミナー&パラシュートセミナー

8時前にはインストラクターのみなさんが続々とエアフォースアカデミーに到着。出入りが自由ではない施設のため、待合室に全員集合したところで、会場内へ移動。予定を超す64名のインストラクターの方たちが参加です。顔なじみの方も多く、たくさんの方に声をかけていただき、緊張も多少和らぎました。
 まずは、ヒューマンエラーセミナーから。実技のないセミナーのため英語で話し続けなければなりませんが、通訳をしてくれるセイ・ヤンとはコミュニケーションも十分に取れているので心強いです。また、事前に「JPAヒューマンエラーBOOK」を翻訳してくれているので内容を理解してくれています。
 8時半セミナースタート。まずはなぜJPAではこのヒューマンエラーの分野に取り組みを始めたのか、そしてヒューマンエラーの概論を過去の例を挙げながら話を進めました。1つ目のコンテンツを終えたところで次へ。3つ目のコンテンツを話すころにはやや時間が押し気味となりましたが、なんとか最終頁を迎えることができました。セミナーは途中でつまずかないように、使う言葉を明快シンプルに心がけたことでみなさんにも伝えたいポイントを理解していただけたようでした。
 日本も韓国も、事故、保険、ビジネスと抱える事情はいっしょです。なぜ、セミナーのスタートがこの課目だったのか、それはその重要性を考えれば明らかです。
 セミナー終了後、韓国の事故調査をされた方が、政府の事故データをもとに韓国の事故解析。なにかと話はリンクするため、このヒューマンエラーの考え方は早くも浸透していくことができたようです。
 アカデミーの食堂で昼食を済ませ、次のセミナー「パラシュート」です。今回は研修室、開傘トレーニング、リパックを行えるジムが一ヵ所にまとまっているため、大人数の移動もスムースです。セイ・ヤンが未来のパラグライダースクールの形を具現化しただけあって使い勝手は最高です。
 まずは研修室でリガーそしてインストラクターそれぞれに必要な知識を一通り説明させていただきました。このあとの実技をするにも事前の予備知識が大切です。そしてその後、1階のジムへ移動。開傘トレーニングを実施。数名の方に行ってもらったことでまさに百聞は一見にしかずとの結果になりました。
 そのまま、その投げたパラシュートを使って、パッキングのデモンストレーション。どのように開傘するかということをイメージしてもらいながら順番にパック。一通り終えたところで、今度は希望者からリパック開始。10カ所ほどで同時にリパックが行われる光景は壮観でした。限られた時間でしたが、多くの方に実技を行っていただくことができました。最後にロガロタイプをパックし実技は終了となりました。
 最後に研修室で総括。参加されたインストラクターのみなさんには立派なディプロマが手渡されました。



インストラクターセミナーin韓国 10/27(日) 準備日

明日から11/1までの5日間、韓国にて、インストラクターセミナーが開催されます。今日はその会場となるエアフォースアカデミーで、韓国の教育事業部長セイ・ヤンとともに準備を整えました。1階ガレージはパラシュートの開傘トレーニング、レスキュートレーニングなど十分に行えるほどの広さを持ち、さらに2階は100名近くが収容できる研修室となっています。さらに隣には高度差100mほどの講習会場があり、モノラックも装備されています。さすが国の施設です。
さて、JPAでは3年前に韓国ハングパラ協会から依頼を受け、パラグライダーレスキュートレーニングを開催しましたが、今回はそのレスキュートレーニングに加え、ヒューマンエラーセミナー、パラシュートセミナーを行います。まずは初日となる明日、ヒューマンエラーセミナーからスタートします。
「JPAパラグライダーヒューマンエラーBOOK」はすでに韓国語訳されており、明日インストラクターのみなさんに配布されます。

主催:韓国ハングパラ協会
   セイ・ヤン(KHPGA教育事業部長)
講師:日本パラグライダー協会
   岡田 直久(JPA教育事業部長)



2013セーフティートレーニング・神崎 10/20(日) 2日目

                  レポート:藤田 有希美(びわ湖スカイパーク)

セミナー2日目、一日中しっかり雨予報となりましたが、飛べるコンディションを狙って朝8時からセミナー開始です。昨日のビックマヌーバーの復習からさらに旋回の入った本日の課題は、ハーネスセッテングから紐解きます。カスケードが起こる原因の一つにハーネスセッティングが指摘され、どんなときでもコントロールの出来るセッティングを学びます。毎回、新たな定義を提供されるこのセミナーは今もなお進化し続けているのです!!!

