2016 Ghana Paragliding Festival

 今回で5回目となるガーナパラグライディングフェスティバルに参加してきました。招待状が来たのは3月に入ってから、慌しい中準備を整えることとなりました。そんなときは、なにかあるもので・・・
 出発当日。さっそくトラブル発生です。ビザの確認ができていないとのことで、チェックインができません。招待状を見せたり、現地にすぐコンタクトを取るものの、状況は進展しません。夜9時半、搭乗できずマイカーで成田空港をあとにすることになりました。タイムリミットはあと1日。でないと、フェスティバルに間に合いません。すぐに、現地でビザが用意されていることを証明するものを送ってもらうことにしました。翌日、一度はこれでOKがでましたが、なんと再びチェックインカウンターで問題発生。ガーナとの国際電話でなんとか状況を伝え、日本で私のビザが確認できたのはチェックインがクローズになる5分前。なんとも、出発前からガーナらしい展開となりました。

 1日遅れでの到着ですので、現地に到着後すぐにセレモニーに移動となりました。チームと合流し、4時間ほど車に揺られNKAWAKAW地区に到着。村長が、私たちの入村を許可するためのセレモニーはちょうど日が暮れるころから開始。トラディショナルなセレモニーは毎回のことながら気が引き締まる思いです。
 そしていよいよフェスティバル初日。ただし、朝にはテイクオフでオーピニングセレモニーが予定されています。警察の先導とともに観光省の大臣が登場です。こんなときに限って風は良いもので・・・パイロット全員、セレモニーにも気もそぞろ。来賓の話が長引きだしたところで、お客さんもたくさん待っていることもあり、チームリーダーのチャックから「用意しろ」と声がかかりました。今回もトップバッターでガーナの空に飛び立たせてもらいました。テイクオフでは大音量のガーナミュージックと歓声が送り出してくれます。1年ぶりのガーナの空もあたたかく迎えてくれ、ドイツ人のお客様としばしその感覚を楽しみました。赤土を巻き上げながらランディングをすると、すぐに車に乗り込みます。車のなかでゆっくりと休みたいところですが、道路が悪すぎて、頭をぶつけてしまいそうで車の中も気が抜けません。テイクオフに戻れば、会話もできないほどの音楽が向かいいれてくれます。そんなことをくり返しながら、次々と空へ飛び立ちます。




 午後になると、背後にできる入道雲から目が離せません。パイロットとも情報交換しながら、安全を確認しながらテイクオフ。とはいえ、最終的には飛ぶも飛ばないも自分の意思次第となります。テイクオフの雰囲気(観客のみなさんからの無言のプレッシャー)からすると飛び立たないといけないようなかんじですが、無理はできません。雲の位置、形、色を見ながら各々が判断します。最終日は12時には雲が急発達してしまいましたが、3日間通してはまずまずフライトができました。私は15本。「なんでそんなに一生懸命飛ぶんだ?」と聞かれますが、「日本人だから」との答えにみんな納得です。来年はもう1名日本人パイロット枠を増やしてもらうつもりです。





 それでも、お客さんは予約を取って1日待ちでようやくフライト。今回はベルギーのテロの影響もあって、出国できないパイロットもいて、いつもより少ないチーム編成となりました。パイロットはフル回転でフライトをしましたが、それでも100名以上の方がフライトできずに会場を後にすることになってしまいました、なかには、毎年来ていただいているJICA(日本国際青年協力隊)のみなさんもいらっしゃいました。
 さて、11回目となるフェスティバルは回数も重ねていることもあり、私も含め各所要領を得て非常にスムースに進行したように思えます。今回はチーム全員、フライトではなにもトラブルなく終えることができました(毎年はなにかしら・・・)。

 このような貴重な機会に快く送り出していただき、関係するみなさまに感謝いたします。ありがとうございました。

レポート:岡田 直久(教育事業部部長)





更新研修会 今井浜2days

3/15(火)インストラクター更新研修会
 今回の更新研修会は今井浜フライングスクールにて行いました。毎回思う事ですが、皆さんとても意識が高くスタートの8時前には全員が集まり準備万端な状態です。皆さんの気持ちに応えるように、身を引き締めてスタートとなりました。
 JPAが始まって13年が経ち、基礎技術の確立と統一は定着して来ていることと思います。もちろんまだまだ追求は続きますが、今回の研修会ではさらに10年後にあるべき姿を目指して、「判断力と決断力を育てる」ためにインストラクターが用意、そして準備しなければならない事は?というテーマを中心に、 習う人がもっと夢中になれるスクーリングを目指すディスカッションが持たれました。
 各スクールで考えている事、行っている事など、普段それぞれの頭の中にある事を自身の言葉にする事で整理され、さらに共有する事で考えが広がるとても良い機会となったと思います。
 インストラクターは常に追求し研究して、理解しやすく習う側のやる気を盛り上げる為に準備しなければならない事をまとめて、終了となりました。


更新:
井川延人(白馬パラトピア五竜パラグライダースクール)
加藤奈保子(グランボレパラグライダースクール)
近藤正哉(スカイパーク宇都宮)
佐藤良太(エアーパークCOO)
中村成次(朝霧ネイチャーランド)
鈴木由希子(伊豆フライトハウス)
大野修司 (スカイトライ)

会場 今井浜フライングスクール
講師 西野力也(今井浜フライングスクール)






