日本パラグライダー協会

会員の皆様からお寄せいただいた「ひやっとしたこと(インシデント)」を分類し、分かりやすくご覧いただけるようにしました。スクール様だけでなく、一般フライヤーの皆様にもぜひご覧頂き ご自身の安全フライトにお役立てください。

ひやっとノートフォーム

偏流強風時のキャノピーの潰れ及びアウトランディング

【発生時間】 14:00~
【パイロットレベル】 エキスパート
【天候状況】 快晴
【風速】 7~8m/s
【状況】 強いサーマル発生
【内容】
サイド強風時のフライト。
テイクオフからランディングに向かってへ偏流飛行していたが、サーマル混じりの中、一時的に強風が吹き荒れ、緊急ランディング目標に決めた場所から150m風下に流され、上空100mで片翼の潰れが連鎖し、高度を落とし、さらに風下の空き地へソフトランディングした。

【考えられる要因】
気象の変化の認識不足。
飛べるという根拠のない自信。


2014/05/11

タンデムプレフライトチェックミス

【発生時間】 11:00~
【パイロットレベル】 タンデム
【天候状況】 晴れ
【風速】 6m/s
【内容】
サイドの風
49歳:タンデムパイロット
パイロットの右側のラピッドリングとタンディムバーを留め忘れていたためパイ
ロットが片側宙吊り状態となった。
機体は安定しており低高度だったため、そのまま砂浜にランディングした。
パイロット・パッセンジャー共に傷害等はなし。

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○状況
当日、2本目のタンデム。ハーネスは1本目と同じものを使用。
南東サイドで、すこし風が上がってきており、何度か立ち上げを失敗したため一
旦中止した。
その後、すこし風が収まり若干向きも良くなったため、フロントでテイクオフした。
出て直ぐ、パイロットが片側だけの宙吊りとなった。
山沈しろとの声も聞こえたが、右のブレイクが引かれた状態で戻せず(どの程
度、引いた状態になっているかがわからない)
左旋廻に入れると失速する可能性があると思い、左をすこしだけ引いて風上方向
の砂浜へ直進しランディングした。

・右を引くと体重が乗ってしまい引きすぎになるためコントロールしにくい状態
だった。(左はコントロール可能)

○原因
はっきり記憶がないのだが、テイクオフを中止したときに、カラビナが外れな
かった(砂詰まり?)か何かで
ラピッドリング側を外してしまったのではないかと思う。
普段、ラピッドリングを外すことはないので、テイクオフの時にチェックをしな
かったのが原因。
もし通常通り、バッグハンド(時計回り)でライズアップしていたら、普段と違
うのに気づいたかもいれないが
このときはフロントだったため、まったく気づかなかった。

【考えられる要因】
ラピッドリング側は絶対に外さないこと。
・2回目(テイクオフのやり直し)であっても、チェック(ラピッドリングも含
む)と説明を行う。
(チェック&説明の、手順を変えてしまうと何かが漏れてしまうように思うの
で、重複しても必ず行うようにします)


2014/05/05

ランディングクラッシュ

【発生時間】 09:00~
【パイロットレベル】 タンデム
【天候状況】 快晴
【風速】 0~4m/s
【状況】 サーマル発生
【内容】
朝8時テイクオフでランディングは8時15分頃。
ランディングアプローチ中に風向風速の変化により(サーマルブローに止められ)10m弱の高度で失速気味になり接地間際の回復によるシューティングをフルブレークで接地。手前の田んぼ法面にクラッシュランディング
幸いにも怪我はなかったが接地地点には側溝もあり非常に危険な状況だった

【考えられる要因】
・風が弱くサーマルブローによる風向・風速に変化があった
・エリアで今年初フライトで初タンデムだった
・春のコンディションなので早めスタートで8時にスタートしたがランディングはすでに安定しないコンディションだった。
・ランディングディレクターも風が安定しないと感じていたが体験タンデムだったのと校長なので大丈夫だろうと判断。


2014/04/13

潰れ→レスキューパラシュート

【発生時間】 12:00~
【年齢】 42才
【性別】 男
【経験年数】 9年
【パイロットレベル】 パイロット
【年間フライト日数】 ~100日
【天候状況】 快晴
【風速】 3m/s
【状況】 サーマル発生
【内容】
セミナー参加でフライト。
雲底1500mほどをフライト中、雲の吸い上げに遭遇。
慌てて降下手段で翼端折をしようとしたところ、潰れが発生。
旋回に入ってしまい、レスキューパラシュートを使用した。

開傘後、ツリーランし本人には怪我は無かった。

【考えられる要因】
環境要因
天候は雲がやや発達して吸い上げがあった。
ただ、フライトには問題の無いレベル。
機材は3年以上使ったモデルであり、定期チェックも行っているので問題なし。
以前にこのエリアをフライトした経験はあったが、久しぶりであった。
しかし、事前のレクチャーはしっかりと行っていた。

影響要因
セミナー参加という事でプレッシャーがあったのではないか。
当日テイクオフに忘れ物をするなど、注意散漫な部分が見られていた。

ヒューマンファクターズ
遠征でのフライトという事もあり、長時間のドライブ。
やや寝不足があったと思われる。
レスキュー使用時は雲の強い吸い上げに合い、精神的な焦りがあり操作を慌ててしまった。
更にコラップス発生時の対応が遅れてしまい旋回へ、回復が不可能と判断しレスキューを使用する事となった。

<対策>
遠征という事もあり、移動は大変であるが体調を考えてフライトを考慮する。
あまりに寝不足等で注意力散漫であればフライトのキャンセルしなければならない。

雲の吸い上げがある事は目に見えて明らかであり、無線でもそういったアナウンスは度々あった。
そういった吸い上げがある雲でのフライトコースを再確認する。
レスキューを使えた事は良かったが、リカバリできるレベルであった。
リカバリ操作、アクティブ操作のトレーニングを行う。


2014/03/15

テイクオフ中止時の処置不良による谷への落下

【発生時間】 10:00~
【年齢】 64才
【性別】 男
【経験年数】 4年
【パイロットレベル】 ベーシック
【年間フライト日数】~50日
【天候状況】 晴れ
【風速】 1m/s
【状況】 サーマル発生
【内容】
テイクオフでの頭上安定直後、離陸決断へ移行の際に荷重が掛らず揚力も感じられなかった為中止ししようとフルブレーキングしたがグライダーに追い越され引っ張られる形で谷に引きずり落とされた。
幸いテイクオフの走路が長かったことでグライダーの余力が消滅し谷の入り口部分に落下しただけで大事には至らなかった。
ただ走路の短いテイクオフだったらと思うと身の毛がよだつ思いがします。

【考えられる要因】
ヒューマンファクターとしては今迄にテイクオフ中止は殆ど無くマンネリズム及び自信過剰が考えられる。
影響要因としてはアクセルシステムの接続部外れ対策をテイクオフ直前に全否定され取り外されてしまったことが少なからず影響していると思う、自身は冷静を装っていたが改めて思い返すとイラついていた、その時点で仕切り直しをすべきだったと思う。
対策としては上記のような事態を繰り返さない為に機材の不具合対策には自身としては絶対に手を出さないようにし販売側に直させる。
自身の対策としては地上での練習課題として確実なテイクオフ中止操作を練習する。


2014/02/26