日本パラグライダー協会

会員の皆様からお寄せいただいた「ひやっとしたこと(インシデント)」を分類し、分かりやすくご覧いただけるようにしました。スクール様だけでなく、一般フライヤーの皆様にもぜひご覧頂き ご自身の安全フライトにお役立てください。

ひやっとノートフォーム

偏流強風時のキャノピーの潰れ及びアウトランディング

【発生時間】 14:00~
【パイロットレベル】 エキスパート
【天候状況】 快晴
【風速】 7~8m/s
【状況】 強いサーマル発生
【内容】
サイド強風時のフライト。
テイクオフからランディングに向かってへ偏流飛行していたが、サーマル混じりの中、一時的に強風が吹き荒れ、緊急ランディング目標に決めた場所から150m風下に流され、上空100mで片翼の潰れが連鎖し、高度を落とし、さらに風下の空き地へソフトランディングした。

【考えられる要因】
気象の変化の認識不足。
飛べるという根拠のない自信。


2014/05/11

C3・B3ディセント使用ミス

【発生時間】 15:00~
【年齢】 38才
【性別】 男
【経験年数】 15年
【パイロットレベル】 エキスパート
【年間フライト日数】 ~100日
【天候状況】 曇り
【風速】 3m/s
【状況】 サーマル発生
【内容】
今までぶっ飛びだったコンデションが急に南風のコンバージェンスが発生して風が強くなり、降りてこない状況になりました。
最初はアクセルを踏んでB3ラインを引いて、高度を下ろそうとしたがストールに入ったので、止めて落ち着いてから、アクセルを踏んで、C2ラインと引いてストールに入って今度はツイストしたのでレスキューパラシュートを投げて、道の近くの木と電線に引っかかりました。本人は怪我無し、グライダーとその他装備も大丈夫でした。

【考えられる要因】
B3ディセントとC3ディセントを思い違いをしたようです。よく飛んでいるパイロットでグライダーのラインの問題がある可能性もある。

翼端折り(ディセント)の仕方を明確にする必要がある。グライダーによって引くラインが違うので間違えないように教える。

どのグライダーでできるかできないか(推奨するかしないか)を明確する必要がある。


2014/02/03

空中接触

【発生時間】 11:00~
【性別】 男
【経験年数】 5年
【パイロットレベル】 エキスパート
【年間フライト日数】 ~50日
【天候状況】 晴れ、曇り
【風速】 3m/s
【状況】 サーマル発生
【内容】
テイクオフ前でリッジソアリング中の2機が正面衝突。同空域には10数機ほどがフライト。
こちらのパイロットが相手のエアインテーク付近にぶつかりました。直後、すぐに離れ双方ともパラシュートを開傘し
ツリーラン。

【考えられる要因】
空域はリッジソアリングをするパイロットで徐々に混みあいだしました。こちらの会員には無理に飛ばないようアドバイスしましたが、時折発生するサーマルでなんとか上げようとリッジ帯に留まった。実際はこのような空域でセンタリングするのは難しい状況でしたので、早々に諦めるべきでした。
どちらが悪いとは言いかねませんが、その空域を飛んでいたパイロット全員がそのような意識を持つべきでした。

同じ山に複数のクラブ(またはスクール)があるため、共通の無線での指示ができない。

過去に同じような状況で空中接触がありましたが、ここ数年はなかったのでまさか発生するかとの判断に甘さがあった。

パイロットは向上心が高く、このようなコンディションでも人より高く上げようとの意識が強かった。


2013/12/23

同時進入→ツリーラン

発生時間 : 12:00~
年齢(才) : 45
性別 : 男
経験年数(年) : 10
パイロットレベル : エキスパート
年間フライト日数 : 100日~
天候状況 : 晴れ
風速 : 2m
状況 : サーマル発生
【内容】
アプローチでニアミス。
ベースのライン上でほぼ同高度で、向かい合わせで同時進入することとなり、山側に膨らんだ人が煽られてツリーラン。

本来一方通行の場所ですが、エリアの特性上下りる前に最後のサーマルを探しに行った場合に、反対側から入る事があります。

通常はお互いが右へ避けるようにして、対応していますが、今回はツリーランした人の方が、急に下がってしまい、同高度になってしまったため、シンクのある空域でより右(林側)へ避ける事となった。
【考えられる要因と対策】
環境要因・・・エリアの形状がベースのすぐ後ろが林となっていること。ベースへの進入が両方向存在してしまう事。ベースへ逆進入する時にはサイドフォローを受ける事。風向き、コースによってはシンクも存在すること。
これらの事をより深く皆が理解できるように、これから促して行く。

影響要因・・・タイミングは多くのパイロットがソアリングしていて、リフトが多く存在していたので、低高度でもまだ上げる事に気持ちが傾き過ぎていて、相手の存在に気付くのが遅れた。逆から入った人の方が始め少し高めだった為、正しい方向で入った人は、相手をあまり意識していなくて、避ける意識が薄かった。

ヒューマンファクター・・・風の流れに(シンクなど)に対する知識不足で、想定外の高度になってしまった。地面近くで緊張感があり、お互いに視界が狭くなっていた。

対策・・・この出来事はこのエリアが持つ大きな弱点の一つと考え、さらに皆が深い理解と意識を持つように、掲示と告知なでして、促して行く。


2012/01/13

ヘリコプターが送電線の点検に

発生時間 : 11:00~
年齢 : 43
性別 : 男
経験年数 : 17
パイロットレベル : エキスパート
年間フライト日数 : ~100日
天候 : 晴れ
天候その他 : 雲底低め
風速 : 3m
状況 : 穏やか
内容 : 11時過ぎにテイクオフし、ゲインも出来なかった為にランディングに向かおうとしていた所、テイクオフ~ランディング間を横切る送電線の点検にヘリコプターが横切っていきました。
今回も確認が早かった為、特にニアミスする事も有りませんでしたが、あまりウェイティング出来る状況ではなく、ヘリコプター通過後暫くしてその空域を横切りました。
空域が荒れている事を覚悟していましたが、特に酷い事は無く無事にランディングに辿り着けました。
因みに、私たちが通過後にヘリコプターがまた戻っていきました。
考えられる要因 : 前回同様、連休中に送電線の点検又は山岳の崩落の点検を行うとは思っていなかった為の油断でした。
前々日までの大雨の為に、予定外の点検を行っている模様でした。


2010/07/18