ファイナルin朝霧

レポート:藤野 光一

チャレンジリーグ、N2リーグの2018年シーズンを締めくくるべく、11月3日・4日の2日間の日程で「ファイナルin朝霧」が開催されました。
本大会は、これまでのランキング上位選手や大会優勝選手を招待選手として迎え、最後の熱い戦いによって今シーズンのチャンピオンを決めるための舞台となります。
参加された選手は、ランキングトップを争う選手はもちろん、他の選手も自身の目標達成のために期待感を持って朝霧に足を運んだのでした。

1日目

初日の朝は、事前の天気予報からは考えられないドン曇り。大会前日入りした選手に
「昨日、良い思いをするからこうなるんだよ~!!」
と、大会あるあるを話す選手が他の選手の共感を得ていました。
しかし、チャレンジはともかく今年のN2リーグはどうも天気が味方してくれない気がします。そんな中でも、選手は9時からの開会式に合わせてWingkissテイクオフへ移動して行きます。



見た目には厳しそうな気象状況を踏まえ、様子を見ながら良い状況になれば即、競技が始められるように両リーグのタスクコミッティーがミニマムタスクを検討します。気象データでは減率が良い分、日照さえあれば競技ができそうと判断。これ以上は短くできないと言うタスクを組んで、その時を待つことになりました。



周囲の機体が前山から稜線方面へ抜けることができる状況になったことから、正式にタスクと時間が発表されました。

チャレンジリーグは11.8Km、N2リーグは20Kmのタスクが発表されました。明日の最終日の予報が悪い方向へ変わってきているため、これが今シーズン最後の戦いになるかもしれません。


Window Openからスタートまでの時間帯で、早めにテイクオフした選手はそれ程苦も無く稜線へ抜けることができたようですが、中盤から後半に出た選手は前山で上がらない中、忍耐のセンタリングを続ける羽目に陥りました。中には力尽きてスタート前に地上の人となる選手も見受けられました。


チャレンジリーグがスタートしたのは12時ジャスト。時間に合わせて数名の選手が白糸TOの3Kmシリンダーをカットし、さらに西進して行きます。しかし、空はどんよりと曇ってしまい、日差しを選手から奪ってしまいました。この状況で動いていた選手は上げることができず、ランディングに戻るのが精一杯。リフライトに懸けることになりました。

一方、N2リーグもチャレンジに遅れること12時15分にレースがスタート。渋さをものともせずに天子の3Kmシリンダーをカットし、さらに1Kmシリンダーを取りに行った選手は軒並み低くなり、陣馬の先で何とか粘るもランディングを余儀なくされます。やはり、状況に応じた戦い方が必要です。
そんな中にあって、着実に上げては移動して無理をしない飛びで、今日一番の厳しいコンディションを乗り切った選手が20小森、16関根、39河野の面々。決して無理をすることなく、かと言って動ける時にはしっかりと動いてタスクの駒を進めていく。そして、厳しい時間帯は13時前には再び顔を出した日射によって終わりを告げ、リフライトの選手も交えての賑やかな空域が現れました。
そうは言ってもタスクを楽にこなせるようなコンディションにはならず、徐々に空中の機影が少なくなっていきます。
そんな中、ただ一人ゴールを決めたのが20小森さちよ選手。ファイナルグライドはギリギリの高度でYMCAゴールに届くのか微妙だったそうですが、執念が通じたのかギリギリのゴールを果たしました。

チャレンジリーグはリフライトにおいてもゴール者は残念ながら現れず、最長距離を飛んだのは機体を変えて臨んだ504斎藤選手。ダントツの6Kmを飛んで堂々のトップでした。



初日の結果はN2リーグのトップが223点と低く、リーグランキング上位の選手に脅威を与えるものとはならず、トップは16関根選手のままです。
チャレンジリーグもトップの飛行距離が6Kmと、基準距離の10Kmに満たないために100点タスクとはならず、ランキングに変動を与えることはなく、トップは503松岡選手のままでした。

夜はYMCAの食堂をお借りしてのパーティーと、最終戦恒例となった「ナントカ王」の表彰が行われ、大いに盛り上がりました。

2日目

昨日の天気予報では雨だったはずが、朝は何故か日差しもあり期待を持たせる朝となりました。
そうは言っても昼頃から雨の予報もあり、競技ができるかは難しい状況です。
泣いても笑っても最終日。これで2018年シーズンの結果が決まってしまうのです。


