アシスタントインストラクター養成研修会・2日目 4/24(水)

 雨のスタートとなりました。はじめに、昨日行えなかったフライトテクニックに関する講義から。「アプローチ理論」はやり直しのきかないアプローチ、ランディングをどのように指導し、教えていくことが良いのか・・・そんなことを考えながら2時間ほど講義をしました。そして次に空中での技術、「アクティブ操作」。空中での練習科目はその目的・方法・注意点を明確にする必要があります。とかく一番大切な「目的」がボヤけてしまいますと、その練習をしている意味そのものが薄れてしまいます。まずは教える側がしっかりと認識しなければなりません。あっというまにここですでに12時を大幅に回りました。昼食は今日もサッと済ませ、午後の部開始。模擬試験です。学習能力を上げるには聞くだけではなく、書く、読むことが非常に重要です。答え合わせが終わるころには、ちょうど富士火災の山本さん、谷田理事がお見えになりました。雨の中お越しいただき、ありがとうございます。

 15時から予定通り「保険」に関して。保険の内容、過去の使用例、そして事故が起きた場合の対応など、お2人のトーク、みなさんとディスカッションであっというまに予定の2時間が過ぎました。この素晴らしい保険を守るためにも、私たちインストラクターは頑張るしかありません。
 終了後はその流れで「ヒューマンエラー」。これを書いてすでに5年が経過しましたが、このような概念的な内容は変わることがありません。細分化された事故要因を正しく理解し、すぐに気づくことが私たちには求められます。
 19時前に講義はすべて終えましたが、今日は宿題つき。明日の朝、みなさん発表となります。あと一日頑張りましょう。



アシスタントインストラクター養成研修会・初日 4/23(火)

今日から3日間、茨城県エアパークCOOを会場に「アシスタントインストラクター養成研修会」が行われます。インストラクター志望の方たちが朝早くからエリアに到着。余裕をもって8時半に研修会をスタートしました。
 明日は悪天候が予想されるため、さっそくこの養成研修会のスケジュールを説明したところですぐに講習バーンに移動しました。「テイクオフ」の指導法を講習するところでしたが、多くの時間は「テイクオフ」の練習となってしまったのはいささか残念でしたが、それでもみなさん意欲的で、教本の本質を理解すべくお昼まで練習、ミーティングを繰り返しました。
 研修室に戻ると、佐藤理事に撮っていただいたビデオを見ながら解析。ビデオ解析の有用性を含め、午前の総括を行いました。
 お昼休みは手短に。午後は植木理事から「JPAの組織に関して」の講義。JPAとは?経緯、歴史、活動・・・とわかりやすく説明していただきました。「JPA」を理解をしたうえで私たちインストラクターはなにをすべきか見えてきたのではないでしょうか。
 3時間目は佐藤理事の「エリアの安全管理」に関する講義。エリアを安全に運営するために危険を理解する。では危険を理解するとはどういうことか・・・段階的にまとめられた講義でその内容はみなさんにハッキリと伝わったのではないでしょうか。

 講義はショートタイムの休憩をはさみながら、次から次へと続きます。どの科目もそうですが、指導者はそれらの本質を知っていなければなりません。ワークブック、パラグライダー教育学、レスキューブック・・・はじめは表面的な理解にとどまってしまいますが、繰り返し「なぜ、そうなのか?」ということを考えながら勉強、練習をするなかでそれは見えてくるはずです。
 パラグライダー教育学の講習を終えたのは19時すぎ。明日も一日様々なカリキュラムが用意されています。



第5回京北安全講習会 4/20(土)

レポート:藤田 有希美(びわ湖スカイパーク)

 今年もJPAから講師をお迎えし安全セミナーを開催しました。毎年テーマを決めて行っていただいているセミナーも今年で五回目になりました。

 近年、グライダーの進化は目覚ましいものがあります。より高く、より遠く、より安全な、まさに夢のグライダーが続々と出てきています。しかし、飛ぶことばかりが当たり前のように先行してしまい 高性能になればなるほど、狭い日本でのランディングアプローチが難しくなることや、グライダーコントロールが変わっていることは重要視され、、、、
事故の検証結果もグライダー操作ミスであったり、性能に合わせたコントロールができていないものが多くなっています。本当の意味の安全意識が置き去りにされてしまった気がします。

だからこそパイロットもそれに対応するため操縦技術も変えていかねばなりません。また積極的に技術を学んでいかねばなりません。今回はそれを勉強するための安全講習会となりました。

 今年のレクチャー内容は最近のアクシデント事例をもとに行われました。沢山のデーターから起こり得るアクシデント等を解析、リスクの理解を深めていきます。また、上昇気流時、下降気流時のグライダーコントロールの違いも学習です。そして本日の実技課題の旋回を説明いただき実技のイメージを作っていきます。

 お昼からいよいよフライトスタートです。
はじめは「旋回って、簡単だろう。いつもやってるし。」と言う思いはあったようですが、、、、普段は旋回やバンク維持を意識しながらグライダーコントロールをしてることは無かったようでいつもより丁寧に丁寧に旋回導入やバンク維持を心がける皆さんです^^ おのずと、グライダーコントロールも以前とは変わってきます!課題を持ってフライトするところによい結果が見え、安全なグライダーコントロールが身に付いていくものですね。

 予定より早く雨が降り出し1~2本のフライトで終了となりましたが、直ぐにショップに戻って参加された方それぞれが岡田講師からフィードバックを受け、自分のウィークポイントを明確にしました。これを克服することによって皆さんの今後の安全フライトに繋がっていくでしょう。このような意義の有るセミナーを行っていただいた岡田事業部長には心よりお礼を申し上げます。

