アシスタントインストラクター、インストラクター更新研修会 2/20 エアパークCOO

JPAがスタートして10年が経ち、一つの目標である「事故防止」は、協会の取組み、各インストラクターの意識改革、そして全てのパイロットの方々のご協力のもと、減少方向に向かっていて、成果を上げていると言えると思います。しかし残念ながらまだ事故は起きています。これを限りなくゼロに向けるべくこれからの10年を進んで行く為には何ができるか?今回の更新研修会の準備は、ここから始まりました。

当日は冬型気圧配置の為、次第に風が強くなる可能性が高く、集まり次第早々にテイクオフに上がるが、既に強い風が吹いているコンディション、実技課目を意味のある内容にするには、空気が動き過ぎるのでフライトは中止し、すぐに室内へ移動して講義となりました。

まずは教育事業部の岡田氏より、基礎とは何か?我々インストラクターとして求めるべき方向、各自がさらに追求しなければならない物について、お話を頂きました。パラグライダーの技術の説明は、色々な方法や様々な言葉で行うことが可能となってしまいますが、これではより複雑になるだけでなく、エラーが発生し易い要因を増やしてしまう事になります。我々インストラクターはよりシンプルに、そして誰にでも分かり易い言葉で、複雑な3次元の動きの説明をすることが求められています。この為にはパラグライダーの基本をさらに追求し、より深い理解を求める努力が必要となります。このように、今回のテーマは基礎をより深く掘り下げて、理解を深めること。そして理解したことを、自分の言葉にして初めて人に伝える事ができる知識となること。そしてその知識の伝え方は相手によって様々であるので、色々な手法も必要になることでした。これらを共に話し合い追求するいい機会となりました。この機会をきっかけに、より深い理解を求めて行けたらと思います。

最後になりますが、自分が知らないということをまず知って、研究して得た知識をさらに検証を繰り返して知恵にすること。これを怠らないでこれからの10年に向けて進んで行けばより事故をゼロに近付けることができると信じて、やって行こうと講義を終了しました。



パラグライダーレスキューレベル3認定検定会・更新研修会 2/14(木)スカイパーク宇都宮

2月14日(木)
 スカイパーク宇都宮・谷田校長のご厚意もあり昨晩はクラブハウスをすべて開放していただきました。おかげさまで、起床してすぐに準備に取り掛かることができました。7時過ぎには装備確認、そして各チームが作戦会議を始めています。8時前にはミーティング開始。今回は特別にエアパークCOO黒川氏より地図の見方を教えていただきました。普段、GPSなどのデジタル装備に頼ってしまいがちですが、基本はやはり地図とコンパスです。その地図の見方を教えていただいたことは貴重な経験となりました。

 9時登攀開始。昨日の最終地点には30分ほどで到着。さっそく目の前に立ちはだかる岩盤を引き上げる準備開始です。引き上げシステムを準備する者、ストレッチャーの引き上げの準備をする者と分かれ、昨日以上にチームワークが取れた動きとなっています。無駄な時間がないということは、=迅速な救助活動ということにつながります。岩盤を引き上げ、さらに立ちはだかる岩盤を攻略するためにトラバースをしたり・・・休むことなく最終地点を目指します。みなさんすでに体力、気力とも疲労困憊ですが、最後のルートが今回の最難関。昨年以上にもろくなった岩場は、すこし歩くだけでも岩が剥げ落ち、「ラック!」という声が響き渡ります。最後の力を振り絞って慎重にルート選び、最後の岩盤の引き上げです。目標時間としていた12時は回ってしまいましたが、集中力を切らさずテイクオフへ到着。ようやくみなさんから安堵の表情がうかがえました。

 ただ、今回はまだ続きます。テイクオフの裏側・北斜面で事故発生と想定し、各チーム、GPS座標を頼りに現場に向かいました。各チームの状況は本部がすべて監視しています。地図を見ながらルートファウンディングをして全チームそれぞれの事故現場に到着。移動本部まで下山をし全員合流したところで、すべてのトレーニングを終了しました。
クラブハウスに戻ってからは再度、ミーティング。厳しいトレーニングに耐え目標を達成できたことは大変うれしいことですが、これに満足せずいかなる時でも出動ができるよう、さらなるトレーニングを6月に行うことを約束し今回の研修会を終えました。皆様、お疲れ様でした。