ここで実技へ行く予定の時間になりましたが、あいにくの小雨はまだ止まず。とても残念ですが異常飛行の理解Part2フライトは断念となりました。実技が出来ない分、ビデオ解析に集中でき、各自の課題が見えてきました。

そして最後に、今回のマヌーバーは「体験フルストール」で終わるのでなく、翼の動きを理解した上で次の判断につなげる貴重な体感として理解を求めました。理論、現象はあくまでも安定した気流での話です。飛ぶときの実際の環境は不安定な状況が多くあります。この違いを理解し、気流の変化に敏感にならなければいけません。そして機材の進歩もすばらしいものがあり、新しい機材で変わる事象も発生しています。常に新しい情報を取り入れ、回復動作の考え方はそのときの状況により変化があることを理解し、安全で楽しいフライトに繋げてください。

ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。また、セーフティートレーニングにご協力いただきました舞鶴神崎フライトエリア同好会、バーズパラグライダースクールを始めスタッフの方々にお礼を申し上げます。

主催:日本パラグライダー協会

エリア:京都府舞鶴神崎フライトエリア

参加:
向田 祐樹  寒風山 パラグライダースクール
小嶋 孝司  びわ湖スカイパーク
林 宏和   エアパークCOO
杉岡 洋    TAKパラグライダースクール
呑村 勝元  スカイパーク宇都宮
田渕 憲志  スカイ獅子吼パラグライダースクール
千葉 恵   サンライフパラグライダースクール
山口 新吉  H.G.C MAPS
吉川 朋子  スカイパーク宇都宮
西条 公啓  エアパークCOO
及川 裕孝  H.G.C MAPS
荒金 正之  びわ湖スカイパーク
飯田 剛成  びわ湖スカイパーク
鈴木 孝世  H.G.C MAPS
小野 晶子   スカイトライ
泉屋 陽子  スカイ獅子吼パラグライダースクール
篠原 豊   スカイパーク宇都宮
中藤 俊一  JMB中部パラグライダースクール
平田 満則  JMB四国パラグライダースクール
有吉 節子  SSAスカイスポーツ振興会
松尾 眞也  SSAスカイスポーツ振興会
黒木 紀章  白馬八方尾根パラグライダースクール
宇野 太佳雄 ジャムスポーツパラグライダースクール
北島 輝了  タートルズパラグライダースクール
杉川 浩光  エアパークCOO

*敬称略

インストラクター:
扇澤 郁(アエロタクト)
山口 雅裕(びわ湖スカイパーク)
藤田 有希美(びわ湖スカイパーク)
大澤 真里(バーズパラグライダースクール)
岡田 直久(JPA教育事業部長)

サポート:
中川 延弘(舞鶴神崎フライトエリア同好会)
太田 彰夫(バーズパラグライダースクール)
近藤 隆夫(びわ湖スカイパーク)

協力:
村上 貴是(舞鶴神崎フライトエリア同好会 会長)
舞鶴神崎フライトエリア同好会
びわ湖スカイパーク
バーズパラグライダースクール
東神崎漁業組合



2013セーフティートレーニング・神崎 10/19(土)

2013年、今年も舞鶴にある神崎エリアで行われましたセーフティートレーニングは、例年にない台風の影響を受ける中での開催になりました。一週間ごとに発生する台風は勢力も大きく、大きな被害を出しているところも少なくありません。ここ舞鶴のエリアも台風の爪あとが残る中、エリアスタッフの多大なるご協力の下、今年も無事に開催させていただくことが出来が出来ました。

初日朝から小雨が降る中、全国からたくさんの方が集合します。
お昼にはお天気回復予報が出ているので、講師の挨拶後、早速セミナースタートです。

今年はなんと言っても初参加の方が多く見える一方、リピーターの方は半数を数え、このセミナーの定着感が伺えます。セミナー内容は基本技術の一貫しているところと、さらに技術、話術、膨大なデータの数々が新しいセミナーを作り上げています。ニューフェイスの方にはわかりやすく、リピーターの方には基本に返った技術のコントロールから全てのマヌーバーに通ずる認識の再確認。そしてビックマヌーバーのトレーニング内容へと時間いっぱいまで続きました。いつものことですが、不安でいっぱいの面持ちから一転、やる気でいっぱいになる参加者のみなさんを見ているとセミナーの充実性が伝わってきます。

10時過ぎより実技に向けテイクオフへ移動。雨は止んだもののしばらく裏風でフライトが出来ません。みなさんはイメージトレーニングを繰り返し行います。ここでも講師がそのイメージを明確にするため時間が許す限り講義が続きます。お昼前から徐々に裏風が収まり、海上の救助部隊とランディング体制も整い、いよいよフライトスタートです。それぞれが明確なイメージを作り上げ、どんどん繰り広げられていくマヌーバーの数々。テイクオフまでの道中40分の疲れも感じさせないほど意欲的なフライトが繰り広げられました。
一人3~4本のフライトが出来たころ、日没となりフライトは終了。

戻ってからも時間を余すことなく本日のビデオ解析と講義は続きます。一人一人が出来なかったことや、疑問など即座にフィードバックし、次へのフライトイメージを明確にしていきます。また、マヌーバーに必要なハーネスセッテングも時間をかけて見直し、夜遅くまでパラ談義に花を咲かせ、明日へのフライト準備を済ませました。