日本パラグライダー協会

会員の皆様からお寄せいただいた「ひやっとしたこと(インシデント)」を分類し、分かりやすくご覧いただけるようにしました。スクール様だけでなく、一般フライヤーの皆様にもぜひご覧頂き ご自身の安全フライトにお役立てください。

ひやっとノートフォーム

レッグベルト締め忘れ、脱落防止システムのおかげで大事に至らず

【発生日】2016年12月19日
【発生時間】11:00~
【パイロットレベル】エキスパート
【天候状況】晴れ
【風速】2~4m/s
【状況】サーマル発生
【内容】
テイクオフの準備完了し、風具合をみながらタイミングを図っていたところ、隣で準備していたパイロットのラインとライザーが絡んで手こずっていたので手助けしようとレッグベルトを外し、ハーネスを脱ごうとしたところラインの絡みが解けたので、フライトデッキを再び装着してテイクオフ態勢に。
レッグベルトを外したことを忘れ、そのままテイクオフ。
少し違和感を感じたが乗り慣れていない新型ハーネス(Aerotact Soyo エムシライト)であったため足を入れるのにちょっとだけ手こずったが問題なくフライト。
2時間ほどソアリングし、通常(体が少しずり落ちた感じがしたが)どおり着陸して、ハーネスを脱ぐ際にレッグベルトを締め忘れたことに気が付いた。しっかりした脱落防止システムに助けられたが、態勢次第ではもっとひどい状況になっていたかもしれない。初めての経験。
エムシライトの脱落防止システムに感謝!

【考えられる要因】
うっかりミスなのだろうけれど、このような状況は何時起こっても不思議ではない。最終的に離陸を決断したら、走り出す直前の、必要最小限度のチェック事項を定め実行すべきかもしれない。
マンネリ化してきた「ベルトよし、無線チェック....」を確実に励行するか、そのあとにもう一度
1.レスキューグリップ確認
2.カラビナ確認
3.ハーネスベルト確認
4.・・・・・


2016/12/19

スパイラルからの離脱失敗

【ひやっとしたこと】ツリーランディング
【発生日】2016年3月29日
【発生時間】11:00~
【パイロットレベル】エキスパート
【天候状況】晴れ
【風速】5m/s
【状況】強いサーマル発生
【内容】
大きな上昇気流帯から降下しようとスパイラル降下中に、遠心力で顔が上向きに張り付け状態となり、慌てて操作した結果、大きなサーチ後に全潰れを起こし、数本のラインが上面側を回ってしまいキャンディー状態となってしまった。
この時の高度が地面から500mくらいはあり、バランスを取れば飛行可能なようだったので、誘導でテイクオフの斜面上空へ移動させて、もう少し高度が下がったところで、レスキュー開傘してツリーラン。

【考えられる要因】
大きな上昇帯で上昇を続けていたので、知識不足からの怖さや不安感から、慌てた気持ちでいた。
その為、初めて経験する高速のスパイラルへ入れてしまった。
離脱方法は経験していたが、慌てた心境では正しい操作ができていなかった事も考えられる。

(環境要因)ツアーで行った慣れないエリアだったので、上昇帯のイメージができなかった。

(影響要因)本人がイメージできない状況の中で、焦ってスパイラルへ行動を移した事。

(ヒューマンファクターズ)慣れないエリアでの初めての経験で、知識の応用ができなかった事、不安な気持ち、技術の不足


2016/03/29