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2016 四国三郎ジャパンカップ


                      レポート 大会競技委員長 宮田 歩

2016年PNL最終戦となる四国三郎ジャパンカップが、徳島県三頭山エリアで開催です。シーズン中盤は天候に恵まれなかったPNLですが、ランキング上位選手は僅差で争っており、勝負はこの最終戦までもつれ込んできました。果たして逆転劇はあるのか!?いよいよ開幕です。

25日(金)
練習日はやや強めの北風でしたが、ウォームアップを兼ねた選手が多く来場。大会本部設置テイクオフの整備を手伝っていただいた後、練習フライト。やはり上空の北風は強くフライダウンのみとなってしまいました。お手伝いいただいた選手の皆さまありがとうございました。



26日(土)
前日までの北風は収まり静かな夜明けです。心配された雲海にはなりませんでしたが、吉野川の谷底はかなり冷え込むことになりました。しかし、大会本部は選手の熱気で熱い!7:30の受付後、早速三頭山テイクオフへ移動開始です。



テイクオフで行われた開会式では、地元美馬スポーツ協会会長をはじめ美馬市商工観光課長様にもご挨拶をいただきました。この大会は地元の後援あって初めて開催ができています。本当に感謝です。ありがとうございます。そして、四国電力様からは送電線についての注意をいただきました。恒例となった「送電線注意ヨシ!」みんなで指差し合唱し、安全意識を高めます。




開会式が終わったころから、強く吹いていた東風は本流の南風になるにつれ風速は収まってきました。吉野川谷にガッチリ張り付いていた接地逆転層も少しずつブレークしてきているように見えます。タスクコミッティは、12時ウインドオープンに合わせたタスクを設定。そして、逆転層の押し上がり状況で、シリンダー半径でタスク距離を調節することにしました。





テイクオフ北側にある竜王山上空に積雲ができ始めたことを確認し、タスク内容は最終決定。39.3Kmのレースが発表されました。ヘリコプター防災訓練飛行の終了報告があり次第ウインドオープンです。選手はいつでも飛び立てる状況で待機します。





いよいよ訓練終了報告があり、12時にウインドオープン!選手は次々に飛び立っていきます。テイクオフ前の逆転層はまだブレークしておらず、中々抜けきることはできませんが、選手は何とか空中にステイ。12:45のスタートまでコンディションの好転を待つことになります。そして、最初にテイクオフ北側へアタックしていったのは只野選手。テイクオフ台地から上がるサーマルでみごと逆転層を抜けきります。他の選手も追従しガーグルを形成。サーマルトップ1000m と低いものの50%選手は高い位置からのスタートすることに成功!






先頭集団を引っ張るのは、廣川選手。見切り良く尾根先を飛び、最初にテイクオフ前に戻ってきました。しかし、このころには高層雲がはりだし、日照を弱めます。ペースは一気にスローダウンし、生き残りゲームの展開に・・・。日照が弱まれば、頼みの綱であったバレーウインドも収束していきます。それでも紅葉温泉尾根、三頭山尾根には僅かな上昇風を求めて、選手が集まりコンディションの好転を待ちます。




そんな中、モーターランド北東側に入り込んだ扇澤選手、矢野選手は傾斜の大きな南斜面で何とかトップアウト!そして、扇澤選手は絶妙なライン取りで三頭山尾根を北側でパス!稜線に沿った僅かな上昇風で東へコマを進めます。一方、矢野選手はわずかな飛行コースの違いで数m高度が足らず無念・・。テイクオフ前の集団に合流となりました。



選手の思いとは裏腹に、上空の高層雲は厚みを増していき、日照はどんどん弱くなっていきます。何とかしのいでいた選手も最後の滑空に入っていきます。最も北奥からアタックできた扇澤選手もB74シリンダーをカットすることはできず14.1kmでランディングを強いられることになります。あと1時間日照が続けば・・・タスクをコンプリートできていたでしょう。ゴール者はいませんでしたが、37名の選手がミニマム距離をクリアーしタスクは成立となりました。

27日(日)
西から接近してきた低気圧により朝から雨。終日降り続く予報に、残念ながらタスクはキャンセルが決定されました。よって、昨日のTASK1の結果が大会総合成績となり、10時からは大会閉会式と2016年PNL年間表彰が行われました。




2016四国三郎ジャパンカップ総合優勝は扇澤選手。2位は今年PWCレユニオンで10位入賞の廣川選手。3位は地元の稲見選手。そして4位は浜名湖のホープ中村選手!女子優勝は獅子吼の小森選手。2位は高嶺の田前選手。3位はバーズ河野選手でした。チーム戦はオレンジレーシングが優勝!オレンジのジャケットが目立っていました。賞品の愛媛のみかんも是非ご賞味ください。入賞された皆さんおめでとうございます。





そして、今回は四国三郎の名前にちなんだ49位と36位に飛び賞が用意されました。49位は同率38位でしたが、成績表への表記が49番目となった九州の赤尾選手。36位が不在だったため35位に繰り上がり、Coo岩崎選手が受賞です。こちらもおめでとうございました。




続いて、2016JPAナショナルリーグ年間ランキング表彰式が行われました。最終タスクは残念ながら大きな点数がつくタスクとはならなかったため、ランキング上位者の大きな変動はありませんでした。




2016年総合優勝はさすがの扇澤選手!女子優勝は小森選手。小森選手はN2Lランキング優勝も含め2冠を達成です。賞状とともに、副賞となる優勝賞金5万円が授与されました。チーム戦優勝は、圧倒的な強さでオレンジレーシングが勝ち取りました。みなさん、おめでとうございます。





詳しい結果はこちらから
総合:http://jpa.sakura.ne.jp/2016/rank_nl_all.htm
女子:http://jpa.sakura.ne.jp/2016/rank_nl_female.htm
チーム:http://jpa.sakura.ne.jp/2016/rank_nl_team.htm

最後に、この四国三郎ジャパンカップは長い歴史があり、JPA大会になっても2004年から開催が毎年続けられています。この三頭山エリアで開催することができるのも、地元美馬市、スポーツ協会の後援。そしてお手伝いいただけたスタッフの皆さまのおかげです。本当にありがとうございました。

来年2017年は11月11,12日に開催を予定してます。選手の皆様、お待ちしております。