日本パラグライダー協会 安全普及事業部・教育事業部では、パラグライダーのライン伸縮問題を鑑み2006年度より、グライダーチェックを推奨しております。
現状、伸び縮みのないパラグライダー・ラインは存在しません。ちなみに初期設定のライン長から±10mmが範疇です。
と同時に、パラグライダーのフォルムを構成するパーツとしてライン長・ラインバランスが重要なことも・・・
現実の問題として、存在しています。伸び縮みのないラインは存在しないのに、ラインバランスが最重要であれば、そのバランスを保つために、ライン長を検査する・・・至極簡単な結論です。
JPA・安全普及事業部で、グライダーチェックをしていることの周知が広まっているお陰で最近メール等のお問い合わせも増えております。
その内容で、多いのが・・・
「パラグライダーのラインは縮むと聞いたのでどこをどれだけ引っ張っておけばいいでしょうか?」
というお問い合わせです。
たしかに、パラグライダーラインは縮む傾向にありますが、100%全てのラインが縮むとは、限りません。
逆に、伸びているラインもあります。
ライズアップ時の根掛かりによるものや、ツリーランによるものなどはイメージつきやすいでしょうか?
伸びてしまったラインを闇雲に牽引して、さらに伸ばしてしまったとしたら・・・大変なことになるのは
想像つくでしょう。逆もまたしかり。
ラインが縮んでいるようであれば、何かしらの方法で伸ばすようにしてバランスを整えるでしょう。
また、伸びているようであれば、ノット(ラインの結び目の方法と量)を変え、縮ませるようにしてバランスを整えるでしょう。いずれにしても、そのグライダーのそのサイズのライン長の初期値から、
どの場所がどのくらい違うか・・・を探るのが大事なのです。
その結果に基づき、バランスを整える作業をするのが・・・グライダーチェックなのです。
決して、闇雲に縮めているだけではないのです。
ライズアップが上手くできなくなったら・・・
サーマルセンタリングに入りづらかったら・・・
ツリーランしたら・・・ヤブチンしたら・・・
そして、購入から3年以上過ぎたら、是非検査してみてください。
バランスを整え、グライダーの状態をベストにしていることもまた、パイロットととして重要な事となのだと思います。
先月、長野県において空中接触事故が発生いたしました。
ソアリング中のパイロットが空中接触し、絡み、片方のパイロットはレスキューパラシュートを投げもう片方のパイロットは投げなかった模様。
結果、適切な沈下速度にならず、二人とも怪我を負ってしまったようです。
どのようなシチュエーションであるかはおいといて、空中接触し、絡みが取れないと判断した場合二人ともレスキューパラシュートは投げた方が良いでしょう。
そして、生きているパラグライダーをある程度引き込み、沈下を安定させダウンプレーン現象に入らないよう、勤めるのがベストです。
レスキューパラシュートを必要とするケースは、空中接触と非対称コラップス等からの急激なスパイラルなどで約80%となっております。
フライトする前に、そうならないための事前準備はパイロットとしてしっかりと整えましょう。
そして、レスキューパラシュートのリパック(定期点検)はリガーに行って頂きましょう。
お怪我をされたお二人の一日も早い回復を願っております。
寒気がとれないまま、春を迎えております。
場所によっては、まだまだ冬の様相を呈しておりますが、暦の上では4月下旬。
3月より続いております、天候不順によりフライト確率にも影響が出ているかと思われます。
もともと3月4月5月の春は、事故が多くなる季節。
天候不順も相まってのフライトへのストレス・・・
厳しいコンディション・・・
スクール、エリアを運営される皆様におかれましては、注意が必要となっております。
現に朝霧フライト界隈において、2週に渡って防災ヘリコプター出動という重大事故が発生しております。
もちろん、人命最優先ですので、出動自体の是非のお話しではありません。
そのフライト自体や、コース、回収体制等々、多くの問題があると思われます。
多くのパイロット、生徒さんが活発に飛び始めるゴールデンウィーク前に、各学校のビジター受け入れ体制、救急体制の確認をしその日その日のフライトコンディションの見極めをしっかりとおこなって頂きたいと思います。
JPAではインストラクターを目指すパイロット、取得されたインストラクターへ向けて様々なトレーニングを数多くしております。取得するときだけではなく、取得後、日々変わる新しいパラグライダー理論に対応すべく、更新講習会を重要視しております。
レスキューパラシュートリガー制度
レスキュー認定者制度
そして、アシスタントインストラクター、インストラクター検定制度
JPAでは、アシスタントインストラクター、インストラクターを受験するためには、日本赤十字社の救急救命講習会に参加し、事前受講していることが必須となっております。
万が一に備え、迅速な対応ができることを目的としております。
そこで
今年度にJPAアシスタントインストラクター、およびインストラクターを目指す皆様にお知らせです。(もちろん、一般パイロットのかたもご参加できます。)
2010年 日本赤十字社 救命救急講習会 開催日程
http://www.jrc.or.jp/search/study-link/index.html
アシスタントインストラクター、インストラクター検定会参加前には、必ずご受講ください。
よろしくお願い致します。
三寒四温どころか、冬に逆戻りした翌日に初夏の陽気を迎えるという、大変厳しいコンディションが続いております。
よって、吹く風も強風、サーマルも非常に激しいものとなっております。
GWあたりに今年の初フライト、もしくはその時期に長期国内ツアーをご予定される
皆様・・・
無理なフライトプランは立てず、トレーニングヒルで十分練習をしてから高々度フライトに臨みましょう。
時には飛ばない勇気も・・・
安全普及事業部
安全普及事業部ブログを立ち上げました。
安全普及事業部は・・・
1 事故対策と会員の皆様へのフィードバック
2 グライダーチェック
3 各種保険の管理
4 セーフティーノーツ
などなどを、タイムリーにお知らせしていきたいと思います。
まずは
5月連休が近づいてきました。この季節はサーマルブローが活発になり、ランディングが乱気流で危険な状況に陥りやすい時期です。毎年、大きな事故が多数発生する時期でもあります。パイロットの皆様は、どうぞ、十分注意して、フライトをお願いします。
また、ランディングの事故が増加しています。最終アプローチを長くとり、気流の急激な変化にも対応できる体制を常にとるようにしましょう。
今年最初にフライトが、いきなり高々度フライトは注意が必要です。
是非、トレーニングヒルからゆっくりと始めていきましょう。