日本パラグライダー協会

会員の皆様からお寄せいただいた「ひやっとしたこと(インシデント)」を分類し、分かりやすくご覧いただけるようにしました。スクール様だけでなく、一般フライヤーの皆様にもぜひご覧頂き ご自身の安全フライトにお役立てください。

ひやっとノートフォーム

ランディングクラッシュ

【発生時間】 09:00~
【パイロットレベル】 タンデム
【天候状況】 快晴
【風速】 0~4m/s
【状況】 サーマル発生
【内容】
朝8時テイクオフでランディングは8時15分頃。
ランディングアプローチ中に風向風速の変化により(サーマルブローに止められ)10m弱の高度で失速気味になり接地間際の回復によるシューティングをフルブレークで接地。手前の田んぼ法面にクラッシュランディング
幸いにも怪我はなかったが接地地点には側溝もあり非常に危険な状況だった

【考えられる要因】
・風が弱くサーマルブローによる風向・風速に変化があった
・エリアで今年初フライトで初タンデムだった
・春のコンディションなので早めスタートで8時にスタートしたがランディングはすでに安定しないコンディションだった。
・ランディングディレクターも風が安定しないと感じていたが体験タンデムだったのと校長なので大丈夫だろうと判断。


2014/04/13

潰れ→レスキューパラシュート

【発生時間】 12:00~
【年齢】 42才
【性別】 男
【経験年数】 9年
【パイロットレベル】 パイロット
【年間フライト日数】 ~100日
【天候状況】 快晴
【風速】 3m/s
【状況】 サーマル発生
【内容】
セミナー参加でフライト。
雲底1500mほどをフライト中、雲の吸い上げに遭遇。
慌てて降下手段で翼端折をしようとしたところ、潰れが発生。
旋回に入ってしまい、レスキューパラシュートを使用した。

開傘後、ツリーランし本人には怪我は無かった。

【考えられる要因】
環境要因
天候は雲がやや発達して吸い上げがあった。
ただ、フライトには問題の無いレベル。
機材は3年以上使ったモデルであり、定期チェックも行っているので問題なし。
以前にこのエリアをフライトした経験はあったが、久しぶりであった。
しかし、事前のレクチャーはしっかりと行っていた。

影響要因
セミナー参加という事でプレッシャーがあったのではないか。
当日テイクオフに忘れ物をするなど、注意散漫な部分が見られていた。

ヒューマンファクターズ
遠征でのフライトという事もあり、長時間のドライブ。
やや寝不足があったと思われる。
レスキュー使用時は雲の強い吸い上げに合い、精神的な焦りがあり操作を慌ててしまった。
更にコラップス発生時の対応が遅れてしまい旋回へ、回復が不可能と判断しレスキューを使用する事となった。

<対策>
遠征という事もあり、移動は大変であるが体調を考えてフライトを考慮する。
あまりに寝不足等で注意力散漫であればフライトのキャンセルしなければならない。

雲の吸い上げがある事は目に見えて明らかであり、無線でもそういったアナウンスは度々あった。
そういった吸い上げがある雲でのフライトコースを再確認する。
レスキューを使えた事は良かったが、リカバリできるレベルであった。
リカバリ操作、アクティブ操作のトレーニングを行う。


2014/03/15

テイクオフ中止時の処置不良による谷への落下

【発生時間】 10:00~
【年齢】 64才
【性別】 男
【経験年数】 4年
【パイロットレベル】 ベーシック
【年間フライト日数】~50日
【天候状況】 晴れ
【風速】 1m/s
【状況】 サーマル発生
【内容】
テイクオフでの頭上安定直後、離陸決断へ移行の際に荷重が掛らず揚力も感じられなかった為中止ししようとフルブレーキングしたがグライダーに追い越され引っ張られる形で谷に引きずり落とされた。
幸いテイクオフの走路が長かったことでグライダーの余力が消滅し谷の入り口部分に落下しただけで大事には至らなかった。
ただ走路の短いテイクオフだったらと思うと身の毛がよだつ思いがします。

【考えられる要因】
ヒューマンファクターとしては今迄にテイクオフ中止は殆ど無くマンネリズム及び自信過剰が考えられる。
影響要因としてはアクセルシステムの接続部外れ対策をテイクオフ直前に全否定され取り外されてしまったことが少なからず影響していると思う、自身は冷静を装っていたが改めて思い返すとイラついていた、その時点で仕切り直しをすべきだったと思う。
対策としては上記のような事態を繰り返さない為に機材の不具合対策には自身としては絶対に手を出さないようにし販売側に直させる。
自身の対策としては地上での練習課題として確実なテイクオフ中止操作を練習する。


2014/02/26

C3・B3ディセント使用ミス

【発生時間】 15:00~
【年齢】 38才
【性別】 男
【経験年数】 15年
【パイロットレベル】 エキスパート
【年間フライト日数】 ~100日
【天候状況】 曇り
【風速】 3m/s
【状況】 サーマル発生
【内容】
今までぶっ飛びだったコンデションが急に南風のコンバージェンスが発生して風が強くなり、降りてこない状況になりました。
最初はアクセルを踏んでB3ラインを引いて、高度を下ろそうとしたがストールに入ったので、止めて落ち着いてから、アクセルを踏んで、C2ラインと引いてストールに入って今度はツイストしたのでレスキューパラシュートを投げて、道の近くの木と電線に引っかかりました。本人は怪我無し、グライダーとその他装備も大丈夫でした。

【考えられる要因】
B3ディセントとC3ディセントを思い違いをしたようです。よく飛んでいるパイロットでグライダーのラインの問題がある可能性もある。

翼端折り(ディセント)の仕方を明確にする必要がある。グライダーによって引くラインが違うので間違えないように教える。

どのグライダーでできるかできないか(推奨するかしないか)を明確する必要がある。


2014/02/03

ビッグイヤー時のトラブル

【発生時間】 11:00~
【パイロットレベル】 ベーシック
【天候状況】 晴れ
【風速】 3m/s
【状況】 サーマル発生
【内容】
プライマリー実技検定中
ビックイヤー実施時にリアライザーを誤って引き込み失速。

グライダーの変形に気づき中止させたがグライダーが大きくシューティングをお越しコラップス。翼端がクラバットし旋回を始めた為、レスキューパラシュートを出すように指示をする。
開傘後、ツリーランディング。
本人は怪我なし。

【考えられる要因】
パイロット
・グライダーを乗り換えたばかり
・検定試験に緊張していた。

インストラクター
・ビックイヤーの課題に油断していた。
・普段からスムースに課題こなす生徒の為、グライダーが変わった事を気にしていなかった。


2014/01/25