右の写真(写真5)をよく見てください。
片側のアクセルシステムがハーネスのレッグベルトなどに絡んでしまい、アクセルが引かれた状態になっています。まず、正常な滑空は望めません。このような場合、多くのパイロットはなんとか真っ直ぐに飛ばせようとするでしょう。
現に何人ものパイロットにこのようなケースに遭遇したらどうするかと質問したところ、「真っ直ぐ飛ばせるように操作をする。」との回答が一番でした。仮に真っ直ぐ飛ばせることができたとしましょう。ランディングまで真っ直ぐ飛ぶだけで着地ができるのならいいでしょうが、ほとんどの場合、高度処理をしなければならないでしょう。
このような状態で旋回を試みれば、パイロットは予想できないパラグライダーの動きに出くわすはずです。高度処理を開始しているぐらいですから高度もあまりありません。一気に危険な状況が訪れます。空中で真っ直ぐ飛ばせるのがやっとの状態であれば、速やかにレスキューパラシュートの使用を考えたほうが賢明でしょう。
写真6は絡んでいる側のレッグベルト外した状態です。
脱落防止システムが付いていてしっかりと座れている、空域が静穏、ブレークコードを手から離してもパラグライダーは急激な挙動を示さないといった状況であれば、このような方法で難を逃れることもできるでしょう。
ですが、このような条件付きです。
このようなケースはラインが絡んだ状態でと飛び出してしまった場合にも考えられます。真っ直ぐ飛ばせることよりも、余裕を持ってレスキューパラシュートを使用する。この頭の切り替えが大切です。
いすれにしても、アクセルシステムの調整、取り付けは信頼のおけるインストラクターのもとで行うようにしてください。
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