| レポート
インストラクター更新会 4/19 石川県獅子吼
レポート:岩村 誠(グランボレパラグライダースクール)
4月19日、JPAの教員更新研修会が石川県獅子吼エリアで開催されました。朝8時半に獅子吼エリアの近くの鶴来公民館に15名の参加者が集合すると、岡田さんの提案で午前中にフライト実技を行うことになりました。冬の間にフライトしていない方も多いようで、フライト実技ではBストールやスパイラルで不安定になるなど、コントロールに苦労する参加者の方も見受けられました。参加者の方には、大分緊張感があったかと思いますが、普段自分で課題を意識してフライトする必要があることを、参加者の方にも認識してもらえたと思います。
1本ずつのフライト後に室内に移動して、フライト実技の振り返りとフライト課題の教え方の確認を行いました。デモフライトの内容について、どのような目的でどんな教え方をするかが、重要になってきます。岡田さんからフライト課題の目的と方法をシンプルに分かりやすく教えるという提案がありました。クライミング、サーチ、アクセレーションのピッチの3要素を教え方の基本に取り入れるとローリングなどすべてのコントロールが理論的に説明しやすくなります。参加者の方も、新しい教え方についてまた刺激をうけたと思います。
昼休憩をはさんで、午後は岩村からタンデムとランディングの事故対策について、パワーポイントを使って話をしました。タンデムとランディングの事故は件数としては、減少しているもののタンデムなど社会的に認知される安全対策を求められています。まずは、実際の事故例や現場のインストラクターが感じているヒヤリハットの事例を聞きながら、インストラクターとしてどのような事故対策ができるかを話合いました。
リスクマネージメントの手法としてSHELLモデルという、医療現場などで使われているヒューマンエラー防止の分析方法も使って、タンデムの事故事例と参加者の方々のインシデント、事故対策などを聞きながら傾向を分析しました。タンデムの事故の原因は、パイロットとその技術などのソフトに原因となるものが多くあります。パイロットの技術や経験、教育カリキュラムなどが重視されると考えます。また、それと同時にグライダーなどの機材や、ランディングエリアなどの環境、お客さんとのコミュニケーションやほかのスタッフとのコミュニケーションなども見直しが重要で、教科書にも書いてあることですが基本が大切です。
ランディングの事故対策の話では、最近のグライダーの高性能化にともなってランディングアプローチの難しさが増大しており、スタンディングをとって滑空比を抑えることで、アプローチしやすい状態をつくることをメインに提案しました。参加者の方にとっては、すでに知っている技術ですが、細かい技術を見直し、基本に忠実になることでヒューマンエラーを防ぐことができることは、今回の講習会で認識できたかと思います。
参加者の方は、イントラとしてもベテランの方が多く、それぞれの教え方を持っています。現場での経験も豊富で、それぞれの経験に基づく事故対策を持っているはずです。しかし、それが一般社会に理解されるためには、形として残る安全対策や一般の方にもわかりやすい理論に基づいた説明などが必要になります。経験豊富なインストラクターであっても、違った角度から見たり考えたりすることで、指導方法について細かい見直しができる部分もあると思います。今回の講習会でも、全国のインストラクターと安全対策について意見を交換でき、私も参加者の皆さんも自分の教え方を見直すというよい刺激になったかと思います。
会場:石川県白山市鶴来公民館
講師:岩村 誠(グランボレパラグライダースクール)
協力:スカイ獅子吼パラグライダースクール
更新:
上野 亨(トップフィールド) インストラクター
宇治山 寛(白馬八方尾根) インストラクター
前堀 善斗(白馬八方尾根 / 教育事業部) インストラクター
前堀 博史(白馬八方尾根) インストラクター
中川 克平(ウイングキッス朝霧) インストラクター
後藤 俊文(栂池) インストラクター
大澤 真里(バーズ) アシスタントインストラクター
初瀬 宗子(スカイ獅子吼) インストラクター
鈴木 達之(KPS) インストラクター
佐々木 泰文(ウィンパル) インストラクター
小塚 俊昭(となみ野) インストラクター
阿久津 博昭(スカイウェイ) インストラクター
片桐 正登(JMB中部) インストラクター
鈴木 孝世(マップス) パフォーマンスインストラクター
井上 美奈子(スカイトライ) インストラクター