パラグライダー大会へ参加する初心者のためのビギナーズハンドブック。

はじめにの章

リーグ構成

まずはリーグ構成です。

JPAには3種類の競技リーグがあり、それぞれ数戦を全国各所で開催し年間のチャンピオンを決めています。

  • パラグライダーチャレンジリーグ(PCL)
  • パラグライダーN2リーグ(N2L)
  • パラグライダーナショナルリーグ(PNL)

パラグライダーチャレンジリーグ(略称:PCL)Paraglider Challenge League

これからパラグライダー競技を始める人向けに設定されたリーグです。使えるグライダーは入門機クラスに限定しています。比較的安易な設定の競技を行います。
そうです。あなたは、このチャレンジリーグから参加することが良いと思われます。

パラグライダーN2リーグ(略称:N2L)Paraglider N2 League

PNL参加に向けてフライト技術を高める2部リーグです。PNLよりもすこし短めのフライト距離で競技を行います。

パラグライダーナショナルリーグ(略称:PNL)Paraglider National League

国内フライト競技のトップリーグ。高いフライト技術を持つ選手達が、難易度の高い競技を行います。パラグライダーの世界大会といえるパラグライダーワールドカップ(PWC)に参加できるフライト技術を養う場でもあります。


競技の流れの概要と基本用語

大会の流れ(簡単バージョン)

大会当日は簡単ですがこんな感じで流れてゆきます。


基本用語の説明(簡単バージョン)

基本の用語説明です。

基本用語内容
タスク競技に使う飛行ルートをタスクと呼びます。その日のコンディションに合わせて、当日決定されます。
ターンポイントウェイポイント、パイロンとも言います。ルートをまわるときの目標物です。GPSデータで示されるので、山の三角点とか肉眼では目標物にしにくいものもあります。
シリンダーターンポイントを通過したと認められる空域。仮想の筒形状をしています。この筒の内側に自分のGPSフライトログが残ればターンポイント通過が認められます。
シリンダーサイズシリンダーの大きさは半径で決めています。PNL、N2Lでは基本200m。チャレンジリーグでは基本400mです。但しその日のタスクごとに、またパイロンごとに別の半径となることもあります。


何を競うの?

パラグライダーで主流の競技は「レース」です。世界を舞台に行われるパラグライダーワールドカップ(PWC)も「レース」で勝敗を決めます。

JPAの競技会も「レース」で競技します。「レース」つまり、いかに速く飛べるかを競います。

GPSデータで設定されたターンポイントと、それを巡る順番が決められてコースが設定されます。(これをタスクと言います。)どの交差点で曲がるかを自分で確認しながらマラソンを走る感じです。

マラソンなら途中で休憩できますが、パラグライダーではサーマルを乗り継いでいかなければ途中で降りてしまいます。ここが難しいところです。「タスクを回りきること」=「ゴールすること」はビギナーにとって最初の目標となります。

他の競技方式には、時間は競わずどれだけ遠くに飛べたかを競う「フリーディスタンス」や、着地場所の正確さを競う「アキュラシー」などもありますが、まずは「レース」がどんなものか理解しましょう。



どんな装備が必要?

さて、あなたの今のフライト装備はどんなものですか。バリオメータ(上昇下降計)やアルチメータ(高度計)は持っていますよね。
競技フライトではこれらに加えGPSが必要です。フライト結果の証明をGPSの記録で行うのです。
また、上空利用のデジタル簡易無線が必要で、さらに携帯電話も必要です。

今やGPSは、トレッキング用、ランニング用、自転車用などいろんな種類のものがありますが、フライト競技で使えないものもあります。
できればフライト競技用のGPSを準備して下さい。