9時前には現地入り。砂浜は台風の影響で流木が目立ちましたが、問題なし。まいまいハウスではいつも通り館長がお出迎え。さっそく機材を運び入れ設置です。会場の設置作業には慣れているものの、やはりこのイベントの準備には時間がかかります。大会とも違う、ほかのセミナーとも違う独特のものがあります。特別なシミュレーターの準備、救助艇の機材の準備と・・・・結局一日時間を費やすことになりました。夕方にはカメラマンの森田さん(スカイ獅子吼)、山口校長はじめ琵琶湖スカイパークのスタッフのみなさん、高地さん(バーズ)と続々と到着され明日へ向けて最終確認。いよいよ本番は明日です!
明日の天気予報は絶望的だったものの、夕方チェックすると好転の兆しが・・・。8時半集合です。
セーフティートレーニングまであと2日となりました。ここ近年、2ライナーの登場が話題となりましたが、はたして2ライナーはなにがどう今までのグライダーと違うのでしょうか、これはシリアルモデル(市販機)に関しても言えます。4ライナーから3ライナーへ多くのグライダーは変化していますが、性能が良くなるということ以外にどのような違いがあるのでしょうか。もちろん、インストラクターは明確にそのことを知っていなければなりませんし、パイロットも正確にそのことを知らなければなりません。グライダーの挙動、性質を知らずしてフライトをし、トラブルに陥るといったことは有ってはならないことですが、そのようなトラブルは世界的に発生しています。過去にセーフティートレーニングを受講された方はたくさんいらっしゃると思いますが、そこでの知識、技術をそのまま現在の最新のグライダーに当てはめることは大変危険です。年一回の開催ですが、最低年一回は受講をし知識、技術をリフレッシュすることはそのような勘違いを防ぐ意味でも大変重要です。
もちろん、技術、知識が完ぺきになっても事故はゼロにはなりません。それはヒューマンエラー理論から明らかです。安全に楽しく、社会に迷惑をかけずフライトをする上で、我々パイロットは様々な配慮を払わなければなりません。ともあれ、セーフティートレーニングはその一端を担っています。今回もそのための理論講習、実技講習の準備は万端です。
そのトレーニングの2日前の今日、琵琶湖で事前の救助訓練を実施。着水することは稀ですし、救助スタッフもすでに実績がありますがそこに甘えることなく、さらなるシミュレーションを行い、準備を万全にすることにしました。寒空で本当に行うのか躊躇しましたが、救助は時と場所を選びません。今回は琵琶湖スカイパークのパイロット・吉積さんのマリーナをお借りし、スタッフの山口、近藤、岡田が実際に救助模擬。パラグライダーを付けた状態でパイロットを着水させ、どのように救助するのがベストか色々と試しながら練習。交代でハーネスをつけたりしながら、救助する側される側を体験し理解を深めました。実際に思い込んでいたことと体験したことに若干違いがあったりし、良い修正をすることができました。
明日は現地に入り最終準備となります。
予定通り8時集合。西側ではすでに雨が降り出していますが、フライトのチャンスがありそうなので早速移動開始・・・としたところでやはり雨。無理せずセミナールームで講義となりました。
まずは昨日の復習。旋回理論そして振り子安定に対して様々な角度から理解を深めました。イメージはバッチリ、あとは継続練習あるのみです。一通り講義を終えたところで次のテーマ。
みなさん、改訂版のパラグライダー最新テクニックブックを持っているということもあり、この教科書の内容について一通り説明させていただくことにしました。まずはこの教科書の意義、使用方法・・・そして各項目について。基礎技術、アクティブ操作、降下手段と十分に熟考されて作られた各テーマについて順を追って学びました。
途中、休憩時間をはさみながら行いましたが、その間もハーネス調整、ノートへの記帳、先輩から後輩へアドバイスとみなさんの“やる気”はとどまることを知りません。ほとんど休みらしい休みはないまま時間は過ぎ、あっという間に夕方になりました。途中、みなさんに質問をしながら講習を行いみなさんの理解度をチェックさせていただきましたが、三上校長の指導の賜物かみなさんの理解に問題なし。大鰐の環境を活かし、みんなで楽しくパラグライダーを学んでいただければと思います。
終わるころ、雨も上がり晴れ間も見え出しましたが、山頂は残念ながら追い風。今回のセミナーはここまでとなりました。
講師の私にとっても充実した3日間となりました。三上校長はじめチャレンジフィールドパラグライダースクールのみなさんには大変お世話になりました。ありがとうございました。