パラグライダーレスキューレベル2更新研修会 4/16 立山(富山県)

 朝8時、開会式&ブリーフィング。3名×2班構成をして地図を配布。目指す山上の第1目標ポジションを伝達しました。即時、準備作業を行い1班はそのままスクールから、2班は車で移動して極楽坂下部からの出発としました。長い1日のスタートです。
 
 山には残雪もあり「今年は初めて雪の上を歩いた」方もみえました。UTMメッシュを書き込んだ地図で目標地点の目安をつけ、エリアがスキー場ということで目標物(リフト)や作業道を利用してスムーズに移動できた様です。GPSナビゲーションは皆さん慣れた感があり、第1目標到達へは難なく到着。そしてデジタル無線により第2目標ポジションへの移動開始を連絡し、10時20分には2班共にレスキュー実技を行う第2目標地点に到着しました。

 小休止後、まずは宙づりセットのロープ設置作業。2人組、リード&ビレイで木を登ります。ロープ設置後、ダミーウェイトを乗せたハーネスを引き上げて、2組の宙づりをセットアップ。再度、3名の2班となり救助開始です。
設定は「要救助者と合流したものの、真下へ下ろすことは出来ない。そのまま(樹上から)20m程離れたポイント上へチロリアンブリッジでの搬送を行い、地面に下ろす」としました。

 不慣れからくるアイディアの出し過ぎもあり、救助方法の段取りにかなりの時間を費やし、また、複数のロープ配置にやや混乱して、システムの確立もスムーズには運びませんでした。1回目の救助には2時間以上を費やす結果となりました。

 しかし、大きな問題点は「要救助者への配慮が全く欠けていた」ことで、出来るだけ早く要救助者と合流し速やかに安全を確保すると共に、要救助者に安心感を与える事が重要だという事です。また、班員3名が自分たちの救助システムを同様に理解し出来ていたのか?も疑問です。チーム内では決して誤ったイメージを持ったメンバーが居ない様、打ち合わせ時にはメモを取ったりすることも重要です。

 完了後は使用した装備を全て回収、救助者の配置と移動させる目標ポイントを変更して2回目の救助に取り掛かりました。

 さらに3回目は宙づり幅を倍以上に変更、同様の救助を行いました。
 
 2回目、3回目は要領を得て時間は短縮できました。しかし、疲れもあったせいか、勘違いからのミステーク、力技による無理な動作もみられました。結果、大きなトラブルこそ無かったものの、より体力を消耗する事となり、ギアの正しい理解と取扱いや、安全なシステムの構築については今後の課題となりました。

 3回の実習を終えてスクール事務所へ戻ったのは17時半。各班で、今回、自分たち行った救助方法についてのレポートを提出して頂き、日程は終了しました。
今回の研修会は皆さん、何とかこなせました。が、技術的にはシステムの構築は勿論、安全な支点、複数のロープ取扱、荷重コントロールと移動・・個別に考えても沢山の課題があります。また、救助、搬送にあたっては体力も欠かせません。

 (自分も含め)早く一人前になれるよう、やるしかありません。今後も頑張りましょう!

講師:関沢 孝之(JMB立山パラグライダースクール)

更新:後藤 俊文(栂池パラグライダースクール)
   前堀 善斗(スカイブルー八方尾根パラグライダースクール)
   清水 寛之(スカイブルー八方尾根パラグライダースクール)
   大澤 真里(バーズパラグライダースクール)
   佐々木 泰文(ウィンパルパラグライダースクール)
   鈴木 達之(KPSパラグライダースクール)