選手は今日もWingkissテイクオフへ移動して行きます。が、ほぼ全ての選手がそろった9時前に無情にもYMCA近辺から天子付近には雨が・・・。雨は徐々に長者岳から猪頭方面へ勢力を広げつつあることから、残念ながらこの時点で競技はキャンセルされて2018年シーズンのチャレンジ、N2両リーグ成績が確定したのです。

最後に思い切り戦ってシーズンを締めくくってもらいたかったのは、選手も主催者も同じです。しかし、天気ばかりはどうしようもありませんね。

大会結果

最後に思い切り戦ってシーズンを締めくくってもらいたかったのは、選手も主催者も同じです。しかし、天気ばかりはどうしようもありませんね。

チャレンジリーグ総合

優勝 504斎藤 光秋 Gingliders-Bonanza2

準優勝 524小名木伸枝 Nova-Mentor5 Light

3位 502岩野おさむ Advance-Iota2

3位 508阿部 耕司 Nova-Sector

3位 517谷藤 幸子 Advance-Sigma10

3位 529荒金 正之 Gingliders-Carrera+

3位 536疋田 祥丈 Advance-Iota


チャレンジリーグ女子

優勝 524小名木伸枝 Nova-Mentor5 Light

準優勝 517谷藤 幸子 Advance-Sigma10

3位 523西条 薫 Advance-Iota2


チャレンジリーグチーム戦

優勝 コンタ君(松岡、阿部、貝田、小名木)

優勝 チーム今井浜(岩野、齋藤、谷藤、西条)

3位 ファイナル中村門下生(疋田、佐野)

3位 なまず(荒金、飯田)


N2リーグ総合

優勝 20小森さちよ Ozone-Zeno

準優勝 39河野 美樹 Niviuk-Peak4

3位 16関根 順 Ozone-Enzo3

4位 17藤野 光一 Niviuk-Artik5

4位 70関根 睦 Ozone-LM6

6位 307中久喜千代 Gingliders-Explorer

6位 311千葉 恵 Gingliders-Explorer

6位 325小熊 健 Gingliders-Bonanza2


N2リーグ女子

優勝 20小森さちよ Ozone-Zeno

準優勝 39河野 美樹 Niviuk-Peak4

3位 70関根 睦 Ozone-LM6

4位 307中久喜千代 Gingliders-Explorer

4位 311千葉 恵 Gingliders-Explorer

6位 211柏倉 恵美 BGD-Cure


N2リーグチーム戦

優勝 Tateyama Team-C(藤野、小森、吉田)

準優勝 チーム東北(関根睦、柏倉、田邊)

3位 PinCOO(平松、中川、中久喜)

3位 KPS(清水、石原、江連)

3位 とちおとこ(関根順、谷藤)

3位 NIVIUK+α(田前敏、藤本浩司、田前英代、藤本裕子)


年間表彰

チャレンジリーグ総合

優勝 503松岡 茂 Nova-Mentor5

準優勝 504齋藤 光秋 Gingliders-Bonanza2

3位 502岩野おさむ Advance-Iota2




チャレンジリーグ女子

優勝 517谷藤 幸子 Advance-Sigma10

準優勝 512富重のぞみ Nova-Phantom

3位 524小名木伸枝 Nova-Mentor5 Light


N2リーグ総合

優勝 16関根 順 Ozone-Enzo3

準優勝 26中島 義雅 Ozone-Enzo3

3位 51田前 英代 Niviuk-Icepeak7




N2リーグ女子

優勝 51田前 英代 Niviuk-Icepeak7

準優勝 20小森さちよ Ozone-Zeno

3位 39河野 美樹 Niviuk-Peak4




N2リーグチーム戦

優勝 KPS(中島、清水、青柳、石原、江連)

準優勝 とちおとこ(関根順、田村、谷藤、園部、西川)

3位 PinCOO(中川、工藤、中久喜、横堀、平松)


2018年のチャレンジリーグ、N2リーグがここに閉幕しました。各地の大会に参加いただきました選手のみなさま、ありがとうございました。 大会主催者のみなさま、支えてくださったスタッフのみなさま、多くの方々にこの場をお借りして御礼申し上げます。 2019年も、みなさんと一緒に楽しい競技会を作っていきたいと考えておりますので、来年も多くの皆様の参加をお待ちしております。

 

JPA競技事業部