主催:スカイエリア京北
協力:日本パラグライダー協会



インストラクター更新研修会 4/17(水) スカイ獅子吼(石川県)

 前日の天気予報では、前線通過に伴いフライトや講習バーンなど外での研修は無理だと予想された。

 しかし、迎えた当日の朝は穏やかで外での実技研修ができそうな風。夜中から朝方にかけて強風が吹き荒れていたので、どうやら前線は予報よりも早く通過してくれたようだった。エリアのフライヤーやビジターが穏やかにフライトする中、研修参加者の皆さんと講習バーンへと移動。

 未だ無くならないテイクオフでの事故。事故はゼロにはならないかもしれないが、限りなくそれに近づけたい。もう一度、基本技術を徹底的身につけることで多くの事故は未然に防ぐことができるのです。まずはインストラクターがそのことを再認識し、さらに講習生に効率よく負担をかけずに身につけさせる指導方法を研究していくことが必要です。
その一つのケースをJPAから提案し、実際に体験していただきました。参加して頂いたみなさんはその有効性や発展性を感じて頂けたようで、今後のスクーリングに大いに役立てて頂けそうです。

 午後は事故の話や、最新の機材に関する理解を深めておくことの重要性などについての室内研修となりました。

 インストラクターは常に自分自身の技術や知識、情報を更新していくことが必須です。そして、午前中に行なった実技研修のように様々な方法を用いてそれらを講習生に伝えていただきたいと思います。

 これからすぐに暑い夏がやってきます。そんな時こそ、効率よく短時間集中で練習できるような環境や方法を考え、講習生の方々が積極的に練習したくなるようなスクーリングをしていきましょう。

会場:スカイ獅子吼パラグライダースクール

講師:前堀 善斗

インストラクター更新:
   植村 克政(JMB富士見パノラマパラグライダースクール)
   小林 大介(パラグライダースクール京北)
   小宮山 雄二(オオマチスカイサポート)
   清水 寛之(スカイブルー八方尾根パラグライダースクール)

協力:スカイ獅子吼パラグライダースクール



パラグライダーレスキューレベル2更新研修会 4/16 立山(富山県)

 朝8時、開会式&ブリーフィング。3名×2班構成をして地図を配布。目指す山上の第1目標ポジションを伝達しました。即時、準備作業を行い1班はそのままスクールから、2班は車で移動して極楽坂下部からの出発としました。長い1日のスタートです。
 
 山には残雪もあり「今年は初めて雪の上を歩いた」方もみえました。UTMメッシュを書き込んだ地図で目標地点の目安をつけ、エリアがスキー場ということで目標物(リフト)や作業道を利用してスムーズに移動できた様です。GPSナビゲーションは皆さん慣れた感があり、第1目標到達へは難なく到着。そしてデジタル無線により第2目標ポジションへの移動開始を連絡し、10時20分には2班共にレスキュー実技を行う第2目標地点に到着しました。

 小休止後、まずは宙づりセットのロープ設置作業。2人組、リード&ビレイで木を登ります。ロープ設置後、ダミーウェイトを乗せたハーネスを引き上げて、2組の宙づりをセットアップ。再度、3名の2班となり救助開始です。
設定は「要救助者と合流したものの、真下へ下ろすことは出来ない。そのまま(樹上から)20m程離れたポイント上へチロリアンブリッジでの搬送を行い、地面に下ろす」としました。

 不慣れからくるアイディアの出し過ぎもあり、救助方法の段取りにかなりの時間を費やし、また、複数のロープ配置にやや混乱して、システムの確立もスムーズには運びませんでした。1回目の救助には2時間以上を費やす結果となりました。

 しかし、大きな問題点は「要救助者への配慮が全く欠けていた」ことで、出来るだけ早く要救助者と合流し速やかに安全を確保すると共に、要救助者に安心感を与える事が重要だという事です。また、班員3名が自分たちの救助システムを同様に理解し出来ていたのか?も疑問です。チーム内では決して誤ったイメージを持ったメンバーが居ない様、打ち合わせ時にはメモを取ったりすることも重要です。

 完了後は使用した装備を全て回収、救助者の配置と移動させる目標ポイントを変更して2回目の救助に取り掛かりました。

 さらに3回目は宙づり幅を倍以上に変更、同様の救助を行いました。
 
 2回目、3回目は要領を得て時間は短縮できました。しかし、疲れもあったせいか、勘違いからのミステーク、力技による無理な動作もみられました。結果、大きなトラブルこそ無かったものの、より体力を消耗する事となり、ギアの正しい理解と取扱いや、安全なシステムの構築については今後の課題となりました。

 3回の実習を終えてスクール事務所へ戻ったのは17時半。各班で、今回、自分たち行った救助方法についてのレポートを提出して頂き、日程は終了しました。
今回の研修会は皆さん、何とかこなせました。が、技術的にはシステムの構築は勿論、安全な支点、複数のロープ取扱、荷重コントロールと移動・・個別に考えても沢山の課題があります。また、救助、搬送にあたっては体力も欠かせません。

 (自分も含め)早く一人前になれるよう、やるしかありません。今後も頑張りましょう!

講師:関沢 孝之(JMB立山パラグライダースクール)

更新:後藤 俊文(栂池パラグライダースクール)
   前堀 善斗(スカイブルー八方尾根パラグライダースクール)
   清水 寛之(スカイブルー八方尾根パラグライダースクール)
   大澤 真里(バーズパラグライダースクール)
   佐々木 泰文(ウィンパルパラグライダースクール)
   鈴木 達之(KPSパラグライダースクール)