日本パラグライダー協会

会員の皆様からお寄せいただいた「ひやっとしたこと(インシデント)」を分類し、分かりやすくご覧いただけるようにしました。スクール様だけでなく、一般フライヤーの皆様にもぜひご覧頂き ご自身の安全フライトにお役立てください。

ひやっとノートフォーム

選択されているタグ : 講習高高度フライト

タグを絞り込む : アプローチミス クラバット ツリーラン テイクオフ プレフライトチェック ランディング レスキュー開傘 失速 潰れ

斜面近くでのセンタリング→ツリーラン

発生時間 : 11:00~
年齢 : 39
性別 : 男
経験年数 : 1.5年
パイロットレベル : プライマリー
年間フライト日数 : ~80日
天候 : 晴れ
風速 : 3m
状況 : サーマル発生
内容 : 尾根筋に上がって来るサーマルで、数回センタリングをして斜面沿い上がって頂上付近まで来ていました。
最後のセンタリングの際に、斜面側を向いた時に、頂上付近だった為に、それまでよりほんの少し流されるセンタリングとなり、迷ってしまった。(そのまま回すか、逆に切り返すか)
そして、フォローを受けながら流されて、高度もロスして、そのままフォローで林にツリーランとなってしまった。

考えられる要因 : センタリングは何度も経験はしているものの、斜面の近くでは慣れていなかった。
斜面際でのセンタリングで、特に先を見るゆとりが少な過ぎた。
山頂付近では特に流される事が、理解出来ていなかったから、一番まずい場所で迷った。

慌てる前に、本人が出来ていない予測を助ける無線を入れてあげられたら良かった。


2010/03/14

高齢者練習生

発生時間 : 10:00~
年齢 : 66
性別 : 男
経験年数 : 0
パイロットレベル : ベーシック
天候 : 晴れ
天候その他 : 初心者高々度飛行可能な状態
風速 : 2m
状況 : サーマル発生
内容 : 穏やかなコンディション、高齢者ベーシック練習生で高々度フライト6本目。離陸前の点検を担当イントラと一緒に実施。弱いサーマルの発生があったため、イントラが離陸タイミングを計る。ハーネスベルトの調整と取り付け、そしてライザーやグリップを適正に持った事を確認し、イントラは振り返ってテイクオフから飛行方向の空域と気流状態を確認し、15~20秒後、再度練習生の方を振り返って、離陸OKの指示を出す。ライズアップ動作良好、頭上安定の後加速体勢に入る時、グライダーの動きやハーネスが体にフィットしていない妙な状態に気づき、ライザーに飛びつきブレークを操作して間一髪のところで離陸中止。点検したところチェストベルトが完全に緩んだ状態になっていた。さらに右側ブレークがライザーを一回りしていて絡んでいた。このことに気づかず飛行を開始していたら、高々度飛行6本目の練習生にとってはとてもシビアな状態になったと思われる。
考えられる要因 : イントラと一緒に点検・装着を実施したが、イントラが飛行方向を向いている間にフライトスーツのポケットに入れた携帯電話が鳴ったため取り出そうとしたが、チェストベルトが邪魔になったためベルトを緩めて取出した。マナーモードにした後、ポケットにしまう際、チャックを閉めるとき右手に持ったブレークグリップを左手に持ち替え、チャックを閉めた。左手に持ったグリップを右手に持ち替えたとき、イントラから離陸OKの指示があった。離陸OKの指示が出たときチェストベルトを緩めたことを忘れた。
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事後の調査で、練習生の行動と原因が判明した。このことに気づかず飛行を開始し、事故になったら原因不明、練習生の操作不良とされると思う。練習生、特に高齢の方の場合は常にイントラが側にいて、全ての面での密着したサポートが必要と深く考えさせられた。
残念なことに、この練習生は2週間後の練習の際、テイクオフでの加速途中で前方へ転倒し上腕骨を骨折する重傷を負ってしまった。高齢者には、徹底した手取り足取りサポートで教習をしなくてはならないと感じている。


2009/11/03

テイクオフ取りやめできずツリーラン

: 11:00
: 男
: ベーシック
: 曇り
: 1m
: 穏やか
: 最初にインストラクターがフライトし、その後練習生からフライトを始めた。尚、このテイクオフはディレクター以外のインストラクターがビデオで撮影している。
フロントテイクオフのライズアップの時、肘が後ろに伸びきっているのと、風が弱かったので、なかなか上がってこなかった。斜度がきつくなり始めるころにグライダーが頭上へ上がる。この時にラインの絡みに気づき「はい、一回止めるよ!」と言いながらライザーをつかもうと左手を伸ばすが、つかめず止められなかった。グライダーは傾きなく上がり、スピードがついていて滑空状態に入る。
本人は、ストップの指示にテイクオフを取りやめるためブレークをするが、フルブレークでは止まれないと思ったので、とっさに片方(左手)のブレークを引き下げた(後の本人からの状況説明)。
グライダーのスピードを止めきれず、傾斜もありパイロットも止まれずそのまま滑空し、ランチャー台をこえ、ゆっくり左へ旋回しながらテイクオフ左下の木へ横からツリーランディングする。木に正面からぶつかるが、枝のかかりが浅かった為ずり落ちて、地面にエアバック部分から着地する。枝がしなって落下がゆっくりだったこと、落ちた場所が斜面の枯れ枝のところだったのでケガはしなかったが、グライダーのエアインテーク付近が3箇所破損した。

: (1)パイロット・ディレクターのプレフライトチェックが不十分だった。

(2)ディレクターがラインの絡みに気づくのが遅かった。

(3)メガホンと無線機をそれぞれの手で持っており、とっさの時にメガホンを離すことができなかった(ディレクターの「必ず止める」という意識不足)。

(4)後にビデオで確認すると、パイロットはディレクターの左から右に通過して行くのに、とっさの時にもかかわらず右手のメガホンで「やめるよ!」と声を出していた為メガホンを離せず、左手でグライダーを追いかけるようにライザーをつかもうとしていた(ディレクターの判断力不足)。

(5)今回の状況でのデッドラインをパイロットに示していなかった。又、パイロットもデッドラインについて理解不足だった。

(6)講習バーンで、無風時にライズアップをした場合のデッドラインを理解させていない。又、無風時の西テイクオフでの取りやめの方法も理解させていない。


2009/03/09

斜面近くでの旋回でツリーラン

: 13:00
: 男
: プライマリー
: 快晴
: 3m
: サーマル発生
: テイクオフ後にサーマルによりやや上昇。その後風下方向に旋回してしまい、サーマルに流されて斜面に近づき、回避出来ずにツリーラン。最終的にはほぼアゲンストに向いてツリーランとなったが、もう少し手前で引っかかっていたら、フォローで木に激突していた可能性もある。
: すぐ前に練習生が数人テイクオフしていて、サーマル含みのリッジの風で8の字で少しソアリングしていたのを見ていた。その練習生はこの本人よりもまだ経験が浅いフライヤーという事もあり、意気込んでサーマルに反応してしまった。


2009/02/07

稜線風下側シンクでツリーラン

: 11:00
: 男
: ベーシック
: 晴れ
: 3m
: サーマル発生
: 山頂付近でサーマルソアリング練習中に、センタリング時に流され過ぎて稜線を少し後ろへ超えてしまい、シンクにはまりツリーラン。
: この練習生はもうすぐプライマリーになるような方で、フル誘導ではなくなる頃だったので、声を掛ける頻度が少なくなっていた。
まだ慣れていないソアリングだったので、もっと声を掛けるべきであった。


2009/02/06