講師:半谷 貞夫(JPA顧問)
   三苫 育(日本アルパインガイド協会公認アルパインガイド)


レベル3合格:
     北 謙太郎(となみ野パラグライダースクール)
     辻 強(エアパークCOOパラグライダースクール)
     近藤 正哉(スカイパーク宇都宮)
レベル3更新:
    小林 晋(グランボレパラグライダースクール)
    植木 亨(とんとんトンビパラグライダースクール、JPA理事)
    関沢 孝之(JMB立山パラグライダースクール)
    只野 正一郎(TAKパラグライダースクール)
    扇澤 郁(スカイ獅子吼パラグライダースクール)
    上野 陸(エアハート)
    大澤 行英(バーズパラグライダースクール)
    宮田 歩(エアパークCOOパラグライダースクール)




協力:谷田 重雄(スカイパーク宇都宮)
   水沼 典子(スカイパーク宇都宮)
   星 初男(スカイパーク宇都宮)
   黒川 洋一(エアパークCOOパラグライダースクール)



パラグライダーレスキューレベル3認定検定会・更新研修会 2/13(水)スカイパーク宇都宮

2月13日(水)
 前日すべての準備を終えるころ、宇都宮には雪が降り出しました。様々な不安や緊張をかかえ、当日は8時前にはほとんどの方が駐車場で装備確認。レスキュー道具に加え、寝袋、テントなどの準備にも余念がありません。
 そもそもなぜこのようなトレーニングが必要なのか?なぜなら「事故は必ず起きるから」です。ヒューマンエラーブックでも「事故はゼロにすることはできないが減らすことはできる」と書いてあります。ゼロにならなかった際に必要なのは、このようなレスキュー技術になります。インストラクターとして当然持っているべき技術・知識がこのレスキューレベル3ということになります。お客様をスクールに迎い入れる上でも、お客様に対してのマナーとも言えます。ただ、我々にとって厳しいと思われるこのトレーニングも山岳レスキューからすれば「初歩」にしかすぎません。同じアウトドアで活動するものとしてそれは自覚しなければなりません。
 
 8時すぎにはミーティング開始。今回は講師に半谷顧問、そしてアルパインガイドの三苫(ミトマ)氏が加わり盤石の態勢を取ることができました。
今回の趣旨説明を終えると、すぐにチーム編成が発表され、外に出ることになりました。まず、3チームはGPSを使わず、それぞれ違う場所から仮想の事故現場にアプローチ。事故現場には実際のパラグライダーが木に引っ掛かっており、パイロットが救助を待っています。チームごとに救助を開始。救助にはスピードと確実性が求められます。このようなパラグライダーの救助を初めて見る三苫氏からも随時、適確な指示が飛びます。
全員が木から救助を終えたのが13時。ここからいよいよテイクオフに向けて搬送開始です。今回は75kgの丸太をSKEDストレッチャーに梱包し、3人チームを5人チームに編成し直しテイクオフを目指すことにしました。3人より5人のほうが楽そうに思えますが、意志の疎通がないとより難しくなってしまいます。数の優位性が発揮できるかどうかはリーダーシップとチームワークに掛かっています。ヤブ漕ぎをしながら斜面を引き上げ、そして谷にはチロリアンブリッジを張って日没前にテイクオフ到着を目指しましたが、慣れないこともあり大きな岩盤を目の前に今日の作業はここまでとなりました。

 ビバーグも予定をしていましたが、一度ミーティングをしっかりと行いチームワークを確かなものにすることが先決との結論に達し、今日はクラブハウスへ下山です。
 今日の反省は・・・。明日こそテイクオフに引き上げなければなりません。レポートをまとめ、救助方法を見直し、明日の作戦をたて明日に備えることにしました。