日本パラグライダー協会

会員の皆様からお寄せいただいた「ひやっとしたこと(インシデント)」を分類し、分かりやすくご覧いただけるようにしました。スクール様だけでなく、一般フライヤーの皆様にもぜひご覧頂き ご自身の安全フライトにお役立てください。

ひやっとノートフォーム

選択されているタグ : テイクオフ

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自撮り棒がラインにひっかかり、あわや・・・

【発生日】2016年7月10日
【発生時間】11:00~
【パイロットレベル】タンデム
【天候状況】晴れ
【風速】2m/s
【状況】サーマル発生
【内容】
タンデムフライトでテイクオフした時に、ライズアップした時、自撮り棒がライザーもしくはラインに引っかかり、ふわりと飛べたがすぐにスピンしてスタチンした。パイロット、パッセンジャーに怪我はありません。

【考えられる要因】
暑く、人が多かったので急いてテイクオフした。

タンデムパイロットに自撮り棒が、テイクオフ時に危険があることを自覚してもらい、ライザーラインに引っかからないように、付ける場所を確認する。


2016/07/10

ファスナーにラインがひっかかったままテイクオフ

ハーネスのファスナー部分にグライダーのスタビラインがひっかかったままテイクオフしてしまい、ツリーランしたインシデントがありました。



このようにならないよう、ファスナーをしまうポケットがハーネスにはついています(ついていないものもあります)。


もしくは、ファスナーの金具の隙間を潰すなどをして対策をお願いします。
特に最近はラインも細くなっていますので注意が必要です。

日本パラグライダー協会 安全普及事業部


2016/06/06

テイクオフ中止時の処置不良による谷への落下

【発生時間】 10:00~
【年齢】 64才
【性別】 男
【経験年数】 4年
【パイロットレベル】 ベーシック
【年間フライト日数】~50日
【天候状況】 晴れ
【風速】 1m/s
【状況】 サーマル発生
【内容】
テイクオフでの頭上安定直後、離陸決断へ移行の際に荷重が掛らず揚力も感じられなかった為中止ししようとフルブレーキングしたがグライダーに追い越され引っ張られる形で谷に引きずり落とされた。
幸いテイクオフの走路が長かったことでグライダーの余力が消滅し谷の入り口部分に落下しただけで大事には至らなかった。
ただ走路の短いテイクオフだったらと思うと身の毛がよだつ思いがします。

【考えられる要因】
ヒューマンファクターとしては今迄にテイクオフ中止は殆ど無くマンネリズム及び自信過剰が考えられる。
影響要因としてはアクセルシステムの接続部外れ対策をテイクオフ直前に全否定され取り外されてしまったことが少なからず影響していると思う、自身は冷静を装っていたが改めて思い返すとイラついていた、その時点で仕切り直しをすべきだったと思う。
対策としては上記のような事態を繰り返さない為に機材の不具合対策には自身としては絶対に手を出さないようにし販売側に直させる。
自身の対策としては地上での練習課題として確実なテイクオフ中止操作を練習する。


2014/02/26

テイクオフ取りやめできずツリーラン

: 11:00
: 男
: ベーシック
: 曇り
: 1m
: 穏やか
: 最初にインストラクターがフライトし、その後練習生からフライトを始めた。尚、このテイクオフはディレクター以外のインストラクターがビデオで撮影している。
フロントテイクオフのライズアップの時、肘が後ろに伸びきっているのと、風が弱かったので、なかなか上がってこなかった。斜度がきつくなり始めるころにグライダーが頭上へ上がる。この時にラインの絡みに気づき「はい、一回止めるよ!」と言いながらライザーをつかもうと左手を伸ばすが、つかめず止められなかった。グライダーは傾きなく上がり、スピードがついていて滑空状態に入る。
本人は、ストップの指示にテイクオフを取りやめるためブレークをするが、フルブレークでは止まれないと思ったので、とっさに片方(左手)のブレークを引き下げた(後の本人からの状況説明)。
グライダーのスピードを止めきれず、傾斜もありパイロットも止まれずそのまま滑空し、ランチャー台をこえ、ゆっくり左へ旋回しながらテイクオフ左下の木へ横からツリーランディングする。木に正面からぶつかるが、枝のかかりが浅かった為ずり落ちて、地面にエアバック部分から着地する。枝がしなって落下がゆっくりだったこと、落ちた場所が斜面の枯れ枝のところだったのでケガはしなかったが、グライダーのエアインテーク付近が3箇所破損した。

: (1)パイロット・ディレクターのプレフライトチェックが不十分だった。

(2)ディレクターがラインの絡みに気づくのが遅かった。

(3)メガホンと無線機をそれぞれの手で持っており、とっさの時にメガホンを離すことができなかった(ディレクターの「必ず止める」という意識不足)。

(4)後にビデオで確認すると、パイロットはディレクターの左から右に通過して行くのに、とっさの時にもかかわらず右手のメガホンで「やめるよ!」と声を出していた為メガホンを離せず、左手でグライダーを追いかけるようにライザーをつかもうとしていた(ディレクターの判断力不足)。

(5)今回の状況でのデッドラインをパイロットに示していなかった。又、パイロットもデッドラインについて理解不足だった。

(6)講習バーンで、無風時にライズアップをした場合のデッドラインを理解させていない。又、無風時の西テイクオフでの取りやめの方法も理解させていない。


2009/03/09

ラインが複数個所絡んだままテイクオフ

発生時間 : 16:00
性別 : 男
フライト本数 : 500_UP
フライト時間 : 1000_UP
レベル : エキスパート
フライト日数 : 100
天候 : 快晴
風速 : 3m
状況 : 穏やか
内容 : テイクオフは3-4m/secの向かい風。リバースライズアップには理想的なコンディションでたくさんのパイロット、講習生がフライト。最後に、10年以上フライトしていて、コンペ機を乗っているパイロット2人だけとなる。特に問題はなさそうなので、私もテイクオフディレクターの仕事も終え後片付け。ちょうど目を放した時に、1人のパイロットがテイクオフ。なんと、翼の左半分が考えられないほど絡んでいました。1~2本の絡みではなく、リバースライズアップで立ち上げをしていれば、気づかないということはありえないほどの絡みでした。すぐに、レスキューパラ、ツリーランを念頭にフライトすることを指示。なんとか右半分の翼をうまくコントロールし、田んぼに不時着。
要因 : ・コンディションが良すぎて油断した。→テイクオフディレクターも全員フライトするまで油断するべきではなかった。
・暑くて思考回路が正常に働いていなかった。→このような状況を見極め、テイクオフでは再度気を引き締めるようにさせるなどの指導が必要だった。すでに正常な状況でないパイロットであれば、フライトを中止させればよかった。
・ブレークコードで修正しながら立ち上げていたので、絡んでいるか気づけなかった。
→ブレークコードを使用せず立ち上げ、その後、頭上安定をするといった基本に忠実なライズアップをするべき。


2007/08/01