JPAパラグライダーレスキューレベル1,2認定検定会・エアパークCOO 3月3日(土)

レポート:小林 晋(グランボレパラグライダースクール)

 3月3日土曜日、茨城県のパラグライダースクール、エアパークCOOさんのご協力のもと、パラグライダーレスキューレベル1.2検定会が行われました。

前日の雨がすっかりとあがり、実技検定には申し分ない条件となりました。

 参加者の方は3名。皆さん予定時間より早く集合されています。今回の検定に対する高い意欲を感じました。まずレスキューの検定が行われる必要性や背景について説明を行いました。早速全員で山を登っていきます。

 救助はいつどこで起こるかわからない事態にすばやく対処することが必要です。ことにパラグライダーは空間を広く移動するスポーツです。必要とされる現場へできるだけ速やかに到着しなければなりません。つまり基本的な体力がとても重要だということになります。

 参加者のみなさんはずべての救助道具を背負って、エアパークCOOのスクールハウスからテイクオフまで登坂していきます。

参加者の中にはこの時点でかなりの体力を消費してしまった方もいたようです。しかし現実には休んでいられるような時間はありません。そこでこの検定もテイクオフに到着するや否やすぐにやるべきことを指示します。

 最初の検定種目は「木を登る」です。基本的な技術ですができるだけ早く、しかも正確に実施できなければ救助はできません。2人組みで登る方法と、ロープソロで登る方法を実施します。

 ここでももっとも重要なのは基本をおろそかにしないこと。カラビナのロック、ゲートの向き、ロープの取り扱い方を口うるさく指摘されます。

受験者の皆さんは休憩も取らずに動き続けますので、疲労感などが集中力を乱すと大きな事故につながります。とにかく集中して作業を続けます。気を登りながらロープの張り込みを行い、続けて「宙吊りからの自己脱出」を行います。

 「宙吊りからの自己脱出」はレスキューに必要な道具の意味、システムの意味、をよく理解していることが求められます。限られた道具で同じシステムを構築する応用技術も求められます。そこで今回の実技ではいくつかの道具を足りない状況にして、実施しました。必要なシステムが正確に理解でき、また道具の応用ができれば問題なく行えるはずです。ロープジャッキがない、エイト環がない、スリングが足りない状況などに対応して実施します。


 ここまで実施してお昼となりました。本日はエアパークCOOさんの安全祈願祭ということで、われわれも祈願祭に参加します。

しかし検定会は休みなく、当然のようにお昼ご飯の時間などはなく続けられます。


 まずはもう一度「宙吊りからの自己脱出」の確認です。道具のパターンを変化させて実施します。教科書どおりの手順を暗記するだけでは対応が難しく、参加者の皆さんも苦労されていましたが、なんとか自己脱出に成功しました。

 この時点で日も傾き始め、だいぶ寒くなってきました。つづけて救助訓練を行います。カウンターラッペルを用いて宙吊りの状態から要救助者を救助します。この種目ではシステムを作ることはもちろん重要ですが、慣れない高所での作業、空中にぶら下がっての作業、と難易度があがります。実際の練習を積み重ねていないと、うまく体を使うことができずに行き詰まってしまいます。

 要救助者と救助者に別れて実技を行いますが、ここまでで相当の疲労がたまっているのか、動きも鈍くなります。また集中力も途絶えがちで次の動作、作業を想定しながら行うことが難しくまります。われわれも声がけを行いながら、集中力を維持できるように励みます。

 ここでもカラビナを確実にロックすること、ロープの通り方をかんがえること、など基本をおろそかにしてしまうと、作業が行き詰まるばかりか、要救助者、救助者ともに危険な状態になってしまいます。

その点を注意しながら実施します。

 実際に行ってみると、システムが完成しているのにライザーが外れなかったり、ロープジャッキが絡まったりと、トラブルも起きます。それらを起こさないようにすばやく行う必要があります。


 この種目をおえて完全に日も落ちてしまいましたが、まだ行うことが残っています。みんなでヘッドランプを装着して使用したすべての道具の回収を行います。おそらく疲労もピークを迎えていますが、さいごまで集中して行います。

