日本パラグライダー協会

会員の皆様からお寄せいただいた「ひやっとしたこと(インシデント)」を分類し、分かりやすくご覧いただけるようにしました。スクール様だけでなく、一般フライヤーの皆様にもぜひご覧頂き ご自身の安全フライトにお役立てください。

ひやっとノートフォーム

C3・B3ディセント使用ミス

【発生時間】 15:00~
【年齢】 38才
【性別】 男
【経験年数】 15年
【パイロットレベル】 エキスパート
【年間フライト日数】 ~100日
【天候状況】 曇り
【風速】 3m/s
【状況】 サーマル発生
【内容】
今までぶっ飛びだったコンデションが急に南風のコンバージェンスが発生して風が強くなり、降りてこない状況になりました。
最初はアクセルを踏んでB3ラインを引いて、高度を下ろそうとしたがストールに入ったので、止めて落ち着いてから、アクセルを踏んで、C2ラインと引いてストールに入って今度はツイストしたのでレスキューパラシュートを投げて、道の近くの木と電線に引っかかりました。本人は怪我無し、グライダーとその他装備も大丈夫でした。

【考えられる要因】
B3ディセントとC3ディセントを思い違いをしたようです。よく飛んでいるパイロットでグライダーのラインの問題がある可能性もある。

翼端折り(ディセント)の仕方を明確にする必要がある。グライダーによって引くラインが違うので間違えないように教える。

どのグライダーでできるかできないか(推奨するかしないか)を明確する必要がある。


2014/02/03

ビッグイヤー時のトラブル

【発生時間】 11:00~
【パイロットレベル】 ベーシック
【天候状況】 晴れ
【風速】 3m/s
【状況】 サーマル発生
【内容】
プライマリー実技検定中
ビックイヤー実施時にリアライザーを誤って引き込み失速。

グライダーの変形に気づき中止させたがグライダーが大きくシューティングをお越しコラップス。翼端がクラバットし旋回を始めた為、レスキューパラシュートを出すように指示をする。
開傘後、ツリーランディング。
本人は怪我なし。

【考えられる要因】
パイロット
・グライダーを乗り換えたばかり
・検定試験に緊張していた。

インストラクター
・ビックイヤーの課題に油断していた。
・普段からスムースに課題こなす生徒の為、グライダーが変わった事を気にしていなかった。


2014/01/25

空中接触

【発生時間】 11:00~
【性別】 男
【経験年数】 5年
【パイロットレベル】 エキスパート
【年間フライト日数】 ~50日
【天候状況】 晴れ、曇り
【風速】 3m/s
【状況】 サーマル発生
【内容】
テイクオフ前でリッジソアリング中の2機が正面衝突。同空域には10数機ほどがフライト。
こちらのパイロットが相手のエアインテーク付近にぶつかりました。直後、すぐに離れ双方ともパラシュートを開傘し
ツリーラン。

【考えられる要因】
空域はリッジソアリングをするパイロットで徐々に混みあいだしました。こちらの会員には無理に飛ばないようアドバイスしましたが、時折発生するサーマルでなんとか上げようとリッジ帯に留まった。実際はこのような空域でセンタリングするのは難しい状況でしたので、早々に諦めるべきでした。
どちらが悪いとは言いかねませんが、その空域を飛んでいたパイロット全員がそのような意識を持つべきでした。

同じ山に複数のクラブ(またはスクール)があるため、共通の無線での指示ができない。

過去に同じような状況で空中接触がありましたが、ここ数年はなかったのでまさか発生するかとの判断に甘さがあった。

パイロットは向上心が高く、このようなコンディションでも人より高く上げようとの意識が強かった。


2013/12/23

空中接触

【発生時間】 15:00~
【年齢】 20才
【性別】 男
【経験年数】 1年
【パイロットレベル】 プライマリー
【年間フライト日数】 ~50日
【天候状況】 晴れ
【風速】 3m/s
【状況】 サーマル発生
【内容】
テイクオフ前をリッジソアリング中
ほぼ同高度の同じグループの者同士数名ソアリングしていた。
前方の機体がターンをしたため、後方の機体と接触
双方ともレスキューパラシュートを投げ、テイクオフ下の木にツリーランディング

【考えられる要因】
前日に続き、日中はサーマルソアリング。
3時頃から穏やかにリッジソアリングしていた。
この日4本目のフライト。相手は女子B級、経験はほぼ同じ。学生同士、少しでも高度維持したいため、接近してのフライトになってしまった。
ランディングのインストラクターから距離感がつかみにくい。
昨年の合宿最終日も同様の事故があり、疲れや慣れが出やすい日時は同じ。


2013/09/11

スパイラル(試技)のままツリーラン

発生時間 : 14:00~
年齢(才) : 43
性別 : 女
経験年数(年) : 17
パイロットレベル : パイロット
年間フライト日数 : ~100日
天候状況 : 曇り
風速 : 2m
状況 : 穏やか
【内容】
午後の風が穏やかな時間帯に基礎練習。

1-1-1の宣言を空中でし、試技を開始した。
1-1-1を行ったがリカバリー出来ずにそのままツリーランディングした。

本人に怪我は無く、事なきを得たが重大事故につながる可能性は高かった。

【考えられる要因と対策】
環境要因:ホームエリアではないエリアだった。
ただ、何回も通ったエリアなので環境要因はさほど無かったと思われる。

影響要因:スパイラル中、ヘッドセットヘルメットだったが風の影響でか誘導が聞こえなかった。
仕様グライダーが使用後2年と少し経っていたので、スパイラルが戻りにくい状態であった可能性がある。
インストラクターが安易に試技開始のOKを出したので、お互いに集中力の欠如があった。

ヒューマンファクターズ:導入がスムーズに出来ず、2周目移行にブレークをさらに引き込んでしまった。
イントラは過去の試技の実績や、1周目の導入失敗で取りやめた経験が数回あったので、試技中止無線を見逃してしまった。本人にも2周目以降の導入の危険性は、何度もレクチャーしていたが行ってしまった。事前レクチャーがまだまだ足らなかった。
いつも、リカバリーが急になってしまっていたので、上手くやろうとブレーク操作をあまりしなかった。

対策:事前レクチャーの更なる徹底と無線音量など確認した上で試技を行うようにする。
また、試技内容はテイクオフ前に必ずコールし、インストラクターと試技者とのコミュニケーションを図る。
その際に事前レクチャーや音量などが確認不足な場合は試技中断をその場で連絡する。

イントラ側も重要な場面での無線誘導の見逃しがあった為、緊張感と集中力を持ったスクーリングが必要である。
スパイラルが戻らない機体がある事も認識し、チェックしていかなければならない。


2013/01/16