水辺でのフライトに関して

これからの季節、海岸沿いや水辺でのフライトの機会も増えることと思います。

安全フライトの一環として、JPAとしましては、通常のフライトの際のツリーランセットの携帯と同様に、水辺でのフライトの際には、救命胴衣の着用を推奨します。毎年開催しているセーフティートレーニングの際には、首掛け式やベルト式など様々なタイプの救命胴衣の使用実績があります。

着水前にハーネスのバックルを外すし、ハーネスで浮かんでいることも可能ですが、これには練習が必要です。もちろん、着水トレーニングを実施することも可能です。定期的にこのようなトレーニングを開催しているスクールもあります。

また、着水に備えて救助体制は整っているでしょうか。スクール、エリア管理としては重要です。

山飛びとは違い、海岸沿いでは強めの風を利用してのフライトが多くなります。風が強ければ強いほど「吹き抜け」「ローター」などの度合いは強くなります。安定した海風とはいえ、注意点を良く理解したうえでフライトすることが必要です。風が強いからグライダーのサイズを下げるということに関しても良く考えなければなりません。

強風時のランディングアプローチの理解も重要です。偏流飛行の有効性は「タンデムフライトブック改訂版」にもわかりやすく記述してありますので是非ご利用下さい。

水辺での事故は過去にも発生しています。過去の事故を無駄にしないよう、取り組みをしていく必要があります。ご協力のほど、よろしくお願いします。ほか、効果的な対策、ご意見などありましたらお知らせ下さい。

日本パラグライダー協会 安全普及事業部


事故対策会議&スクールミーティング


今年も事故対策会議を開催させていただき、全国各地より多くのスクール関係者の方々にお集まりいただきました。
JPAとしての事故対策への取組みがハッキリとした形で現れ、事故減少が実現されています。これも、各スクールの事故対策への真摯な取組みの賜物であると思います。安全教育事業部・普及事業部としても皆様のお力になることができていると実感でき、嬉しく思います。
しかしながら、減少しているとはいえ事故は発生しています。その事故をさらに減らしていくための取組みを続けていきましょう。

今回は、事故データの分析とともに、「海外でのパラグライダーの楽しみ方」や「グライダーズチェック」に関しての理解を深めるための時間をとらせて頂きました。他にも多くの有益な情報をご紹介、ご提案頂き大変有意義な時間となりました。
グライダーは定期的にチェックし、メンテナンスしてあげることで結果的に、長い間良好な状態で使用する事ができます。
「なんかおかしいかな?」と感じてから、その確認をするのではなく、早めにグライダーチェックをし、常に良好な状態のグライダーでフライトを楽しみましょう。

他にも、最近ではスマートフォンの無料アプリを利用した様々な楽しみ方が広がっています。そしてそれらの中には、安全につながるようなものもあります。それらの情報は各事業部からもご紹介させていただきますのでブログ・Facebookなどご覧ください。

今年もフライヤー皆様が、安全にパラグライダーを楽しんでいただけますように。

安全普及事業部 前堀善斗


会場:富士山YMCA

担当:安全普及事業部、教育事業部
講師:前堀善斗、岡田直久、佐藤哲也、辻強、佐藤良太、宮田歩、谷田重雄、関沢孝之(講義順)


LIVE TRACKING24

注目を集め始めているライブトラッキングですが、スクールでの安全管理の面でも非常に有効です。特にこれからの季節、XCフライトが盛んに行われるエリアでは、ぜひ、パイロットにライブトラッキングを効果的に使用していただければと思います。

以下のページでJPA競技事業部の藤野氏が、LIVE TRACKING24の使用方法をわかりやすく解説されています。ご参考にしてください。http://sky.pikaichi.info/livetrack001/


LIVE TRACKING24 を使用してツリーラン救助

 世界の大会で徐々に浸透し始めているライブトラッキング、JPAの競技会においても使用すべく多くの選手のみなさまに試してもらっています。競技会ではレース状況の把握、選手はフライト後のレース解析になどに役立てています。また、このライブトラッキングはパイロットの安全管理にも有効です。今回、実際にライブトラッキングによって困難な救助が迅速に行われましたので紹介させていただきます。

10:33(ライブトッラキングで確認)
1名のパイロットが潰れを回復できず、パラシュート開傘。エリアから見える稜線の裏に消えたため、ツリーラン現場は目視できず。空中のパイロットが無線で呼びかけるが正確なGPS座標を得ることができない。また、携帯電話は圏外のため、通信はできず。
早急に位置情報を確定するために、スタッフがクラブハウスでライブトラッキングのホームページを立ち上げる。すぐにパイロットのユーザーネームから位置情報を得ることに成功。 現場を目撃したパイロットの情報と照らしあわしても、この情報に間違いはなさそうなので、この位置情報をGPSに入力して現場に向かうことを決める。

11:00
現場は、エリアと通信が途絶える可能性がある、さらにアプローチが長い(高度差400mほどを登り、その後高度差200mほどを下る)、ルートは急勾配、足場がもろい、部分的に残っている雪が凍っている・・とうこともありスタッフ3名(全員レスキューレベル3所持者)と現場を目撃していたパイロット1名(救助経験あり)の4名で現場に向かうことに。

12:45 (GPSの履歴で確認)
現場到着。ライブトラッキングの位置情報にはほとんど誤差なし。
パイロットはすでに自己脱出しており地上で待機。スタッフ2名が木に登り、パラグライダー、パラシュートを回収。

13:20 (GPSの履歴で確認)
回収およびパッキング完了。下山開始。

14:40 (GPSの履歴で確認)
下山完了

(総括)
・パイロットがライブトラッキングを使用していたおかげで、位置情報を正確に得ることができた。万が一、パイロットと通信ができなくてもほぼ誤差のない位置情報を入手できることがわかった。

・ライブトラッキングを利用しての救助は初めてだが、その位置情報をGPSに入力することで、ほぼ誤差なく現場に到着することができた。

・今後、ライブトラッキングの使用方法が確立すれば、非常に心強い。すでに、今シーズンのJPA競技会ではGPSつき無線機とライブトッラキングで選手の安全に最大限配慮するが決定している。

・もちろん、その位置情報を正確に使える地図およびGPS、そしてそれを使いこなせるレスキューレベル所持者を中心にチームを編成できたことが救助を円滑に完了させた大きな要因。JPAのパラグライダーレスキューに対する取り組みを最大限に活かすことができた。

・ルート探し、現場を往復できる体力、登山能力、グライダーの回収技術・・どれがひとつ欠けても成しえなかったものであった。場合によってはビバーグ、滑落、機材放置など様々なことが考えられた。

JPAでは今後ともパラグライダーレスキューの取り組みを継続的に行っていく必要があることを痛感した。



位置情報を最後に送信した時間、位置情報を最後に送信した場所(緯度経度-十進法で表示)が記録されている。
地図形式は3D(Google Earth)にも変更可能。