暗闇で作業することも経験を通して、どれほど視界がないのかを体感することができます。中途半端な明るさではまったく役に立ちませんので、きちんと明るさを確保できる道具が必要になります。

暗闇での作業をおえて、クラブハウスへ戻ってきたところで、道具を整理して、最後のまとめに入ります。

JPAの半谷顧問からも検定に対する意義をお話いただき、総評を交えて合否をお伝えします。

結果は全員合格となりました。

このような経験、技術を有する人が少しずつ増えることがもっとも確実にエリアでの救助の質を高めることのつながることになると思います。

受験者の皆さんは本当にお疲れ様でした。

最後になりますが、予備日を含めて二日間のあいだエリアでの準備にご協力いただきました、エアパークCOOのスタッフの皆さんにお礼を申し上げます。



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協力
AIR PARK COOパラグライダースクール

講師
小林 晋(グランボレパラグライダースクール)


合格(前方右から順)
野村 和宏(エアパークCOOパラグライダースクール)
青木 翼(浜名湖パラグライダースクール)
清水 浩一(KPS那須高原パラグライダースクール)
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このような厳しい検定会に一般のパイロットの方たちが参加されることに感謝いたします。


パラグライダーレスキューレベル1,2認定検定会・COO 3/2(金) 準備日

明日から茨城県エアパークCOOにて「パラグライダーレスキューレベル1,2認定検定会」が開催されます。前日の今日はあいにくの天気でしたが、受験されるパイロットの方は雨の中練習をされていました。

明日は天候にかかわらず8時開始です。講師はグランボレの小林インストラクターです。



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レスキューレベル3認定検定会、読売新聞で紹介されました。レベル1,2認定検定会〆切まもなく


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パラグライダーレスキューレベル1,2認定検定会は3/3,4に茨城県エアパークCOOで開催されます。JPAスクールには1名以上のレベル3所持者がいらっしゃるようにお願いします。まずは、レベル1,2をお持ちでないスクールがいらっしゃいましたら、この機会に是非ご参加ください。


レベル1,2の認定検定会はこれが今年最後の開催となります。締め切りは2/27(月)となります。


2012第4回JPAパラシュートリガー更新研修会 宇都宮 2/15(水)

レポート:近藤 正哉(スカイパーク宇都宮)

栃木県鹿沼市にある板荷コミュニティセンターで、リガー更新研修会を行いました。今回は、スカイパーク宇都宮の近藤が初めて講師をやらせていただきました。午前中は色々なビデオ映像などを見せながら、質問したり解説したりとリガーに必要な知識、一般の方への指導範囲、責任ということを踏まえて常に考えて行かなければいけないことなどを一緒に勉強しました。

お昼頃に学科試験。午後は新提案のパッキング方法を練習し、その後タンデムなどを他リガーのものと交換してチェック及びパッキング等の実技を2個ずつ行いました。普段あまり行われていないタイプのせいか苦戦している方が多く、全員が終わったのは8時半頃でした。色々と大変でしたが、聞き手から伝え手に意識変換することで曖昧だったことが大分分かるようになりいい経験をしました。

参加された皆さんお疲れ様でした。


会場:板荷コミュニティセンター
講師:近藤 正哉(スカイパーク宇都宮)

更新:谷田 重雄(スカイパーク宇都宮 / JPA理事)
   水沼 典子(スカイパーク宇都宮)
   望月 聖司(埼玉こまちパラグライダースクール)
   望月 正美(新治こまちパラグライダースクール)
   植木 亨 (トントンとんびパラグライダースクール / JPA理事)


感想:
今季より積極的にたくさんのインストラクターの方たちに講師をしていただいています。同じインストラクターを目の前に話をしなければいけない緊張感は体験してみないとわからないと思います。今回講師をされた近藤さんも開催日までこのリガー更新会のことが頭から離れることがなかったそうです。
緊張感を軽減するためには自信を持つしかありません。自信を持つためには勉強、練習を人一倍行わなければなりません。
講師のみなさんは、そのような努力を惜しまず準備をされています。そのエネルギーがJPAのパワーになることは間違いありませんし、スクールの活力になります。


JPAは来年で10周年となります。その節目の年を迎えるにあたりよりパワーアップしてきていることを感じます。(JPA教育事業部長 岡田)

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