日本パラグライダー協会

会員の皆様からお寄せいただいた「ひやっとしたこと(インシデント)」を分類し、分かりやすくご覧いただけるようにしました。スクール様だけでなく、一般フライヤーの皆様にもぜひご覧頂き ご自身の安全フライトにお役立てください。

ひやっとノートフォーム

試技内容の理解不足

発生時間 : 14:00~
年齢 : 35
性別 : 女
経験年数 : 3
パイロットレベル : プライマリー
年間フライト日数 : ~20日
天候 : 快晴
風速 : 3m
状況 : 穏やか
内容 : 片翼コラップスからの回復操作の練習中。パイロットライセンス取得寸前の5名ほどの同レベルの練習生に指導していたところ、このパイロットが来場。コラップスの練習に参加したいとのことで許可、その際操作手順を理解しているかどうかたずねたところ理解しているということでそのまま離陸地点へ。左翼コラップスの導入のため左翼Aライザーを引き込みコラップスを発生させたが、Aライザーをそのままホールドしたために片翼を潰したままスパイラルへ移行した。その後、無線指示に従い回復したが高度が低く、場周経路に入ることもできず、追い風で着陸場内にハードランディングした。軽度の足首捻挫ですんだが、重大事故寸前の状況であった。
考えられる要因 : 5名の練習生に対しては事前の机上講習、ビデオ映像での操作要領、ハーネス吊り下げ装置でのシミュレーションを行い、実際の練習を行っていた。途中参加する形になったこの練習生は、4ヶ月ほど前にも2回の片翼コラップスからの回復操作を練習していて、担当インストラクターは操作要領を覚えているものとして、フライト練習に参加させた。本人も操作要領をしっかりと記憶しているものと考え、復習のつもりで参加したのだが、実際にコラップスを発生させた後、以後の操作方法がわからずそのまま放置するような形となってしまった。ランディングのイントラからライザーを離すように指示があって、操作手順を思いだしたとのこと。練習生に何を練習してもらうのか、そしてその課目の実施要領と注意すべき点、失敗した場合の回復操作要領など、必ず十分なブリーフィングを行って実施すべきであった。また、年間飛行日数が20日間未満ということは、技量維持がようやくできるかどうかで、場合によっては低下するものとして考えるべきであった。


2006/10/12

あわや水難事故

: 17:00
: 67歳
: 男
: パイロット
: 晴れ
: 2m
: 穏やか
: 海の上でやや深い高度処理のための旋回を終了した直後(高さ約30m)、翼端の交互の潰れが発生し、それを対処してる内にフラットスピンに入り、砂浜から約10m、深さ約2.5mに着水。着水後は、ハーネス及びウェイト2kgの影響か、全く頭(顔)を水面から出すことが出来ない状況に陥ったが、運良く近くにいた海水浴客に助けられた。

: ほんの少し揺れる程度で、コンディション的には全く問題無し。
経験豊富ではあるが、67歳の高齢者。失速の早いコンペグライダーだったのが要因ではないか


2006/08/24

ブレークコードの縮み?

: 11:00
: 男
: パイロット
: 曇り
: 1m
: サーマル発生
: テイクオフ後、直線飛行でサーマルに進入。グライダーを安定させようとブレークコードを軽く引いたところアングルが上がり、コンスタントストールからフラットスピンに移行しグライダーがスパイラルダイブに入るところでレスキューを投げる。
レスキューの判断が早かったため、本人、機体、その他に損害はありませんでした。
: ・パイロットはフライトのブランクが長く年間日数も数日と少ない。
 そのため、ついブレークコードを引き気味になっていたのではないか?
・機体をチェックしたところ、ブレークコードが縮んでいた兆候があり(約5cm)
 ストールに入りやすい状態だったのでは?
などの条件が複合して起きたものと考えられるが、ブレークコードの縮みが大きかったことは見逃されがちなので注意が必要でしょう。


2006/08/16