日本パラグライダー協会

会員の皆様からお寄せいただいた「ひやっとしたこと(インシデント)」を分類し、分かりやすくご覧いただけるようにしました。スクール様だけでなく、一般フライヤーの皆様にもぜひご覧頂き ご自身の安全フライトにお役立てください。

ひやっとノートフォーム

スパイラルからの離脱失敗

【ひやっとしたこと】ツリーランディング
【発生日】2016年3月29日
【発生時間】11:00~
【パイロットレベル】エキスパート
【天候状況】晴れ
【風速】5m/s
【状況】強いサーマル発生
【内容】
大きな上昇気流帯から降下しようとスパイラル降下中に、遠心力で顔が上向きに張り付け状態となり、慌てて操作した結果、大きなサーチ後に全潰れを起こし、数本のラインが上面側を回ってしまいキャンディー状態となってしまった。
この時の高度が地面から500mくらいはあり、バランスを取れば飛行可能なようだったので、誘導でテイクオフの斜面上空へ移動させて、もう少し高度が下がったところで、レスキュー開傘してツリーラン。

【考えられる要因】
大きな上昇帯で上昇を続けていたので、知識不足からの怖さや不安感から、慌てた気持ちでいた。
その為、初めて経験する高速のスパイラルへ入れてしまった。
離脱方法は経験していたが、慌てた心境では正しい操作ができていなかった事も考えられる。

(環境要因)ツアーで行った慣れないエリアだったので、上昇帯のイメージができなかった。

(影響要因)本人がイメージできない状況の中で、焦ってスパイラルへ行動を移した事。

(ヒューマンファクターズ)慣れないエリアでの初めての経験で、知識の応用ができなかった事、不安な気持ち、技術の不足


2016/03/29

スピン後フルストール

【発生時間】 09:00~
【パイロットレベル】 体験
【天候状況】 晴れ
【風速】 4m/s
【状況】 サーマル発生
【内容】
サーマルで旋回に入ったが、風下側のシンク帯でスピンに入った。その後急旋回に入りそうだったので、両手をカラビナにし、バックポジションへと指示。綺麗にバックに入ったので、両手を少し上げてと言うと、サーチに入ったが急に下向きとなったので焦ったのか、また引いてしまい2度目のストールへ入ってしまい、そのまま杉林へツリーラン

【考えられる要因】
Cクラスのグライダーで、慣れてはいるが少々乱暴な操作が時折見られる為に、今までも小さな失敗が数回はあった。そんな中劣化による迎角の変化も心配だったので、ボトムラインの全交換をして数本目の出来事であった。この事からラインの長さが元の長さになり、迎角が正しい角度に戻り機敏な動きがあった可能性も考えられる。
もちろんライン交換後の、インストラクターによるテストフライトでは正常ではあったが、本人的にはヘタッた状態からの動きの変化があったかも知れない。
機体を変える相談と共に、より深い練習が必要な事を相談中。


2016/03/12