日本パラグライダー協会

会員の皆様からお寄せいただいた「ひやっとしたこと(インシデント)」を分類し、分かりやすくご覧いただけるようにしました。スクール様だけでなく、一般フライヤーの皆様にもぜひご覧頂き ご自身の安全フライトにお役立てください。

ひやっとノートフォーム

ランディングアプローチ中にストール

: 11:00
: 男
: エキスパート
: 快晴
: 1m
: サーマル発生
: サーマルソアリングフライト後に、ランディングする際突風にあおられストールからスピン、直ぐレスキューを投げ出し開くと同時にランディング場近くの水田に着地しました。幸いパイロットは怪我無く道具もダメージ無しでした。

(この日のコンディションは、・・朝からサーマルが活発でランディング場は風向きがころころ変化していた。ランディングの仲間からは風情報が伝えられていた。日中サーマルが活発でTO・LDともブローが強く入り出した為15時迄風待ちし、フライトしていただきました。)

(このフライトで本人の話・・・サーマルが強くなりコンディションが荒れてきたので着地をしようとしたがランディング近くで上がったり下がったりきつく、なかなか降りなく、別の場所へのランディングも考えましたが仲間が居るメインランディング場を選び高度処理をしていた時に風に煽られた。高さが無かったので直ぐレスキューを考え投げ出した。)


: 突風に煽られ突然急激なノーズアップした際に、(ランディングアプローチ中でもあり少しブレークコードを引いていた)無意識にブレークを引いてしまったのかも知れない??(本人の話)。そのためにノーズアップからの失速に入り、フロントダイブとコラップス、90度スピン、レスキュー開傘となってしまった。


2009/03/21

テイクオフ取りやめできずツリーラン

: 11:00
: 男
: ベーシック
: 曇り
: 1m
: 穏やか
: 最初にインストラクターがフライトし、その後練習生からフライトを始めた。尚、このテイクオフはディレクター以外のインストラクターがビデオで撮影している。
フロントテイクオフのライズアップの時、肘が後ろに伸びきっているのと、風が弱かったので、なかなか上がってこなかった。斜度がきつくなり始めるころにグライダーが頭上へ上がる。この時にラインの絡みに気づき「はい、一回止めるよ!」と言いながらライザーをつかもうと左手を伸ばすが、つかめず止められなかった。グライダーは傾きなく上がり、スピードがついていて滑空状態に入る。
本人は、ストップの指示にテイクオフを取りやめるためブレークをするが、フルブレークでは止まれないと思ったので、とっさに片方(左手)のブレークを引き下げた(後の本人からの状況説明)。
グライダーのスピードを止めきれず、傾斜もありパイロットも止まれずそのまま滑空し、ランチャー台をこえ、ゆっくり左へ旋回しながらテイクオフ左下の木へ横からツリーランディングする。木に正面からぶつかるが、枝のかかりが浅かった為ずり落ちて、地面にエアバック部分から着地する。枝がしなって落下がゆっくりだったこと、落ちた場所が斜面の枯れ枝のところだったのでケガはしなかったが、グライダーのエアインテーク付近が3箇所破損した。

: (1)パイロット・ディレクターのプレフライトチェックが不十分だった。

(2)ディレクターがラインの絡みに気づくのが遅かった。

(3)メガホンと無線機をそれぞれの手で持っており、とっさの時にメガホンを離すことができなかった(ディレクターの「必ず止める」という意識不足)。

(4)後にビデオで確認すると、パイロットはディレクターの左から右に通過して行くのに、とっさの時にもかかわらず右手のメガホンで「やめるよ!」と声を出していた為メガホンを離せず、左手でグライダーを追いかけるようにライザーをつかもうとしていた(ディレクターの判断力不足)。

(5)今回の状況でのデッドラインをパイロットに示していなかった。又、パイロットもデッドラインについて理解不足だった。

(6)講習バーンで、無風時にライズアップをした場合のデッドラインを理解させていない。又、無風時の西テイクオフでの取りやめの方法も理解させていない。


2009/03/09