パラシュートリガー更新研修会 3/16(水)
 河津駅すぐ横にある商工会館には朝早くから参加者のみなさんが集合、予定よりも30分早く更新会を始めました。今回もまずは、今年用に準備をしたパワーポイントをもとに机上講習です。最近のパラシュートによるトラブル事例の報告、様々なタイプのパラシュートのメリット、デメリットを再考、そしてルールを再確認しました。2時間ほどの講義ののち、実技開始です。今回の実技のテーマは「クロスパラシュートを通じて、ラウンドパラシュートのパッキング理論を再確認すること」です。クロスパラシュートもその形状から、苦手意識を持ってしまいがちですがよくよく見ると、パックの理論はラウンド(円形)パラシュートとなにひとつ変わりません。2タイプのパラシュートを実際にたたむことでそれは感じていただけたのではないかと思います。
 リガー技能証は2年に一度の更新です。そうそう2年に一度、新たに行うこともないだろうと思いますが、機材の変化は著しく、2年に一度必ずなにか新しい技術、知識に出くわします。私たちリガーの追求は続きます。

ご参加のみなさま、お疲れ様でした。

更新:西野 力也(今井浜フライングスクール)
鈴木由希子(伊豆フライトハウス)
井川延人(白馬パラトピア五竜パラグライダースクール)
上野 享(トップフィールドパラグライダースクール)
中川 克平(ウイングキッス朝霧)
井合 澄(埼玉こまちパラグライダースクール)

講師:岡田 直久



アシスタントインストラクター検定会 3/4(金) 茨城県エアパークCOO

 検定会を受験するには、なぜその技能証が必要なのか明確な理由が必要です。指導者の技能証は、合格すればカードとともに責任を受け取ることになります。もちろん、JPAでは色々とバックアップしていきます。
 さて、今回は3名の方が受験。予定通り朝7時半から検定開始です。指導者としての知識、技術を学科試験、講習実技、パラグライダーレスキュー・・・と様々な角度から試されます。すべて終了したのは17時。今回も10時間ほどの検定会となりました。

 結果は後日、所属スクールに通達されます。お疲れ様でした。

エアパークCOOのみなさま、3日間ご協力ありがとうございました。


アシスタントインストラクター養成研修会 3/2-3 茨城県エアパークCOO

 今季もアシスタントインストラクター養成研修会が茨城県エアパークCOOで開催されました。今回の参加者は2名。なかなかこの業界の門をたたく方はいませんが、お二人は同一スクールからのお申込です。まだまだ元気なスクールもあり、うれしい限りです。これからインストラクターを目指すみなさんはJPAの財産でもあります。
 今回は初日に、
  -JPAの組織とは
  -フライトテクニック「テイクオフ」「アプローチとランディング」
  -ワークブック「航空力学」「法規」「フライト機材」
  -保険
全七科目を朝の7時半から11時間かけて講習。
 
 2日目は、
  -フライトテクニック「アクティブ操作」「降下手段」「異常飛行」
  -パラシュート
  -パラグライダーレスキュー
  -模擬試験
全6科目を朝7時半から10時間かけて講習しました。

お疲れ様でした。指導者として覚えるべき項目はこれでもすべてではありませんが、勉強、練習の大切さはご理解いただけたのではないかと思います。

明日は引き続き、アシスタントインストラクター検定会。今年は3名の方が受験されます。頑張りましょう!

講師:岡田 直久(JPA教育事業部長)



Dr.小野寺 パラグライダー航空力学セミナー 2/25-26 朝霧野外活動センター

 現在の教育システムの基礎はドイツのクラウス氏によって作られました。そのクラウス氏によって行われた研修会と同じ会場でDr.小野寺セミナーが開催されました。小野寺さんといえば、実機のパイロット、世界選手権日本代表、ワールドカップ転戦、グライダーの設計と・・・間違いなく理論、技術とも日本有数のパイロットです。特にパラグライダーの航空力学的な解析ではNo.1であることに間違いありません。
 今回は全国からインストラクター、タンデムパイロット、スクール関係者のみなさんが集まり有意義なセミナーが行われました。

 今回のテーマ、小野寺さんは直前で変更されたようで、難しい計算式を使うことなく、現場ですぐに使える、印象に残る内容で展開されました。冒頭のあいさつを終え、本題となると、目から鱗な内容が次から次へ・・・。やはり参加してよかった、という思いを持ちながらみなさんノートにペンを走らせました。
 特に初日行われたシャークノーズ、ナイロンロッド、リフレックス、そして2日目に行われたコラップス、クラバットに関する内容にはみなさん納得することしきり。
 2日間という短い時間でしたが、参加されたみなさんは明日からの週末、また違った視点でパラグライダーを指導できるのではないでしょうか。ご参加ありがとうございました。
 これからも数々の専門的なセミナー、研修会を行っていきます。プロとしてパラグライダーを追求していければと思います。

参加(敬称略):
植村克政(JMB富士見パノラマ)
野呂 誠(JMB富士見パノラマ)
小林 豊治(エアロクルーズ)
野村 瑞紀(今井浜)
竹村 治雄(ジャムスポーツ)
大澤 真里(バーズ)
上野 陸(エアハート)
松原 彪(スカイ獅子吼)
岩瀬敬子(スカイトライ)
鈴木孝世(マップス)
高木 望(バーズ)
森 永年(VAN)
森 啓太(VAN)
植木 享(トントンとんび)
水間 竜也(エアパークCOO)
佐藤 良太(エアパークCOO)
辻 強(エアパークCOO)
三浦 新二(KPS那須高原)
扇澤 郁(アエロタクト)
工藤 多鶴子(寒風山)
前堀 善斗(スカイブルー八方尾根)
岩崎 幸教(エアパークCOO)