海外フライトを行うにあたって

海外フライトを行うにあたって

日本のエリアと違い、ほとんどのエリアは入下山チェックもなくエリアに行けばフライトすることができます。ただし、天気の情報やエリアルールなどを自分で調べなければなりません。もちろん、フライト中にエリア管理者からなにか情報が入ることなどもありません。緊急時の対応をすべて自分で行わなければなりません。

このように日本の管理されたエリアとはまったく違います。このような環境でフライトするにはこれらすべてに対応できるガイドもしくは同等の経験が必須です。

以下の点をご確認の上、海外でのフライトを楽しんでください。

●ガイド
エリアを熟知したガイドからエリアルール、ウェザーインフォメーション(天気予報)を必ず入手しましょう。また、天気の変化など常にガイドから情報を得られるようにしておきましょう。

●ランディングの下見と高度処理及びアプローチの確認
決められたアプローチ方法があれば、ランディングに掲示されていることが多くあります。必ず確認しましょう。

●飛行危険区域、及び禁止区域等、エリアルールの確認
日本と違い、航空管制圏が隣接しているところがありますので事前の確認が必要です。ンディングが禁止となっている区域や風向きによってタービュランスになる場所なども確認しておきましょう。

●現在地の把握

エリアによっては簡単に日本以上に広範囲にフライトすることができますので、必ず自分を確認してもらえるバディーと飛びましょう。単独でフライトし、見知らぬ土地にランディングですと、さすがのガイドも迎えに行くことができません。フライトする前に地図の確認、フライト範囲の把握をしておきましょう。

*これら、日本ではエリア管理者すべて行っています。そのかわりをしてもらえるガイドが必要  です。
*特にエリアルールは知らなかったでは済まされないことがあります。

★引率者の皆様へ
ヨーロッパのフライト環境におけるサーマル、風の流れ等、大きく差はありません。しかし、その雄大すぎる山並みと環境こそ日本人のパイロットを惑わせる大きな要因と考えられます。生徒レベルのみならず、パイロットであっても必ず位置確認とフライトポジションに目を配り、常に指示、アドバイスを呼びかけることができるようご注意ください。

海外でもHaapy Landing!!



乾燥した晴天が続きます

例年以上に乾燥した晴天が続き、数多くのクロスカントリーフライトが達成されている反面、インシデントも報告されています。
空中でのトラブルはパラシュート開傘、ツリーランディングということで難を逃れることができますが、対地高度のないテイクオフ、ランディングで異常飛行になってしまってはそうもいきません。以下の点の徹底をお願いします。

トラブルが起こりやすい場面としては
サーマル交じりのクロスウインドのテイクオフ
 -頭上安定ができなければ取りやめる
 -アクティブ操作で飛び立つ(=フルグライドで飛び立つようなことは絶対にしない!)
 -対地高度が十分に取れるまで、スタンディングポジションの徹底

風向きが変わりやすいランディング
 -途中でアプローチ経路は変更しない
 -場合によっては追い風でタッチダウンになることも想定しておく

いずれにしても、サーマルコンディションでフライトする以上はアクティブ操作は必須です。グライダーの安定性に甘んじフライトできるコンディションには限界があります。


2014JPA事故対策会議

今年の事故対策会議のテーマはヒューマンエラーです。
事故のほとんどは人間の起こす何らかのミスによって発生しています。有名な「ハインリッヒの法則」という、1つの重大事故の背景には29の軽微が事故があり、さらにその背景には300のヒヤリハット(事故には至らなかったがヒヤッとした)が存在する、というものがありますが、これは専門家が今まで発生した多くの事故例を検証した結果かなり信頼のある数字のようです。
そしてこの1:29:300の3つは互いにつながっています。ということは300のヒヤリハットを消していくことができれば軽微な事故や重大事故が予防できるということです。
この300のヒヤリハットのうち、より多くを発見することのできる思考や能力を身につけるための意識改革の第一歩を目指した内容でした。
テーマを“思い込み”に絞り、少しでも分かりやすく、心に残るような内容になるよう心がけて開催させていただきました。
少なからず参加者の皆さんの意識改革のきっかけとなったと思います。

2日目にはシニアのスクール生の方々に対する最適なケアのについて植木理事の実体験を元に参加者でのディスカッションでした。参加者の皆さんからも多くの疑問や意見が飛び交い有意義な場となったと思います。
年齢問わず、多くの方が今よりももっとパラグライダーを楽しむことができる環境づくりを作り上げていきたいという意識がJPA各スクールで共有できたのではないではないでしょうか。

今年も1年事故防止に取り組みながら、多くの方にパラグライダーの楽しさを伝えることができれば、と思います。
ご参加いただいた皆様ありがとうございました。

安全普及事業部 前堀善斗

会場:富士山YMCA

担当:安全普及事業部、教育事業部

3月5日(水)
13:00  挨拶(担当理事:小林)

13:05  (進行:岡田 事故報告書から見るヒューマンエラー:前堀)

本年度の事故の傾向、ヒューマンエラーに関する基礎知識の復習。“思い込み”をテーマに導入から、実際の事故報告書を“思い込み”のテーマをもとにグループワークにて考察し発表。2件の事例を使用。インストラクター自身のモチベーションに触れ、まとめ

16:30  富士火災の山本氏より保険に関するお話

18:00  終了

3月6日(木)
8:30  挨拶(担当理事:小林)

8:35  大会に関するアナウンス(競技事業部)
     
8:45  最近の機体の飛行特性(小野寺)
     
10:00  高度処理とアプローチ(扇澤)
       
11:45  昼食

12:45  グライダーチェックに関して(岡田)
      
13:00  シニア世代のスクーリング(植木)
      
14:30  理事会からの提案(田中)
      
15:30  終了