第34回 デサントバードマンカップ獅子吼2015


獅子吼の夏恒例となるデサントバードマンカップは、第34回目を迎え、好天の中両日ともに歴史のある大会としてふさわしいタスクが成立しました。




獅子吼高原エリアでは、南側と北側を大きな高圧線が渡っている特徴から選手の安全を喫し範囲5km程度の山並みの中高圧線を跨がないように飛ぶ往復タスクが組まれます。毎年同じようなタスクなのですが、午前中にスタートした場合海風の侵入とともに、それまで活発だったサーマル活動が弱くなり、着陸してしまうリスクをどうこなすかなど、風の読、判断、決断、そしてゴールラインまでたどり着くというパラグライダーレースの醍醐味を味わえるのがデサントバードマンカップです。




8月1日、2日、獅子吼高原は強い太平洋高気圧の圏内で沈降性逆転層に覆われサーマルコンディションは渋く、速度を競う大会ではあるものの高さを保ちながら少しでも速く(ゆっくり)ゴールを目指すという、コンディションを確実に読み切った選手が勝利を得るテクニカルなものとなりました。








チャレンジリーグで集まった選手たちはグランプリ大会ということと、今年から名前を刻むことができるデサント獅子頭杯が贈呈されることもあり選手は気合が入っています。N2リーグは34回目となる獅子吼杯にどうしても名前を刻みたい選手が顔を並べデットヒートが予測されます。





大会初日タスクコミッティーからは、N2リーグ29.9km、チャレンジリーグ17.1kmのタスクが発表され、午前中のゲートオープンの為海風の侵入のリスクを考慮しながらも、選手は続々とテイクオフしていきます。レースが始まるころに最高に達したこの日の最大到達高度は低く、ゴールを目指す選手たちにとってはサーマルを見つける度に、サーマルトップに選手がひしめき合う形となり緊張感が漂います。選手たちにとっては、いつも以上に周りを警戒するための集中力を保ち、猛暑との戦いも制する必要があり、駆け引き、上昇技術、そして体力を使いゴールを目指しました。






初日N2リーグ、ゴールを真っ先に切ったのはJMB立山所属の藤野選手。地元北陸がホームでありどうしてもデサント獅子頭杯に名前を刻みたいパイロットの一人です。そして、久しぶりに中井選手が粘りの飛びを見せさすがの2位。3位に最近絶好調の鈴村選手。そして、今大会デッドヒートを繰り広げた女子達の中で、麻生選手、河野選手、星田選手、佐藤選手がトップ10内でゴールを決め女子パワー炸裂の初日を終えました。

チャレンジリーグは、エラップスタイムレースということもありゆっくりテイクオフしていく感じのスタートでしたが、1時間30分台で、田村選手、広瀬選手、藤本選手がゴールに飛び込み、グランプリ覇者を狙いる位置をキープしました。選手の中には、4時間飛んだけれどもゴールにたどり着けなかった選手も現れるほど渋いコンディションでしたが、これがパラグライダー大会の醍醐味といえるでしょう。





2日目、タスクコミッティーからは昨日ゴールにたどり着けなかった選手たちのリベンジということで同じタスクが組まれました。チャレンジリーグはエラップスタイムからレースツーゴールに変更され上位3名の選手のうち、真っ先にゴールに飛び込むことが出来る選手がグランプリ覇者となります。オープン参加の選手を含めたN2リーグの選手たちは、昨日よりは良い飛びをしたいと意気込みながらテイクオフしていきました。





N2リーグはこの日もオープンクラスで1位となった高杉選手をマークしながら飛んだ藤野選手がトップでゴールし、デサント獅子頭杯に名前を刻む栄光を手にしました。3位には女子の吉川選手がトップと遜色のないタイムでゴールし、女子の実力を見せつけました。そして、グランプリをかけたチャレンジリーグのデッドヒートを制したのは、JMB中部の樋口選手。速度のあるトランジッションが目立ち、昨日トップ3の中から抜け出した藤本選手と至福のファイナルグライドを決めました。




第34回デサントバードマンカップN2リーグ優勝は、2日間トップゴールを決めた藤野選手が完全優勝の名誉とともに、憧れのデサント獅子頭杯に名前を刻みました。熱い女子の戦いを制したのは、2日間好タイムでゴールを決めた河野選手。強豪を抑えての優勝は圧巻でした。そして、グランプリをかけたチャレンジリーグは2日間ともにトップに絡む飛びをした藤本選手がグランプリチャンピオンという栄光とともにデサント獅子頭杯杯に名前を刻むことになりました。






デサントバードマンカップでは毎年上位入賞の皆様はもとより全選手に、株式会社デサントより多くの賞品が配られます。今年は、GINGLIDERSからの賞品も加わり、いつもに増して豪華な賞品を手にした上位選手でした。暑い夏ですが、フライト確立が高く参加選手にとって満足度の高いデサントバードマンカップは来年も開催予定です。選手の皆様はお誘いあわせのうえ、ぜひパラグライダーレースの醍醐味を味わいに、数々の賞品を獲得するために、憧れのデサント獅子頭杯に名前を刻むためにいらしてください。






最後に、多大なご協力を頂きました地元白山市、スカイ獅子吼パーク獅子吼の皆様、そして獅子吼レッズの皆様に厚く御礼申し上げます。